中野に昭和の風

中野B級酒場

 何だかんだと気が付けば、いつの間にかバイクの車検の時期を迎えて、買ったお店の関係で、中野方面、都立家政の近くにあるショップに車検をお願いしに持ち込むこととなりました。行きはバイクであるものの、帰りは電車で帰って来なければなりません。ならばと言うことで、極西連合兼にこけん城西支部長兼中野親善大使の肩書きを持つぽぱいさんにひと声掛けておかなければ、帰ることは出来ませんね^^);
 昼間仕事中にも拘らず快諾して頂き、夕刻暗くなり行く街を快走・激走し、最後少し迷いながらも無事到着し預け終えると、西武新宿線都立家政の駅まで歩く心がはやります。迷ったお陰で、時間が予定よりも遅くなってしまったのです。それでも何とか集合の駅に辿り着きました。いつもの通り元気なぽぱいさんの顔を見て一安心。実はかれこれ『にこけん』でのお付き合いも1年半程ですがサシで飲むのは初めてなのです。なので他の皆様お気を悪くなさらないで下さい。
 今回は中野親善大使でもあるぽぱいさんのお膝元、中野を攻めるということでバスで移動した後、中野に着いたワタクシはかつて栄華を誇った中野45番街についてのレクチャーを受け、偶然にも昼間楽笑さんから池袋の人生横丁がなくなるという話や彼と行った仙台の横丁がフラッシュバックしました。
 中野を訪れるのは、先日野方で飲んだ後に引き続いて以来のことなので割りと最近と言えば最近です。とりあえず、生ホッピーで喉を潤すということにして、選んだのは中野B級酒場というお店。忙しそうな店内はほぼ満席、カウンターに何とか二人分確保出来ました。全く予備知識なしで入りましたが、結構偏りのあるメニュー構成です。 二人であれこれ吟味し生ホッピーを注文します。大忙しなのでカウンター越しに注文をするのですが、お運びの人が持って来るだけでフードの注文を取らないので、空腹にアルコールが効きます。チョッとオペレーションに難ありですね、実にもったいない(苦言失礼)。
 そうは言っても、キッチリちゅーりっぷ焼き(カレー)、冷奴、牛筋の煮込み等をオーダー。ちゅーりっぷ焼きは手羽元をカリッと焼き上げたものにカレーのパウダーを振り掛けたもの。煮込みは少し甘めの醤油ベースで牛スジ肉を煮込み豆腐を入れてあります。鍋は熱々に熱してそこに玉子を落として熱を加えられるようになっています。『大はし』の味付けで『山利喜』のスタイルというところでしょうか。ネギは小口切りのものと浅葱があしらわれていて、珍しいです。
 楽しい夜は始まったばかり、次の目的地を探りながら横丁を5番街から流し4番街、3番街と順繰りに見てゆきます。それにしても実に色々なお店があるものですね。殆んどが飲食店ばかりで固まっている地域と言うのは他にはあまり無いそうで、そのスジの関係のお仕事が本職であるぽぱいさんは、気兼ねなくくつろげるお店、チェーン店でないお店ということで選んだのは活気溢れる『ウロコ』というお店。新小岩にも同様のお店(小岩 トロ函)がありますね。
 開け放たれた窓から店内の様子が窺えますが、お客さんで満杯。カウンターの片隅、デシャップの真ん前に二人並んで着席。スタッフは若く、調理場の中で年長者がビシッと締めている感じ、好感が持てます。まずはホッピーを注文し、焼き物を幾つかオーダーします。この日は数ある中からアジ、サザエ、マグロのホホ肉を選びました。目の前に長い七輪が運ばれて来て一気に文字通りヒートアップ。
焼き物ならお手の物(手前味噌失礼)ですから、パリパリキャベツやイカイクラ掛け、ポテトサラダをツマミにホッピーをグイグイ。本当にお店の活気があるので負けていられないと、こちらも元気がみなぎって来ます。実に良いですね、TVからはターミネーター2が放映されていましたが、このTVが今から20年以上前に製造されていたと思しきシロモノ。さすがにガチャガチャ回すチャンネルスイッチではありませんでしたが、久し振りにフラットではないブラウン管を見ました(笑)。
 この間の沼津でオジさんに教わったとおり、『川魚は皮から、海の魚は身から』焼くということを念じながら焼きました。ぽぱいさんもご存じなかったようですが、実際、上手く焼けました。炭火で焼くとふっくら焼けるのはいつ食べても美味しいものです。塩加減も丁度良く、干物作りをしているワタクシには最近市販の干物を食べていないので、勉強にもなります。
 お次はそろそろお腹も膨れたところで中々決まりませんでしたが、元坊さんの記事にも出てきたバー『ブリック』さんにすることにしました。トリスが¥200で飲めるのです、この時代に。驚きですね。しかし、安いからといって侮ってはいけません。実にオーセンティックなバーで社交場としての地位を保っていた時代の香りが漂う何ともいえない雰囲気がそこかしこに滲み出ています。冷えたジンはタンカレーでしたのでショット(¥400)で頂き、ぽぱいさんのトリスハイと乾杯。ここでもポテけんのぽぱいさんはポテサラを注文していましたが、供されたものを見て唸ってしまいました。実に手作り感溢れる逸品なのです。食べられたら良かったのですが、あいにくマヨネーズが大の苦手。それでも本当に他所のものとは比べ物にならないほど惹き付けられました。お会計は本当に申し訳ないほどの料金なのに、丁寧にお辞儀をされて恐縮すること仕切り。とても良い気分でお店を後にしました。
 突然のお誘いに嫌な顔一つせずお付き合い頂いたぽぱいさん、どうもありがとうございました。お陰様でとても楽しい夜を過ごすことができました。