旅の始まりは長野の夜から

ポムのウィスキーをカウンターで


 知人のお宅に伺い、バイクを預けると取って返してバスで再び街へ繰り出します。この前も来ているので、勝手知ったるナントやら。前回の失敗を踏まえて、今回はほど良く空腹感を感じながら、前回も訪れた『鳥とし』さんへ。
今回も奥の座敷を中心にお客さんが一杯で賑わっております、やはり人気店なのでしょう。カウンター中央付近に陣取り、まずはビンビール。お通しは忘れましたが、今回の目的は何といっても前回食べそびれてしまった、煮込みでしょう。この地方独特の呼び名なのか『おたぐり』といい馬の煮込みです。前回はサクラ肉を頂いたり、ワタクシは競馬をやるわけではないので馬肉には全く抵抗なし。否、むしろ好きな方かもしれませんね。それでも、ビールと共に先に注文したのは串焼きで『せせり』と呼ばれる鶏の首の辺りの肉で、鶏は首を良く動かしているので筋肉が引き締まり、脂肪分も少なくシコシコとした歯ざわりが魅力です。さていよいよ本命の『おたぐり』\550。先にも述べたように信州では馬が良く食べられていて、コチラのお店では馬の料理も豊富。会津、熊本と並んで馬の消費が多いようです。また信州といえば味噌も有名、この長野市にはマルコメがあったりします。ということで味噌仕立てですが濃過ぎず丁度良い塩梅のアッサリしたお味。モツ自体もクセはなく好ましい印象でした。これは旅の始まりから幸先が良いです。また置いてある七味も当然のことながら『八幡屋礒五郎』さんのところのもので、ピリリと辛くて美味い美味い。信州は煮込みのために発展してきた街といっては言い過ぎでしょうが(笑)、好みのものばかりです。蕎麦といい、温泉といいワタクシの好みのものばかり揃っております。唯一海の魚だけが不満ですが、これとて近年の流通網の発達で新潟まで二時間も掛からず出られるのですからね。

 さてそろそろお暇して次のお店へ参りましょう。次なるお店は昔から気になっていた『アルプス』さん。看板には山菜料理を謳っているのですが、暖簾には餃子の文字の染め抜き。店内のメニューは中華中心の食べ物屋さんのようです。またビンビールを注文し、名物の餃子を頼むと隣りの人が頼んでいた冷やし中華が美味しそう。それが作り終わるとコチラの餃子を作り始めます。皮(出来合い)をおもむろに出して、具を包み込んでフライパンへ。肩の力の抜け具合が、味に期待を持たせます。パリッと焼けた皮が香ばしく、ビールにピッタリ。タレはあらかじめお店の方で用意されたものが小皿に入れられて供されます。ラー油たっぷりというのが好きなワタクシには残念ですが、ここでも『八幡屋礒五郎』さんのところの七味が置かれているのが長野らしいです。

 空腹も満たされたところで、そろそろ前回訪れた謎のラウンジへ。『Salon de Pomme』さんです。前回からそう日にちが経っていないせいもあって憶えていてくれました。今回もカウンターでゆったりと過ごすことができました。今回のピアノを弾いてくれた女の子は信州大の四年生(飯田出身)。前回の女の子は3年生(名古屋出身)で後輩に当たるそうです。今回の子は崩し方が上手く、安心して聴いていられるラウンジ向きの音でした。オードブルはスモークの鴨(?)、クリームチーズに全粒粉のクラッカー。組み合わせるも良し、それぞれ頂くも良し。
今回拙ブログに載せることを前提として店内風景を撮影することの許可を貰いましたが、何だか上手く撮れませんでした。ダメダメジャ〜ン。今回も居心地の良さは変わらず、こんなお店が地元錦糸町にも欲しいなぁと思いつつも、手打ちラーメンで〆ている自分に気が付く夜なのでした。