富山・氷見〜石川横断〜福井にて…

東尋坊

 雨が降ることもなく夜が明け、快晴の朝を迎えました。昨日からキャンプ地にたくさん居るカラスが鍋を突かないかと少々気掛かりでしたが、特に荒らされることもなかったのは、すぐ近くにゴミ捨て場があってそちらの方にカムフラージュされていたからでしょう。
 朝食用にお湯を沸かしながらテントの中のシュラフやエアマットを片付け、少しづつ撤収。八時前には移動開始です。いつも朝出発前に走行メーターの写真を撮影してデータを記録しているのですけれども、砂地でキャンプをしていて、何度かサイドポケットからデジカメを地面に落としてしまっていたので、どうも調子が悪くなってしまっています。第一に電源が入らないのです。良く見てみると、電源を入れるとレンズカバーが自動的に開くようになっているのですが、これが開きっぱなし。何度か軽く横から手のひらで衝撃を与えてみると砂がポロポロとこぼれて来ます。何枚か撮りながら試すとその砂が詰まっていたお陰で異常をきたしていたようで、暫らくすると直りました。旅の途中だとこういうのは焦りますね。
 国道160号線経由で国道8号線に入り石川県再突入。金沢市街を入らず、バイパスのようにして通過、白山市、能見市、小松市加賀市とほぼ片側一車線になりつつも快速に飛ばして(今回はあまり法定速度からはみ出ないようにしました)、福井に突入。あわら市という芦原(あわら)温泉で有名な町の手前で右折。芦原温泉も長野でお世話になった知り合いの話で気にはなるのですが、今回はパス。かの景勝地東尋坊』を目指します。今回の旅の目的地の中でもメインなのです。思ったよりも国道8号線から分岐してから時間が掛かりました。それでも何とか11:00前には到着、駐車場にバイクを停めて岩場を目指します。

 なるほど、これはなかなかの眺めです。鳥取砂丘へ行ったときは足元の悪さからあまり歩き回る気になりませんでしたが、岩場で石がゴロゴロしているわけではなく、階段のようになっているので意外に歩き易く先の方まで行って見ました。高い所は平気な性質なのですが、さすがに先の方まで行くと少し首筋がゾクッとしました。知らなかったのですが自殺の名所でもありお盆ということもあり誰かが呼んでいたのかもしれませんネ。
 一通り見て周り、展望台まで続く土産物屋通りを見て回りますが、この日は暑さのあまり途中で頭がクラッとしてきたので、バイクに乗り昼ご飯を食べに行くことにしました。(バイクに乗って走っている方が風に当たり相対的に涼しく感じられるのです。)
福井市内を目指していく途中、手頃な所に見つけた『十・十一(いちまるいちいち)』という蕎麦屋さん。手打ち蕎麦に大根おろしを乗せたおろし蕎麦二枚\950。薄めのツユですがダシは良く利いていてなかなか美味しいものです。関東の醤油がたったような味とは違い、ダシの美味さで食べさせる関西の影響が強く感じられる越前そばです。セルフですがコーヒーのサービスもありこれで\950はお値打ちですね。とんかつも名物のようです。
■十・十一(いちまるいちいち)
福井県坂井市坂井町木部新保32-10-2
■0776-72-3355
 クーラーと美味しい蕎麦で冷えた身体でリフレッシュして福井市内を目指し、これからどうしようかなぁと、考えていました。福井市内を越えると、郡上八幡辺りが今夜の宿営地としては手頃です。未知の土地ですからどのくらい掛かるかは判りませんが、地図を見る限りでは夕方までには到着できそうです。
 と、とある交差点で赤信号。軽トラックがウィンカーを出さずに先頭にいますので、その横に並んで、青信号になったら抜いてしまおうという腹積もりで横に並んだら丁度信号が青になりました。直進していると、その軽トラックがいきなり左前方にあるローソンに入ろうとして確認もせずに左折してぶつかってきました。発進時ですから向こうはそれほどでもないのですが、コチラは停車していないからカウンターのようになってしまいました。暑い中我慢してジャケットを着ていたのと、ぶつかっても倒れなかったのが幸いして結構な衝撃でしたが骨折等はしませんでした。 一旦止まって、ローソンの駐車場に入り、現状確認するとなんと、右側のサイドステップ(走行中、足を乗せているところ)がポッキリ折れてしまっていました。もしコレがなかったら完全に足が挟まれ骨折していたのかもしれません。軽トラの運転手は、やはり全く確認していなかったそうでその後は色々と話をつけましたが、結局こちら側の問題は旅の途中なのにこのお盆休みという期間で、折れてしまった部品の手配が付かないということなのです。何軒も電話を掛けてみましたがどこも、ヤマハのショップであるYSPでさえも部品が休み明けでなければ手に入らないのです。とあるお店で、レッドバロンなら何とかなるのでは?とアドバイスを貰いましたが、ネットの2ちゃんでは『他店で買ったバイクは鼻にもかけない、オイル交換すらしてくれない』との記事を読んだことがあるので、すっかり諦めモード。しかし実際掛けてみると、対応は親切で何とかなるかどうか見てみましょうと、心強いことを言ってくれたのです(他はまるっきり部品がないことを理由に見ることも提案してくれませんでした)。すると、携帯で話しながら、バックステップを外して取り付けられそうなことに気が付いてそのことも言うと交換は可能かもしれないから、とりあえず来てくれとのこと。
 早速藁にもすがるつもりで10kmほど離れたレッドバロンに向いました。やはり大きさとしては大した部品ではないものの足を乗せる部分がないというのは長距離では辛そうです。到着してみてもらうとバックステップが外して使えそうだということでホッと一安心。20分ほどで交換修理完了。値段も予想より遥かにリーズナブル。2ちゃんで悪口を書かれていたのに、やはりそのお店により対応が違うのだなと痛感しました。(YSPも自宅近くのお店は最悪、四国の高知では大変親切にしてもらいました。)
 ということで、予想外の事故で時間を取られ、右膝、右腕の打撲でその日はもう走る気もキャンプをする気もなくなり急遽福井市内に泊まることにして福井駅を目指しました。