東京脱出、川崎遠征 前編

立飲み天下

 何だか仰々しいタイトルでナニゴトカ?という感じですがまたまた飲み歩きなのです。サッカーや野球の試合で出掛けるような人間ではないのです。
 先週月曜に北千住を探索した仲のMさんと、思い起こせばひと月前、飲んでいる最中にうっかり(?)約束してしまったのです。携帯のスケジュールに組み込んでいたのですが、後日すっかり忘れていて、これなんだっけ?と聞き直す始末。イケマセンネェ。事の発端はMさんが『世界の山ちゃん』に行ったことがないので、行って手羽先を食べてみたいとのことだったのです。ワタクシは過去にも何度か新宿のお店へ行ったことがありますが、どういう話の弾みかMさんが以前住んでいたこともあって、川崎に遠征しようという結論に至ったのです。ワタクシも過去に大森に住んでいたこともあり、川崎では少々心当たりがあります。
 そうして当日。蒲田で買い物をしたいので、というMさんとは川崎で待ち合わせ。錦糸町から総武快速線に乗り、品川乗換え、東海道線で一駅。実に40分ほどで川崎駅に降り立ち、改札を出るとほぼ10年振りの川崎の駅の大きさに圧倒されてしまいました。人の多さにビックリしこんなに駅が大きかったかなぁとすっかりオノボリサン状態(東京から行っているから逆なのにネo(TヘTo))。『アゼリア』の方へ向い『さいか屋』の看板を見ると川崎に来たんだなぁと実感が湧きます。
 約束の17:00前に合流、寝過ごして結局買い物はしていなかったそうで、そのまま『世界の山ちゃん』を探します。心当たりの立ち飲み屋さんは記憶が薄れて確か、ここら辺と探しますがなかなか見当たりません。記憶にないビルも次々と出来ているので無くなったのかなぁと、落胆しかけたときについに発見。でもあいにくの日曜日でお休み、シャッターが閉じられていました。記憶の店の形状と完全マッチしていて、とりあえず見つけられたということで気分は上々なのです。
 カラオケ屋の店員にMさんが聞いて辿り着いた『世界の山ちゃん』川崎砂子店の前には人だかり。17:00開店の3分前で開店を待つお客さんだったのです。すぐさま列に加わり少々待って入店。次々とお客が席に着いて直ぐに満員、凄いものですね。今回の目的は手羽先ですし、折角川崎に来たのですから目一杯楽しもうと目論んでいるので後のことを考え飲み物と手羽先だけを注文。他のメニューは至って普通の居酒屋さんと変わらないのです。待つこと数分で来ました。皮がパリパリ、身もパさつきが無く、ピリ辛の味付けに甘めのタレがホッピーと良く合いますね。Mさんも目的を果たし、手羽先の味に満足気。食べ終えるとそそくさとお会計。ここでは手羽先二人前とそれぞれ緑茶ハイとホッピーだけなので二人で1,640円。何度も来ているし、それほどの思い入れも無いので写真は取り忘れてしまいました(´A`。)グスン。
 さて、車で言えば暖気運転が終わったぐらい、お次のお店を探しながら川崎の中心街から飲み屋街をブラつきます。やはり日曜日ということで、個人営業のお店は閉まっているところも多く、開いているのはチェーン展開している居酒屋・飲食店が多いです。そういったところに行く気は、二人ともさらさら無いのでこれといったお店がなかなか見つかりません。ふと迷い込んだような横道を抜けると二人の心をガッチリ掴んだお店が出現しました。漢字とハングル文字しかない韓国食品と雑貨のお店ですが、店頭にテーブルが並びそこで飲食できるのです。 店先を覗くとトッポギや韓国スタイルのおでんが煮え、海苔巻き(キンパ)やそれをてんぷらにしたものがあり、興味をそそられます。
 店内に入ると、その横には冷蔵ケースに入ったキムチがたくさんあります。その種類ザッと10種類以上。こんなに沢山のキムチを見たのは初めてですね。二人とも逆上し少しづつ食べてみたくなり試食も出してくれ始めたのですが、交渉の結果全ての種類を少しづつ小皿に出してもらい、マッコリ(1L入り\1,200)のお供にすることにしたのです。雨が降っているので二階でどうぞという店員さんの制止も聞かず、是非とも外のテーブルで飲みたいと、テントの下で横並びに席を決め早速宴の始まり。行き交う人も少なく、様々なキムチを口に入れマッコリをグビリと飲ればいやが上にも気分が盛り上がります。キムチの種類は、一番お馴染みの白菜、カクテキ(大根)、イカスルメイカの干物のの細切りのようなキムチ(歯応え抜群)、チャンジャ(タラの内臓)、水キムチ(辛くない)、割り干し大根のキムチ、胡瓜もしくは瓜のような白いキムチ(少しピリ辛)、ネギのキムチ、ゴマの葉というラインナップに加えて、日本で言う黒豆のようなもの、海苔の煮物?というには乾燥しているもの、小魚の佃煮状の物二種類、ニンニクの醤油ダシ漬け(いわゆるタマリ漬けよりも薄口で、かつ乳酸醗酵して絶品!)と、少しづつのイメージでしたが結構な量が揃いました。オモニもジェンブゥ…と苦笑しながら運んで来てくれます。見た目は似ていてもそれぞれ味わいが異なり、キムチの奥深さの片鱗を覗いた気がしました。二人でいつもは話さないようなことまで話をしたりして、いつしか辺りは真っ暗。少しづつのつまみでもいささかお腹が一杯になり、ココで沈没しても良いのですが、まだもっと回ろうという二人は、お会計を頼みます。マッコリの値段は聞いていたもののつまみは特別に頼んだので結構ドキドキだったのです。ところがこれだけつまんで、マッコリを合わせても\2,100。またまた嬉しくなってしまいます。
 意外な穴場を見つけた満足感を胸に、ワタクシたちは再訪を誓い店を後にしました(続く)。