雨そぼ降る荻窪ワンダーナイト前編

カッパ・荻窪

 非常に強い勢力を誇る台風15号の影響で、雨が降るにもかかわらず、前日の禁酒明けで飲む気満々。火曜日の夕刻、どこへ行こうかと、しばし思案。久々に赤羽方面に行きたい気もするし、今まで飲んだことがない街に行きたい気もするしで、ふと思いついたのが荻窪
 以前北海道から姉が遊びに来た折、何の用事だったか荻窪に行こうということで二日酔いのまま繰り出したことがありました。その時は午前中だったにもかかわらず、駅のすぐ近くに大変混み合い煙モウモウのお店がありました。そのことを思い出して即断即決、都営新宿線新宿三丁目で丸の内線に乗り換え終点の荻窪へ到着。以前の記憶も全く吹っ飛んでいて、新鮮な気分で荻窪の街へ降り立ちました。実際には地下から上がっていったので上って行ったのですが、ここら辺は言葉のアヤというもんで…。

 北口のロータリー側に出ると、すぐ右側にその人気店はあるのです。『鳥もと』というそのお店は大きい緑色のテントで縁日の屋台を思い起こさせるお店です。早速行って見るのもいいのですが、出掛けにネット情報で調べると興味深いお店があったのです。
 それが後述しますけれども『もつ焼き カッパ』さんです。おおよその場所を覚えているだけで、地図をプリントアウトしてきた訳ではないので、北口の商店街を適当にブラつきながらお店を探しました。なので線路と青梅街道の間を丹念に探すのですが、これがまた実に面白い、商店街なのです。もうどこに入ってもワタクシ好みのようなお店で暇と体力とお金が続けばもういくらでも楽しめそうなお店ばかりなのです。
 さて本題の、『もつ焼き カッパ』さんを見つけ早速入ってみました。決して広いとはいえないお店目一杯にカウンターがぐるりとコの字。正面に焼き台がありちょっと強面の大将が立っています。飲み物は他のお客さんの様子を見て鬢ビール大瓶¥570を注文、喉に沁みますね。 レバ刺しを頼んだら、焼き物用とは別に、奥の冷蔵庫の方から出され、塩かタレか聞かれます。タレというと串をムンズと掴み焼き物用のタレにくぐらせ供されます。塩は?というとタレにくぐらせた後、パラパラと塩を振り掛けます。ブリプリしていて、タレはしょっぱ過ぎず丁度いい塩梅。串に刺したままのレバ刺しは浅草橋の『西口やきとん』と同じスタイル。立石の『宇ち多゛』さんではまだレバ生を頼んだことがないけど、こんなスタイルですね。写真撮ってもいいですか?とご主人に尋ねると、一瞬詰まったもののOKしてくれました。あまりそういうことを言うお客が居ないのでしょうね。

 モツ焼きは全て一串¥100。軟骨とカシラを頼むと二本ずつ焼いて出されました。本当は一本ずつが嬉しいのですがネェ(´Д`。)
 それでもゆっくりビールを飲みながら焼き物を噛み締めると旨味が広がります。こちらのお店は焼酎でも割り物は無いようで、生のままの焼酎はきついのでココは軽く一本で収めることにしました。砂肝のような深紅色の串が見えたので、『砂肝ありますか?』とカマをかけると『うちは鳥はやっていないので…』と御主人。それは失礼しました。ということでそれはチレ(脾臓)だったようで、焼いてもらうと今までとは焼き方を変えレア気味で外側は焼けているのですが、噛むと中からジュワっと肉汁が溢れ出て来ます。これは絶品でした。お会計を頼むとレバ刺しと焼き物合わせて八本、¥800とビール(キリンラガー大瓶)で¥1,370と非常にリーズナブル。
 帰って来て調べると、こちらのお店はレバ刺しで有名なお店だったようでした、何たる偶然。《続く》