三ノ輪から再び南千住へ

三ノ輪橋商店街

 さて日光街道に出ましても、そこは何もありません。北に上ればそれこそ北千住、南に下れば三ノ輪方面です。北千住はもう何度も訪れている街ですから三ノ輪に決定、近いですしね。三ノ輪の交差点の手前に、先程一度途中まで来た『南千住仲通商店街』の反対の入り口に良さそうな居酒屋さんが営業準備をしています。厨房から覗くと串に刺さったレバーが艶々していてとても惹かれます。まだ時間が16:30でまだ早過ぎます。 開店時間を確認して、日光街道の向こうに都電三ノ輪の駅に通じる道を発見、行って見ることにします。昭和レトロな小道を抜けると都電が鎮座まします電停。そこまでの小道も実に味わいがあります。写真撮影が済むと右に折れ、『ジョイフル三ノ輪』というアーケード街に繋がります。

 ガラガラチリンチリンと歳末の福引の音がスピーカーから流れ出ていますが、こんな音だけ流して購買意欲を掻き立てられるものか?といささか疑問に思いながら、先に進むと本当に福引の会場で福引を行っていました。先程の音はライブで音だけ流していたようです(驚)。歳末ということもあるのでしょうが、結構な賑わいです。美味しそうな惣菜が湯気を立てていたり、餃子専門のお店もあり、御主人、店員さんが一心不乱に包んでいます。一通り見ながら歩いていると隣の荒川一中前という駅まで辿り着いたので、折り返し。時計を見ると丁度良い時間です。
 先程目をつけていたお店に入ると既に先客が居ます。演歌のTVが点いていて、誠に良い風情です。チューハイを頂きながら先程見掛けたレバーをタレで焼いてもらいました。真っ黒でしたが意外に不味くはありませんでした。二杯ほど飲んで暖かい店内は暑がりのワタクシには苦痛になってきたので、お勘定。
 外に出ると寒風が気持ち良いのです。又ブラリブラリと歩いて、三ノ輪交差点を左に折れて明治通りを亀戸方面に向かいます。交差点近くには幾らかお店はあるのですが、明治通りが屈曲するあたりはもうお店が途切れてきます。そんな物寂しい所に二軒お店が肩を寄せ合うように明かりを点けています。
すぐさま通りを渡りますと、一軒は『天風』さんです。この間濱鯨さんと新越谷で飲んだときに二軒目のお店で飲んだ大吟醸がこのお酒でなかなか好印象だったことを思い出し、扉をガラリ。
 渋いこんなお店ならお酒がピッタリですね。お通しが枝豆でしたので、確認した後(お通しと注文するものが似通っているのは好まないので)、煮込みを注文。この間楽笑さん煮込みを食べて以来、煮込みとお酒の組み合わせが気に入っています。煮込みはオーソドックスな味噌仕立て。濃くもなく薄くもない味で、素直に美味しいと思えました。渋めのつまみの並ぶこのお店、アクセスはあまり良いとはいえませんが、居心地が大変良く気に入りました。お酒(大)と煮込み、お通しで¥850のお会計。大変良心的と言えるでしょう。
 再び歩き始めると殆んどお店がないか、営業していないので暗い道をトボトボ歩いていると泪橋交差点に着いてしまいました。大回りして再び南千住に戻ってきたのです。 実は昼間、ラーメンで満腹になっていたので一度来てはいたのに、入ることが出来なかった『丸千葉』さんに入ります。昼は2時から営業のお店です(驚)。白木のカウンターがグルリとU字に厨房から伸び、テーブル席も幾つかあり大盛況です。満席で諦めようかとしましたが、丁度タイミングよく買えるお客さんと入れ替わりで座ることが出来ました。もう思わず相好を崩してしまう、実に良い店の雰囲気がひしひしと感じられます。北千住の大はしにも近い感じです。
 山谷としては高い方に入るでしょうか、それでも他のお客さんに運ばれて行く料理を見ているとかなりの充実振りです。鍋もあり、隣の男性はお酒を飲んで鍋を食べてと、大忙しです。
 まずはホッピーを注文。これがセットです。中(焼酎)がこのようなスタイルで来たのは初めてです。ちゃんとこぼしてあるので、グラスが120mlだとしても優に150mlはあるでしょう。蒲田の鳥万の180mlには適いませんが、結構飲み手がありました。
 まずはレバ刺し、牛ですが¥500でかなりの量がありました。コチラのお店では魚の刺身同様のツマが付き大根が敷かれているのは珍しいのではないでしょうか?チューハイ→日本酒→ホッピーと変化しましたがやはりホッピーは美味しいですね。グイグイ進んでしまいます。
 レバ刺しはニンニク醤油で頂いたのですが、大根のツマは合わないような気がしたので、中おち¥450を頼みわさび醤油で片付けました。中おちもタップリしていて、品質もなかなかでした。この日はボクシングのタイトルマッチ(内藤VS山口)を放映していて開始前の前フリが延々と流れていました。そろそろ良い心持になって来たので、トイレに行ってお会計を頼みながら優しい気さくな御主人に伺うとホッピーはセットで¥300だそうで、なんともはや驚いてしまいました。
 お店を出て、再び言問橋に向かって夜風に吹かれながら歩き、言問橋を渡った所で足の付け根がギブアップ、もう少しで自宅まで帰り着くところでしたが、タクシーに乗って無事帰り着きました。
 赤線と緑線で歩いたところを示してみました。およそ10.5kmといったところでしょうか。