とんこつ

とあるラーメン

 ここ東京の本来のラーメンは、鶏ガラで煮出した澄んだスープが特徴、さっぱりしていて二日酔いの時にもピッタリと言う感じですね。
 しかしワタクシの生まれ故郷北海道では、鶏ガラももちろん、豚骨を静かに煮出し、決してグラグラとしないように煮て、スープを取るようです。モヤシ、玉ねぎ、挽き肉をラードで炒め、そこにスープを入れるので最後に供される際、スープの上に油の膜が張り冷めにくいのが特徴。何たって寒い地域には熱いおもてなしなんですね。湯気が出ていないからと、油断すると口の中をたちまち火傷してしまいます。なので、こういったラーメンがデフォルトですり込まれていたので、北海道を出て初めて東京でラーメンを食べた時には、何とぬるいものだろうと拍子抜けしたものです。
 さて、その昔一世を風靡した札幌ラーメンですが現在では、どうも旗色が悪いようで、その代わりと言ってはなんですが、九州のトンコツラーメンは席巻しておりますね。長浜ラーメンのような細麺に白濁したスープ、替え玉含めて2玉は軽くいけてしまうような、そんなラーメンもそうですが、少し前から、油チャッチャ系といわれる、コッテリしたトンコツラーメンも台頭してきました。コチラはむしろ元気な時ではないと、胸焼け必至のシロモノ。
 時としてたまにはそんなトンコツラーメンが食べたくなるのですが、これが意外と難しいもので、東京という街は全国からのラーメンがしのぎを削っている激戦区。それにもかかわらず、一説によると川向こうといわれる、隅田川を挟んで東側には美味しいラーメン屋がないとの悲観的な見方があります。ネットで探しても、錦糸町付近ではなかなかヒットしません。
 家の近所ともいえるような場所に比較的評判の良い、トンコツラーメン屋があります。ここは九州出身の方が、比較的マトモな、と形容したお店ですが、トンコツ独特なニオイが店外半径50mぐらいに漂い、敬遠して参りました。しかし、意を決して訪れてみると、まぁ、それほど悪くはない味。
 それを思い出して、久し振りに行って来ました。ココに四年程住んでいますがその中で二回目なので余り相性がイイとは言えないのでしょう。やはり店内に入ると、きつめのニオイでヤッパリ止めた、と言って帰りたくなるのですがトンコツラーメンを食べたい欲求を押さえ切れないので、我慢して出来上がりを待ちます。サッサと食べてサッサとお金を置いて店外へ。外の空気が新鮮です。
 上の写真は博多・長浜で食べたラーメンですが、全然臭みもなく美味しかったんですけどね。他に熊本、鹿児島、別のときに博多で食べましたがみんな臭いところはなかったんですがねぇ・・・