洋風煮込み・トリッパ

ホールトマト比較

 『にこけん(日本煮込み研究会)』と称しているのはそもそも、楽笑会長が煮込み研究を唱えたのが鹿児島在住の頃、ワタクシも賛同したのです@東京で。インターネットならではのつながりですね。また、ワタクシがバイクで全国アチコチを旅した時に煮込みを食べてみたりということもあり、『日本煮込み研究会』と称するのであります。そのうちプロレスの団体のように『全日本煮込み研究会』だとか『新日本煮込み研究会』など群雄割拠するようになるのでありましょうか?なんてね。
 さて、その黎明期でもある西荻窪での回で『にこけん』として何を研究対象とするかという議題が出ました。ワタクシはモツ煮込みしか念頭になかったのですが、『煮込み』というともう一つ『牛すじ煮込み』というのも定番ですね。モツ煮込みが味噌味ならば牛すじ煮込みは醤油味が味付けの基本かもしれません@関東それも東京では。しかしながら、モツ煮込みでも最近のお店では塩煮込みというのも流行って来ているようにも見受けられますし、牛すじ煮込みというのも、関西ではドテ焼きと称され串に刺したスジ(アキレス腱)を味噌ダレで煮込むものもあったりして、一概には決め付けられないのがこの研究の面白さです。地域による違い、お店による違いがあるのですね。またおでんだって煮込むほどに美味しいし、カレー・シチュー類も煮込むものですね。シチューというのは{『stew』:〈食べ物を〉とろ火で煮る, とろとろ煮込む, シチューにする }という意味があるので、やはり煮込み料理の代表なのですね。しかしながらそこまで研究対象を広げるとキリがないので、メインは『モツ煮込み』、『牛すじ煮込み』の二枚看板でいく、ということになったと記憶しております。
 そんな訳で、この間の花見の折には二つ作って持参したのですけれども、海外でもモツの煮込みは食べられておりますね。その中でも、映画『ハンニバル』の原作ハンニバル(上) (新潮文庫)の中にも出てくる『トリッパ』。ワタクシがこの料理に出会ったのはススキノのとあるバー。今あるのかわかりませんが、怪しい雰囲気の狭いバーで頂いたのですが、これが絶品でその後マスターとの会話から得られた少しのヒントと舌の記憶で作ったのですけれども、今回改めてレシピを調べるとそうあながち間違っていないことが判明。とは言ってもそもそも難しいものではないのですからね。しかし、長らく牛すじで作っていたのですけれども、本来はハチノス(牛の第二胃袋)を使って作るようです。なので今回はハイブリッド式で両方使いました。
ハチノス・牛すじはお湯で湯でこぼしアクを丹念に取ります。茹でては水にさらしここでおおよその要らない脂分が抜けます。(水にさらすことで脂が固化し浮いてくるため。)






ミルポア(玉ねぎ、セロリ、ニンジン、ローリエ)を作ります。ニンジンは食感も残したいので少し大きめの銀杏切り、そして本来ミルポアには入らないニンニクのみじん切りも一緒に。これは粗みじんで結構です。





炒めたミルポアを圧力鍋に敷くように入れてから、ハチノス・牛すじを入れ赤ワインボトル半分を注ぐ。¥353という値段で発作的に買ってしまったホールトマト2,250gを鍋に入れたらあふれそうになり、半分チョイでストップ。コンソメキューブ一個も入れて、塩・コショウは程ほどに入れておきます。ここで味を決めるというのではなく、下味感覚で。


火に掛けて沸騰したら弱火で20分少々煮込み、しばらく放置して圧力が下がるのを待ち他の寸胴に移します。缶に残っていた残りのホールトマトも合わせて煮込みます。味を確認して隠し味の醤油少々(大さじ1程度。うまみアップと味に切れが出る)、砂糖(三温糖)少々(小さじ1程度。コクが出る)、ケチャップ少々を入れ煮詰まることを予想して塩加減を決める。水分を少し飛ばして好みのとろみ加減で完成。
リングイネ(少し平べったい形状で海鮮系のパスタに良く使われます)や無ければ少し太めのスパゲッティーニ〜スパゲッティぐらいのパスタを和えても美味しいです。もちろんチーズのトッピングもお忘れなく♪
完成写真はコチラ