にごり酒には御用心

煮込み@じぃえんとるまん

 昨日は、仕事で神奈川県は横浜の新杉田から横須賀の追浜という地を訪れ取引先を訪問していました。上司はその後自宅近くの取引先に寄るからと、オマエはココでと時間的には早いながらも追浜の駅で車を降ろされ、一人で運転して走り去ってしまいました。
 京急沿線で以前から訪れたい街がありました。それが今回の目的地、上大岡です。ワタクシ学校が横浜と品川に校舎がありましたので両方に通いやすい上大岡に住んでいる友人がおりました(事実ワタクシも一度部屋探しで歩き回ったことがある)。その当時以来ですから街の様子も一変しているでしょうし、記憶も殆んど無いのと等しいので新鮮な気持ちで駅前に降り立ったのです。
 その当時は駅ビルも立派ではなかったですし、通り(鎌倉街道)を挟んだ向こう側にもショッピングセンター(camio)があり随分と便利そうな街並みです。今回の目的地はこのカミオにあるということを事前に調べておきました。我らが『にこけん(日本煮込み研究会)』のメンバーの中でも行動派ナンバー1の呼び声高い元坊さんのおススメする『じぃえんとるまん』さんです。ググって見当を付けていたところよりやや北側にあり見付からないかと一瞬不安になりましたが、赤い提灯が頼もしく点いていました(嬉)。時刻はまだ16:00を過ぎたばかり、営業しているのか判りませんでしたが、外観でも撮影しようかと思っていたら、後から来たおっちゃんがサッサと中に入ってしまい、遅れてはなるまいと続いて入ると中はとんでもない混雑。八割ほどの入りでしょうか?もう嬉しくなってしまうほどの雰囲気です。ホッピー(大¥500)を頼んでお金を払って壁際のカウンターへ移動です。
 受け取り口がハッキリしていないので、カウンターにへばり付いている人の隙間からオネェサンにマグロ¥200を注文します。メニューはあまり良く判らなかったけれど、これだけは元坊さんの記事で覚えていたのです。届いたマグロは小鉢に入っていて醤油の付け皿も渡されます。厚めに切られたマグロはキハダでしょうか?少々筋張っていますが大振りで食べ応えがあります。
 改めてメニューを見ると(目の前にあるしTVでは訳の判らない米倉涼子のドラマが放映中)、大き目の黒板に端から端まで目一杯書き込まれていてそれも¥100のお新香から¥300のパスタまで豊富に揃っていますし、特に魚介系の充実振りは特筆もの。刺しものは他にもこの日はメダイや〆鯖も気になりました。
 結局、他のお客さんが頼んでいて釣られてしまった、馬刺し¥300。決してタップリという訳ではないけど、このお値段でなら満足の量。一人で飲んでいてこれ位はむしろ丁度良いくらいでしょう。ニンニクをつけてもらって。脂は少ない赤身の部分ですがこれで二杯目のホッピー追加決定!コチラのホッピーは何種類かあるようですがオネェサンはワタクシの身体つきを見てか、大で良いよねみたいに自動的にサイズが決まりましたがもう少し小さいサイズもあるようです。氷入りの大ジョッキに注がれるのは生ホッピーのよう。瓶タイプもあるのでしょうか?見掛けませんでしたが。
 殆んどが一人客のようですがスーツを着たサラリーマンも同僚と楽しそうに飲んでいます(仕事は?)。それでも常連客同士いつもの感じで飲んでいてこんなお店が家の近くにあるのは本当に羨ましいです。
 『煮込みスト(Nikomist:煮込みのスペシャリスト)』を目指しているワタクシですので、当然煮込み¥200は欠かせません。お椀に盛り付けられた煮込みはこのお値段では申し訳ないぐらいの量。刻みネギもタップリで申し分なし。濃過ぎない味噌での味付けは好印象。もちろんモツ(シロ)も柔らかく煮込まれていて、大根も大振りで旨みを吸っています。またこれを使った『もつ煮ぶっかけそば』¥300なるメニューもありました。
 キュウリのお新香¥100も頂いて3杯目のホッピーはいささか酔ってきて4割ほど残しましたが、すっかり満足してこうした立ち飲みの名店に出会えたことに感謝しお店を後にしました。ココで帰れば良かったんですが・・・

 お店を出ると通りを挟んだ筋向いに一軒の酒屋さんがあります(記事を書くに当たって調べましたら成田屋酒店さんだそうです)。開け放たれたお店はこんな寒い時期には、と思いましたが、何か気になります。酔眼で見ていると向かって左側に立ち飲みをしている諸先輩方が散見されます。これは行くしかありません。左側に回りこんで引き戸を開けると昭和中期の雰囲気をそのまま引き継いだ立ち飲みコーナーが出現。半ば呆然としながらオネェサンににごり酒を注文。
 口切り一杯まで注がれ、受け皿はないものの¥220でこれは充分です。どれも扱っているお酒を廉価で飲ませてくれる正統派の酒屋の立ち飲みです。つまみはというともちろん乾き物です。男は黙って、とクールポコのネタのように、わさび豆(二袋・¥35)をつまみながら、その雰囲気に酔いしれました。暖かくなったらまた是非とも訪れたいお店です。皆さん1杯か2杯引っ掛けて帰る姿は格好良すぎます。
 ってなことで、他にお店ありますか?と元坊さんに確認しましたが上大岡では他に心当たりがないということでしたので、京急に乗って帰ることにしました。そのまま行けば、都営浅草線本所吾妻橋』で降りるも良し、押上以降は京成線にも繋がっていてまことに便利。半ば夢見心地で品川駅に到着(その電車は品川止まりだったのです)。階段を上がり乗り換えの電車のホームへ階段を折り始めたとき、悲劇は起こったのです。三段ほど普通に降りたところで足を滑らせ階段を十段ほど滑落して足をひねってしまい、必死に自分の身体を守ろうとしましたが、あちこちぶつけてしまい立ち上がれなくなってしまいました。起き上がることも出来ずに痛みをこらえてうずくまっていると、乗り換えの一群が過ぎようとした時に何人か声を掛けて下さり、本当に心の励みになりました。一人が駅員に通報してくれて、やって来た駅員さんに肩を借りて立ち上がり、救護室に担ぎ込まれしばし休憩。湿布を貼ってくれたお陰で少し歩けるようになり、一時間後軽い眠りから覚めて、救護室の方にお礼を言って何とか自力で自宅へと帰って来たのです。
 しかし夜の間に腫れ上がった足首はマトモに歩けるはずもなく、今日は会社を休んでしまいました。にごり酒にはくれぐれも御用心なのです(戒)。