ふと思い立って、西武新宿線〜前編〜

ホルモン@沼袋

 皆さんは良くあるかどうか判りませんが、朝から今日、どこへ行こうか?と考えることがあります。本当は会社のために仕事をバリバリこなして働くというのが理想的なサラリーマンでしょうけど、ワタクシの優先順位はあくまでもアフター5。趣味と生活ののために働いているのです。
 通勤のバスの中、ぽぱいさんにメールを飛ばします。以前の記事に『はてなスター』を残してくれたHoppymanさんのブログの記事の中で下落合の『あんぽんたん』というお店が何とも良さそうな立ち飲み屋さんで、ここに行って見たいと思ったのです。そうなると沿線にお住まいなのはぽぱいさんということで白羽の矢が立った、ということなのです。
 終業後、船堀から都営新宿線、九段下で東西線に乗り換え。するとぽぱいさんからメールが入り『早上がりしたけど、どこにいるのか?』ということで、いつもなら19:00過ぎに仕事が終わるはずなので、高田馬場の隣りの下落合で一杯引っ掛けてからという計画は脆くも崩れ去りましたが、折角そこまでして下さったお心遣いに、即行で向かうことにします。ぽぱいさんからの提案で沼袋に集合することにしました。

 高田馬場からもう各駅停車で四つ目、沼袋に到着です。はっきりいってこの沿線にはあまり詳しくはないので馴染みのない駅ですが、降りてみるとなかなか面白そうなお店もあります。中央線・西武新宿線界隈で幅を利かせている居酒屋『四文屋』も目の前にあり、そこを眺めているとぽぱいさん到着。
 ぽぱいさん曰く『ジンちゃんの好きそうなお店があるんだよ〜♪』と早速そこへ行くことにします。
 いやぁ、なんとも良い佇まいのお店です。その名もずばり『ホルモン』さんです。外で写真を撮りながらも中がお客さんで一杯で気が気じゃありません。早速戸をガラリ、一軒入れそうになりませんでしたが詰めてもらってカウンターを二席確保。コチラのお店飲み物はサッポロのものが多く、瓶ビールは黒ラベルと通称『赤星』のラガーの二種類が揃えられています。無論『赤星』を選択、お店にマッチしております。
 誠実そうなご主人になかなか焼き物が頼めず(忙しそうにしているので、ためらわれた)、お新香¥110と煮込み¥310を頼みます。お新香も良く見るとキュウリの外皮をキチンと処理してありこのお値段のお新香とは思えない仕上がり。常連さんが二人前を注文するのもわかりますね。煮込みは若干色の濃い味噌仕立て。でも見た目ほど味が濃くはないのは赤味噌の比率が高いのでしょう。安心の伝統的スタイルで、シロ・テッポウ・コブクロ・ガツと焼き物の半端物もはいっているような感じです。それにしても限られたメニュー数ですが飲兵衛の心をくすぐるメニューばかり。
 さぁ少しずつ焼けてきました。チョイ焼き¥120といわれるこのお店のオリジナルスタイル。レバ刺しはないということですが、串に刺したレバーを炭火でほんの少し炙って温めた感じ。ほんの少し角が焦げているぐらいで、殆んどレバーの生なのですが、暖めてあることで甘味が増していました。隣りはコブクロのチョイ焼き。これはボイルしてあるのを軽く炙っています。ネギの薬味に醤油を掛けてあります。
 カシラと厚揚げ・ピーマン。焼いただけの厚揚げ串が多い中、キチンとショウガを乗せているのは嬉しいですね。肉も焼き上がりが痩せていないので、冷凍物ではなさそう。注文が入るたびに奥の冷蔵庫から出してきます。
 ビールばかりでは腹が膨れてしまうので、このお店の焼酎(サッポロ謹製)を頂きます。お店に入ったときに直ぐ目に付いたサントリーの角瓶に入ったエキス。前のお客さんが入れているボトルかなと思っていたら、他の人の前にも置いてあり焼酎を頼むとこれを自分で入れて飲むのがコチラのスタイルのようです。また酒の燗付け器も何とも時代がかっていて、今流行りのエセ昭和レトロチックなお店の出せない、本物の雰囲気を醸し出しています。恐らく真ん中上部の口から水(お湯)を入れてあり、注文を受けて右側の入口からお酒を入れるとお湯の中をくぐり抜けたお酒が温められて下から出てくるというもの。下のほうにはガスがしつらえられていて常に温められています。
 二人とも初めてのお店ですがすっかり居心地良く過ごせて、じゃぁ次のお店へということで再び夜の街へ繰り出したのでした(続)。