上野で原点を見つめ直す夜

スペースシャトル?


〜あいも変わらず、飲み歩いている記事であります。こんなことなら、『TomsawyerのXanadu(ザナドゥ)的生活』だなんてタイトルからいっそのこと、『coldginの居酒屋放浪記』に変更した方が良いんじゃないかと、自分でも思うのですがまたまた続くのです。〜

 土曜はぽぱいさんと中野、日曜は川崎に遠征、月曜日はグルメッチー☆さん、元坊さん他立石ツアーといささか飲み続けていますので、火曜日は自重して禁酒日にしようなどと殊勝なことを考え、夕方早めにラーメン屋に居ました。さっさとお腹を満たして、お酒が飲めないようにする作戦です。当てにしていたお店はあいにく定休日でタンメンの夢は潰えて、テクテク歩いてその筋では著名なお店の支店に入り、ラーメンを注文。普通盛りで麺が330g、大盛りで440g、普通盛りで充分です。くだらない雑誌を読みながら待っていると、出来上がって運ばれて来るタイミングで携帯が鳴りました。見ると楽笑さんからです。何ともまぁ、間の悪い時に掛かってきたものです。
 どうやら飲みのお誘いで、楽笑会長のお誘いとあらば、今日の禁酒日の決意は脆くも崩れ去ったのです。急いで食べ終えて膨れたお腹をさすりながら、両国の駅に向ったのです。
 今回は双方に都合の良い(というよりはワタクシの方が圧倒的に近い)、上野で落ち合うことにしました。楽笑さんとサシで飲むのは久し振りのことです。やや遅れて楽笑さん登場、どこに行こうかと思案した結果、まずは『肉の大山』さんへ。TODと元坊さんの下町ツアーで訪れたお店ですが、ワタクシは店内は初めて、外の立飲みは何度か。楽笑さんは以前来ていて、知っているはずなのですが、お約束のように場所を間違えてくれます。
 混み合う店内にしばし待ち、カウンターに通されます。メニューにはホッピーが見当たらないので、仕方なく瓶ビールを注文しますが、後にホッピーの札を壁面に発見、大いに悔しがったものです。とりあえずビールで乾杯、ワタクシはもう食べた後ですが、楽笑さんは空腹でしょうからと、焼きそばを勧めて、オードブル盛り合わせもオーダー。カウンターからは調理場が全て丸見えなのですがこれが、鮮やかな手捌きで作るのです。話をしながら見ていると、具を炒めてその間に生麺を大鍋で茹で、炒めた具に茹で上げた麺を入れて、炒め合わせる、そんな動作を見ていると実に美味しそうです。実はワタクシはソースが苦手なので、焼きそばというと、上海焼きそば(五目あんかけタイプ)しか興味が無いのですが、これには興味惹かれました(食べなかったけど)。かなりの人気があるらしく、その証拠に一時間ほどの間に10食以上は作っていたように見受けられました。量的には値段も張るものの普通のお店で見る倍くらいはあるように思えました。お肉がたっぷり入るのはさすが、お肉屋さん直営ならではですね。
 オードブル盛り合わせはローストビーフ、スモークサーモン、生ハムを中心に5.6品。これも食べ甲斐があり一人で来たらこれで充分でしょう。
 ホッピーに切り替え、楽しく話をしているとだんだん楽笑さんの顔が和らいできました。仕事上のお話しを聞いたり、にこけんの話をしたり、チョッと艶のある話をしたり。お酒が入ってリラックスして来たせいもあるのでしょうが、最初は顔が強ばっていたのです。何か悩みでも抱えていたのでしょう、何もして上げられませんが、相手が楽しそうにしてくれるとコチラも嬉しくなるものです。
 中央通りを渡り、お次は半兵ヱです。ココは昭和レトロチックな内装で、年齢層が高いかというとそうでもなくて、意外に若いお客が多いのです。何故なら格安だからなのでしょうね。簡単なつまみを注文して、ウィスキー(バランタイン)を啜ります。すぐ近くの席には20代前半と思われる女の子二人が楽しそうに話し、我々の席との間にあるスピーカーからは懐メロから果ては軍艦マーチまで流れています。このギャップが堪らなく面白いですね。ギャル系の店員さんも、ダラダラ仕事するわけでもなく、サクサク動きが小気味良いのです。聞くと下町生まれの江戸っ子だそうで、とても感じの良い女の子でした。
 今度は風俗の呼び込みの魔の手をかいくぐりながら、湯島の方に向かいます。ココには楽笑さんをどうしてもお連れしたい、Eというバーがあるのですが、前回同様満席で入る事が叶いませんでした。仕方がないので一回りして先程通り掛かりに気になったお店に入りました。店先でたこ焼きを焼いているのですが、中は至って普通の居酒屋メニューもあるお店です。ホッピーがあれば文句なし。煮込みもあるので当然注文します。オーソドックスな味噌味。我々が日本煮込み研究会なんですよ、と酔った口でいうと女店主はちょっとドキドキしたようで、味どうですか?と聞いてくれますが、文句ないお味でした。
 面白いメニューを見つけました。たこ焼きというのはありふれていますが、タコをエビに替えたその名もエビ焼き。たこ焼きのように外側カリッと焼き上げ、ふんわりとした食感で中からエビが出てきます。ソースは苦手なのですが、コチラでは醤油ダレで頂きました。
 結局いつものように二人飲み会となりましたが、楽笑さんが地元を離れ東京へと出て来て、初めてお会いした上野の街、あれからもうすぐ二年が経とうとしています。あの夜訪れたお店も無くなっていたり、二人で始まった『にこけん』も10人を大幅に超えるメンツが揃い、一声掛ければすぐさま小さいお店では入りきらないほど。そんな時の移り変わりをしみじみと噛み締めた夜なのでした。