東京脱出、川崎遠征 後編

マーボー麺

 二軒目の韓国料理を堪能した後、再びぶらりと歩き始めた我々は、さりとて居酒屋に入っても満腹なのでと思うと気が乗りません。すると、Mさんの目の前に気になる看板が出現しました。『Bar HASHISHI』と書かれています。背景にはそのものの図柄が描かれています。これは面白い、とMさんが乗り気で階段を上がり始めます。二階かと思ったら三階で、暗い店内にはまばらな客ながらこの後貸し切りなのですがと断りが入りますけれども、我々も長居する気は全く無いので問題なし。名前ほど怪しい雰囲気も匂いも漂うわけではありません。BGMはR&B系で、なかなか好みに合っています。
Chapter IIこれがかかっていました。SPはBoseの小さいキューブを重ねたものと長方形のSRっぽいものを幾つか組み合わせていて、サブウーファーがある割には余りブンブン言わせていなくて、聴きやすい音です。中域はさすがに厚めの音ですが、高域はさらりとしていてツキーンと伸びているオーディオ的な音とは対照的な音作りです。

 ウィスキーやカクテルが主体のショットバーで、Mさんはスコッチ、ワタクシは昔良く飲んでいたジムビームのブラックラベル。オールドファッションドグラスに丸氷が嬉しいですね。とりとめもない話をしたり、お店の若いスタッフ達とお話をします。聞くと30代の店長を筆頭に22才が二人、もう一人は更に若いそうで、四階にはパーティールームもあるようです。お通しが付かない代わりに、チャージも取られず二人で二杯づつ飲んで\2,500。またここも来たいなぁと思わせる、良店でした。
 そこで仕入れた情報を元に、ワタクシの記憶のお店をどうしても探りたくなり、Mさんにもお付き合い願いました。それは駅前を出ると通りの向こう側に見える、商店街の入り口の角に見えた大衆的な中華料理屋でタンメンと餃子が売りのお店だったと記憶していました。バーの店員さんに尋ねると、多分あそこだろうと教えてくれましたが、おススメは直ぐ近くの違うお店で、通り掛かると水槽に鯉が3匹泳いでいてなかなか良さそう。Mさんも行きたそうですが、ワタクシはどうしても記憶のお店が気になります。
暫くテクテク歩くととうとう発見しました。地理的条件が、『通りの向こう側に見える、商店街の入り口の角』というのはちょっと違いますが、これは記憶の方が間違っているのでしょう、アザリアの出口を出て、駅前通りの角にありました。お店の外観が改装されているようですが、一目でこれだ!とピンと来ました。
 カウンターに空いた所で二人並んで腰掛け、ビール大瓶(キリンラガー)を二人で分けます。見つけた嬉しさで自然と笑みがこぼれます。何は無くても餃子\273を注文すると、オーダー間違えたのか焼き過ぎたのか一つ余ってしまった一皿がコチラに回ってきてラッキー。小振りながらキレイに香ばしく焼けた餃子は7個乗っています。カリッと焼けた皮はモチッともしていてビールのお供にピッタリ。
  他の人の料理を見ていると、お腹が一杯でなければ、食べたいようなのがたくさんあります。リーズナブルな値段の割には量も多くて良心的なお店です。少食なMさんもついにどうしても食べたくなってマーボー麺を注文。これには驚かされました。それでも食べ切れないので二人で交代に食べます。豆腐もたっぷりでこれで\504とは実にお得です。
 本当に一杯になったお腹をさすりながら、お会計は\1,400程。ほぼパーフェクトに当たりのお店を練り歩いた川崎の夜に満足しJR川崎の駅に向ったのです。

《エピローグ》
 錦糸町に到着すると、いつものメンツで『馬力』北口店に集合、ホッピーを飲んでから、謎の居酒屋『I』というのが最近のパターン。ただし『I』は普通の感覚の方には全くおススメできないので、アシカラズ。瓶ビールを注文すると出てくる例のグラス(180ml入り)で焼酎を計量しグラスに半分以上入れてほんの少しウーロン茶で割るというウーロンハイ\300を二杯、人によっては3杯飲めば間違いなくGoヘブン!
 それで帰るかと思ったら、どうしてもハンバーグが食べたいと、言い出したMさんHさんに付き合って深夜営業のメキシコ料理店で瓶ビールとハンバーグレギュラー200g、アミーゴ400gを食べて1:00頃に帰ったのでした。