浅草・千束から日本堤へ

ひさご通り

 〜翼の折れた鳥は飛べませんが、足を痛めたおバカさんは飲みに行くことぐらいは出来るのです〜
 少し前に浅草のお店の情報でチョッと気になるお店がありました。下調べをしていざ行こうと思ってバスに乗っていたら雨が降り出したので、一昨日は諦め、昨日は何とか降らなさそうでしたので、会社帰り錦糸町でバスを乗り継いで出掛けました。錦糸町大塚駅行きです。隅田川を渡り、東武浅草駅を越えて少し行くと浅草三丁目というバス停で降ります。左側は『ひさご通り』の大きな門がありライトアップされていてその向こうにはビューホテルがその威容を誇ります。そこを基点として右側に伸びるのが千束通り

 そこを暫らく散策します。考えて見るとここら辺に来るのは初めてのことです。国際通りと、吉野通り(東京都道464号言問橋南千住線)の間は比較的手薄な地域なのです。意外に活気のある商店街で面白そうなお店が多く楽しめます。
 目印となる『マツモトキヨシ』の角を曲がると今回の目的のお店『喜美松』さんがあります。もつ焼きともつ刺しで有名なお店のようです。
 
 
 と、見覚えのある店構え、下町酒場巡礼『下町酒場巡礼』という本の中でも異彩を放っていたお店です。入り口が大樽の輪切りに囲まれていて、この写真はインパクトがありました。
 中に入るとテーブル席がドーンと真ん中にあり、左側に小上がり、右側がカウンター席と調理場という配置。テーブル席には手前から埋まっていまして、カウンターはほぼ満席。無理かと思ったけど少し詰めてもらえば座れるという感じで少々皆様にご協力して頂いて無事着席。他のテーブルもほぼ予約で埋まってしまっているようです。
 スタッフは四人とそこそこ居るのですがアルバイトさんがてんてこ舞いでなかなか注文も取りに来られません。ご主人や焼き方の店員さんは調理に忙しそうで声を掛けにくいのでしばし待ちます。瓶ビールが出て来てようやく喉を潤しお通しのキャベツをつまみに待っているとやっと来ました、愛しのレバ刺しちゃん♪
 八種類ほどあるモツ類の刺しは生のガツと茹でたガツがありこれは茹でた方のガツとレバーの盛り合わせにしてもらいました。隣のお客さんは常連さんらしく全てのモツの刺し盛りにしてもらっていて、『ここのは美味いですよ』と話し掛けられますが、いきなり話し掛けられるのは苦手なのです。
 料理自体丁寧に作られているし感じの良いご主人なのですが、どうにも落ち着かない雰囲気なので(カウンターがギッチリ、ホールがてんてこ舞いなど等)、料理もお酒も丁度なくなったのを潮にお会計してもらいました。どうも間の悪いときに来てしまったようで、こういう時は早めに切り上げる方が良いようです。瓶ビール大瓶¥660、レバ刺しとガツ刺しの盛り合わせ¥600でお通し込みで¥1,610とリーズナブルですからまた今度来て評価しましょう。
 お店を出ると忙しいのにご主人が出て来て挨拶してくれました。また近々訪問したいものです。
 この辺りでどこか?と店を出る前から考えていたのですが、昨年末に見つけたあの店が良さそうだと千束通りを歩き、地方(じかた)橋交差点を左に折れて土手通りを北上、吉原大門の交差点を右に折れると見えて来るのが『丸千葉』さんです。
 満席じゃないかと恐る恐る扉を開けると案の定ほぼ満席。それでも手際良くご主人がテーブル席に空いているスペースを見つけ先客に声を掛けて相席になりました。ここら辺は見事の一言です。(隣の学生らしきグループもその後一人欠け早々と引けて行きました。)ガヤガヤ騒がしいのは先程のお店と変わらないのですが、何となく落ち着かないお店と、それが気にならないお店があるのは何故なのでしょうか。
 ここは逆に静かだと様にならないのかもしれません。ホッピーを頼み自分で調合し一口飲むとホッとして思わず笑みがこぼれます。中はビールグラスに一杯(180ml)と、外が一本で¥300だそうです。ドリンクのメニューには表記されていないのですがしっかりあるところが嬉しいです。
 さて何をつまみに?と考え『刺し身三点盛り』¥800を選びました。海老とマグロ赤身、カンパチの盛合せです。この日はカンパチが特に良くコリコリとした食感を楽しむことが出来ました。海老もしっかり自己主張してくるサイズで久々に納得できるものでした。他にもコチラのお店は魚介系が中心ですが、レバニラ炒めがあったり、とんかつもあったりと幅広いメニューが揃っています。焼き鳥系が見当たらなかったようです。
 それでも後から隣にやって来たカップルが頼んだかき鍋¥1,400が運ばれてくるとビックリ!てんこ盛りでガスに掛けられましたが、改めて、失礼ですがと聞くとこれで一人前だそうです。許可を得て写真を撮らせてもらいました。それをきっかけに少し話させて頂きましたけれども、男性はお勤め先が新宿方面で、お住まいもその先の西側。それにもかかわらず、コチラのお店に、4・5回は来ていると言うことでやはりこのお店には何かしら魅力が備わっているのですね。写真がご趣味ということで浅草や川を越えて向こう側の向島・鐘ヶ淵方面にも行かれると言うことで、丸好酒場の方にも足を運ぶとか。

 煮えて来て丁度いい量になったようです。お二人で一人前でピッタリのサイズ、一人なら他の料理はとても食べ切れなさそうです。ブログを読むのがお好きだということで、ワタクシのこのブログのタイトルをお伝えしてしまいました。
 他にこの日のサービス品『あんきも』¥350もその値段とは思えないほどの、ゴロゴロとしたぶつ切りで別添えのポン酢に浸けて頂き、これならとばかりに熱いお酒を追加。やはりこの季節、あん肝にお酒は堪りませんね。
 二回目来ましたがトータルで満足度の高いこの『丸千葉』さん、次回いつ来ようかとお会計前に考えてしまいました(笑)。