金沢の夜〜二晩目〜

おでんの高砂

 シャワーを浴びて軽く一眠りした後、昨日巡った中でピックアップしたお店を訪れることにします。しかしながら、香林坊というのが繁華街ということを聞いていたので、片町を越えて香林坊をうろついてみます。表通りは大手の企業の営業所や地元百貨店が軒を連ねています。けれども飲食店・飲み屋さんは見当たらないので、結局ここら辺は商業街の繁華街だという結論に至りまして、109まで戻って昨日入らなかったお店に入ることにします。昨日は混んでいて入れなかったお店。細長い店内は口開けで忙しそうに仕込みで立ち回っています。店主に瓶ビールを注文し、待つことしばし。瓶とグラスを出すだけなのですがたっぷり十分かかりました。なぜなら仕込みを優先してナスの茹でものを水にさらして、お通しを用意して、それを先に出してそれからビールという順。ビールを出しておけば良さそうなものですが、考え方が違うのでしょうね。お通しは煮た海老と合わせた酢の物。それを出してもパタパタ動いているので、暫らくビールでしのぐことにするとようやく落ち着いてきたのか、何かお作りしましょうか?と声が掛かりました。
 刺し盛一人前を注文。しばし待っていると面白いものをカウンターの向こうの食器棚に発見。こういうのは客側から見えるところに貼っておくべきではないものだと思いますがね〜^^;)ということでお店の名誉のために店名は伏せておきましょう。つまり刺し盛の値段とその内容(ネタ)と原価なのです。おおらかと言うか何と言いますか。 それでも内容的にはなかなかの種類のネタで値段を知っていても良くコレだけ集められるなぁと感心しました。こう良い刺身ですと日本酒が欲しくなりますので追加してポツリポツリとご主人と話します。金沢は商売するのには難しい土地で、鮮度の悪いものはお客が箸をつけないとか。旬のものしか食べないと言ってました。それだけ良い魚が手に入る土地なんでしょうね。
 お次はやはり昨日明かりの灯っていなかった『やきとり横丁』。十軒ほどの小さいお店が寄せ集まっています。どこも変わらないのでしょうが、何となくのれんに惹かれて『雄山』というお店に入りました。焼き鳥屋とは言うものの、焼き台には火が入っておらず鍋の置き台になっています。瓶ビールはサッポロ、アサヒ、キリンが揃っていて思わずニッコリ。それほど何か欲しいわけではないけれども、ビールを飲みながら女将さんと和んでいると、やきとり横丁でも、お客さんとお店側も共に長い歴史を経てきてあまり肉を欲さなくなってきて、と苦笑交じりに説明してくれます。またヤキトリでも取りはほとんど食べないそうで(これはさっきのお店でも言っていた)、牛バラ、豚バラを串に刺したものが主流だったそうです。ということで、小いわしのを唐揚げにしてもらい、ビールを一杯ご馳走になってしまいました。
 そんな訳で、すっかりビールっ腹になって、昨日は入ることが叶わなかったおでん『高砂』さんには今日も入ることが出来ず昨日の楽笑さんのコメントで、やはり良いお店だということが判り少しガッカリな今日なのでした。