西日本バイクの旅〜出雲・松江編〜

 4月2日、10日目。天気予報どおり、雨の降りそうな空模様で、作戦通り今日はバイクに乗らないぞとばかりに、ユックリ寝てましたら、同宿の学生たちが朝早く(6:00)からウルサくてビールを飲んで二度寝を決め込みましたが、前日も〆の食事をしていないので、空腹で九時ごろには起きてしまいました。
 電車の時刻を見ると、丁度良い時間の電車が行ってしまいそうで、急げばゲット!出来るかギリギリなので、次の電車の時間を見ると約一時間後。都会の感覚では事が運びません^^。
 グズグズ身支度をしていましたが、幾らなんでも一時間は長過ぎYHを出て、昨日使った駅のもう一つ先の西側の駅を目指して出発。傘を忘れてましたが、無人の駅舎に付く頃には雨が降り出し、電車を待っていると土砂降りになってきますT T)。
 それでも、車中風景を楽しむ事が出来ます。バイクだとよそ見ばかり出来ませんですからねぇ。出雲大社前駅に着く頃には少し弱くなります。傘を買おうか迷いながらも、不必要な荷物を増やしたくないですから、我慢して歩き出します。出たのが遅かったので、昼前の良い時間で、これを逃して出雲大社を先にすると混んでしまいそうなので、逆コースで先に蕎麦。出雲ソバは興味があります。全然違う関東のある町で食べた事があるので、本当の味を知りたいですし、地元出身の昨夜会った男性の一押しの店ですから。駅から言うと、A屋がとても有名らしいですが、先述の男性が「有名だけであそこは、高いしこちらの方が…」と推薦された『かねや』に。ガラリと開けると、まだ全然混んでいないし拍子抜けしました。作戦通りといえば作戦通りなんですが。割り子ソバを\630。一人前では普通少ないらしいんですが、まずは一人前(3枚)を食べます。ツユが辛いです、と言われていましたが東京のソバからするとまぁわりと普通の辛さでしょうか、直接ソバにかけて食べます。ソバは少し黒味がかった色で、香りも良いです。しかしツユが、ニボシ系だということなのか、それとも魔法の粉が入っているのか、少し違和感が有りました。関東系はやはりカツオだし系が馴染みます、ソバには。あと、薬味がネギ、海苔、紅葉オロシで、ワサビが欲しくなったワタクシはワサビを。それぞれの地方によって違うものなんですよね。群馬、長野辺りは、切りゴマ、大根おろしが付いて来たりします、ワサビのほかに。
 なんだかんだ言って結局二人前食べて、いよいよ出雲大社です。 別に信心深いわけではないんですけど、ここまで来たら行かない訳には参りません。
 まだ、ポツリポツリと降る中、桜も3・4分咲きほどで日曜日と言う事もありなかなかの人出です。境内は鳥居をくぐりしばらく歩きます。かなりの広さがあり、悔し紛れに言う訳ではありませんが、雨に濡れてシットリとした趣もまた良いものです。それも、暖かくなって来たからなんでしょうね、真冬に濡れるのはNo,thank you.です。
 皆が盛んに小銭を例のしめ縄に投げ込んでいます。きっと上手い具合に刺さると金運がつくとかなんとかそういうことでしょう。お金が欲しけりゃ、投げたりしないでもっと大事にしなけりゃね!
それにしても、画面の関係上枚数を思いっきり減らしましたが、ここの建造物、佇まいは素晴らしくバシバシ写真を撮ってしまいました。写真で見る以上に巨大であったり、圧倒されました。全くの予備知識が無く行きましたが、却ってそれが良かったのかもしれません。ここは『縁結びの神様』と言うので有名だそうで。そんなこと(と言ってはイケナイですが)よりも、全体の雰囲気が素晴らしく、行く価値が有りますネ。
 満足して、帰ろうとして駅に向かって歩いているとゴロゴロと、雷鳴が。先程から何となく感じてはいたんですがね。途中で強い降りに。出店の前の木の下でしばし雨宿り。書き忘れていましたが、出雲大社は松も素晴らしかったですよ。
 出雲大社前駅に戻り、今度は出雲市駅に向かいます。電車で乗り換えて行きます。歩くと約10km位、歩くのが趣味の方には丁度良い距離でしょう。いずれにしても、出雲大社の駅と、出雲市の駅はエラク離れているので、降りる所を間違ったからと言って軽く歩こうと思ってはいけません^^。
 JRの駅と乗り入れしている出雲市駅前は小ざっぱりとしていますが、詰まらない表情です。区画整理などをしてキレイにしてしまったどこにでもある地方都市の駅です。まぁ、出雲大社の辺りに行ってきたから余計にそう感じるのでしょうね。それにしても、あちこちの地方都市の抱える問題同様、鉄道の駅が街の中心から取り残されて、中心が国道の方に移動しているようで、歩き回っても人が全然見当たりません。前日国道9号線でやって来たときにはそこそこ店もあったので、そちらに行こうとして、途中古めのアーケード街を見つけたので通ってみると閑散としていて、お店も殆んど営業していません。全く淋しい限りです。開いていないから、観光客も来ないでしょうし、これでは駅前を再開発と言っても厳しいんじゃないでしょうか?
 それでも、しつこく国道の方に足を伸ばし散策しいい加減にくたびれて、駅に到着。グルリと一周し、JRで松江に。JRの松江の駅からは、松江宍道湖温泉駅まで\100の市内観光コースを回るバスがあるのでそれで移動します。これはなかなか遠回りで、市民のバスとしては辛いかもしれませんが、観光客にとってはアリガタイ足です。主要な観光地と思える箇所をサラッと車中から眺め、松江宍道湖温泉駅を少し過ぎた辺りの温泉街で降りまた突発的に土砂降りです。それでもバス停にはしっかりした屋根が付いていてしばしの雨宿りです。宿で教わったとおり、社会保険センターの外湯に行きますが、何だか雰囲気がオカシイです。出てきた人に聞くと丁度終わったところだと。ガーン日曜日だけは早仕舞いだったのですね、ショックです。コンナコトナラ、イズモデブラブラトナドシナケレバ・・・。 
 気を取り直して駅前の足湯に。歩き疲れた足に心地良く、サッパリして、飲み屋街に。昨日行ったお店も良いですが、今日は休みだったりするし、行ったことの無いところを発掘するのもまた楽しいものです。
 まずは焼き鳥屋。小奇麗で普段は余り選ばないタイプですが、そもそも選ぶ選択肢が少ないので。それでも、そこそこソツない感じで手堅くまずは一杯。ここら辺でも砂ズリと言うんですね、砂肝の事を。若い店員さんはテキパキ働き、ダラダラしているよりはずっと感じが良いです。
 昨日は歩かなかった辺りをブラリ一周、それでも良いと感じるお店もなく、結局先程のお店に程近い『おでん』のお店に。カウンターに常連らしい客が四人。なかなか賑やかです。ビールとおでんを頼み、つまみますがお任せで出てきたネタが、今となっては思い出せない。何か練り物系でイカなんかがゴロッとした感じで練り込まれていた揚げ物で、なかなかの物でした。お任せで残すのは悪いので、食べましたが、本来ワタクシはアンチ☆ネリモニストなので^^。
 さて、このまま帰ってはイケマセン。宍道湖まで来たらあのネタを。そう、シジミです。橋のたもとにあるやまいちと言うお店を訪れました。これが何とも良い風情で、最初からここでも良かったぐらいです。まぁ最初からいても、結局他にふらりと行くんだろうけど。ここのシジミは本当に美味しく、宍道湖のですか?と聞くと、隣の中海(なかうみ)のものだそうで。宍道湖のものより癖が少なくコクがあるとの事で、これも一つの見識かなと。余りに地のものにこだわりすぎで、美味しくないよりは遥かに良いですもんね。それに、繋がっていますから、中海のものでも他所から(他県や海外)からのものよりはずっと地のものと言っても良いんでは? シジミの味噌汁と言うと、普段どこかに実が行ってしまったような殻ばかりが目立つものが多いのですが、思い入れが深いのかとても丁寧に作られていて美味しかったです。
 そんなこんなで終電の時間が近づき、駅まで急ぎ途中からダッシュしましたが、結局あと一歩で乗り遅れ、タクシーでご帰還と相成りました、チャンチャン!