にこけん・ロケハンと立石・宇ち多゛初訪問

宇ち多゛

 昨夕。本所吾妻橋付近に居た(結構この記述が多いようですが、本所吾妻橋に住んでいるわけではなく、用があるだけなんです。)ワタクシは、いつものように、飲みに行くところを検討していました。その場所から一番近く馴染みのところは、『とん平』さんですが、おおよそ一週間から十日に一回ぐらいのペースを保っています。気分的には新規開拓をしたい感じでしたので、もう少し押上方面に寄った交差点にある串焼きと地酒のお店が最近気になっていたので、行ってみることにしました。橋を越えて辿り着くとまだ準備中。というか今日はお休みのような雰囲気で開きそうもありませんので、すぐさま方針転換。もう一つの候補地に向うことにして、少し歩いたところにある押上の駅から電車に乗ります。ここは都営浅草線半蔵門線、京成線が一つになるターミナル。駅の規模こそ大きくはありませんが、便利な駅です。今回は『にこけん』で次回使おうかというお店のロケハンも兼ねていますので、行き先は内緒。
 駅に降り立ったワタクシは、時の過ぎ行く早さに嘆息し、駅から少し離れた商店街を目指します。車で来てはいますが、飲みに来るのは実にもうすぐ二年が経とうとしています。目指すお店はそこから更に歩くのですが、商店街はなかなか風情があっていいものです。ラーメン屋さんからは餃子の焼ける匂いが漂い、焼き鳥・モツ焼き屋さんからは脂の焼ける煙が流れ出てきます。
 と、一軒気になるお店が。味噌屋さんです。店頭には木の樽にたくさんの種類の味噌が並べられています。表にあらわしこそしませんが密かにコーフンしてしまうのです。我ながら変な性癖だと思いますが、知らない醤油や味噌を見つけたりすると、嬉しくなってしまうのです。
 最初は見るだけにしようと思っていたら、他にお客の居ない暇なお店の方はワタクシの一挙一動を食い入るように見ています。全てが自家製ではないそうですが、自社工場は信州にあるそうで、その中で売れ筋のお味噌を尋ねると、意外に手頃なお値段。飲みに行く時に増やす荷物というのは嬉しくないのですが、これは例外としましょう(苦)。
 さて味噌1Kg分重くなったデイパックを担いで、目指すお店に入ります。久し振りに来ましたがやはり良いですね。豊富なメニューが壁面を埋め尽くしています。飲み屋さんでグズグズすることが嫌いなワタクシでも何から始めようか迷うほどです。ホッピーはあいにく無いので下町の酎ハイと目に付いたガツ刺しを注文。オーダーが通った後、見付けてしまった宮城県産ホヤの刺身も追加。時間が早いせいかお客もまばら。いつもはぎっしりなんですが。ユックリ飲めるというものです^^。
 TVのニュースを見るともなく眺め、一杯やる贅沢な時間。感傷に耽るようでいて、その実コハダ酢、酎ハイ二杯目の後に、お酒(高清水)大(察するに1.5合)と目的の煮込みを追加。久し振りに食べましたが、小ぶりな鉢に入った煮込みはなかなかのお味。個人的にはもう少し甘みもあったらいいかと思いますが、これは好き好きでしょう。これだけ頂いてお会計は\2,000を少しオーバーした位。リーズナブルとはこういうことなんでしょうね。
 ほろ酔い気分で、次の目的地を目指します。どこにしようかと迷った挙句辿り着いたのが、モツ焼きの聖地、立石です。ココには4月にも来ましたが、本当に魅力的なお店がたくさん集まりそれらが互いに切磋琢磨し更なる町の魅力を増している、そんな町なのです。その中でも立石といえば、ココと言われるぐらいの名店『宇ち多゛』さんはいつも行列が出来ていて、過去にも時間が遅くて、とか混み過ぎて入れなかったこともしばしば。しかし今回はそれほど並んでもいなくて、お客さんの方にも動きがあります。19:15過ぎで20:00までだけど、と言われながらも初めて入店叶いました。ギッシリ埋まった店内は長い歴史が刻んだ時の流れが醸し出す本物の空気感。(最近は『レトロを模倣した内装の新しい店舗』というのが流行っているようですが、残念ながらワタクシの好みではありません。)
 お店の雰囲気に圧倒されながら注文も上ずってしまい、ホッピーを頼んでしまいましたが、コチラは無いのですよね、ビール(キリンラガー)と煮込みを注文。すぐさま届けられたビールで喉を潤します。煮込みは赤味噌で煮込まれた部位が色々と入っている、濃厚なもの。好みとはちょっと違いますが、これはこれで満足です。フワ(肺)が入っていて、苦手な方は駄目でしょうがワタクシはその名の通りフワフワした食感を楽しめました。焼き物は勧められますが何をどのように注文していいのか勝手が判らず、一度はタイミングを流しました。お兄さんに促されるまま一皿お任せで焼いてもらいます。
 焼き方を指定しませんでしたが、レバーとシロ塩で。外側は少々焦げ気味ですが、硬くはなかったです。お店の雰囲気も楽しみながら飲んでいると、お客さんが少しづつ引き潮のように帰り、お店も仕舞い支度を始めます。それでも最後3人残ったところで目の前の常連さんには大将も短髪ののお兄さんも話し掛けてきて、実に和やかでいい感じです。あれだけの混雑振りが嘘のよう、正に祭りの後、という風情です。今回はデジカメを持っていなかったので、携帯のカメラでしたがそれがきっかけで常連さんと話すことになり、ワタクシの『にこけん』の名刺をお渡しすることとなりました。