京都の夜

きずし(シメサバ)

 そんな訳で、夕食会の後、ワタクシはかねてから予定していた通り、去年バイクで京都まで来た時に見つけた、東山のお店に出向きました。もともとココに来る予定でしたので夕食もコースで出されていたのですが、中途半端に手を付けてお腹の具合もほぼ満腹でしたので、腹ごなしも兼ねて歩くことにします。ホテルは二条城前、目指すお店は鴨川を越えて京阪三条駅を越えたあたりですから、地図で見ると2kmほどです。実際夜道を歩いてみると最初は涼しい感じでしたが、到着する頃には暑いぐらいになってしまいました。約40分の行程。それでも以前来たときには歩いていないところも辿り、夜の京都の街が見えて面白いものです。
 

到着したのが21:00過ぎ。閉店時間を知らなかったので、少々焦って来ましたが、『開いていてよかった!』です。カウンターでぐるりと囲まれた店内(1F)は8・9人居ましたが、空席もチラホラ。端の、調理場に程近い所に席を決め、先ずはお酒を頼みます。豊富にあるメニューの中から、きずし。このお店は価格的に安い、というのではなく、値段からすると割安な一皿なので、一人で行くより何人かで行く方がよろしいかと思います。店内の貼り紙を見ると閉店は22:00と書かれているので、21:30頃になると帰っていくお客さん達、若干焦っていると女将さんは22:30までは大丈夫と仰ってくれました。この女将さん、混雑していたりするとチョッと怖いような客あしらいなのですが、実はとっても優しい方で、何かと気を配っています。コチラにはサービスでモンゴウイカの子の酢味噌掛けを少し出して下さいました。隣にいたカップルは、カツオの刺身や焼き魚を広げ、更に土瓶蒸しを頼んでおります。作っているのを見るととても美味しそうで、ついコチラも頼んでしまいました。松茸、シメジ、銀杏、人参、海老、鱧、三つ葉が入っていて、八方だし(だし汁にしょうゆ、みりん、酒、塩などを加えて味をととのえただしのことです)で満たします。調理場の職人さんが話し掛けてくれて具材は七種類はいっているんですと教えてくれて、七福神と同じ数ですねと返します。そういえば、関東の福神漬けも具材は七種類だそうですね、と料理の小ネタ。出来上がった土瓶蒸しをお猪口に注いで飲もうとしたら、職人さんが正しい食べ方を教えて下さり、具を食べながら美味しいだしを飲むとすっかり満足。松茸も、鱧も海老等、全てこのだしに染み出て、最高のだしになっているんです。とても良い夜になりました。