こういうお店はチョッと・・・

鯵の刺身

 何巻だったか忘れましたが、『美味しんぼ』の話の中でこういうのがありました。ある日、寿司の握る写真をとるということで、山岡・栗田の友人でもあるカメラマンと寿司屋を訪ねてみるとどうも寿司の握っている写真が美味しそうに撮れない。何がおかしいのだろうかと、訝る栗田とカメラマン。そこで替わりに山岡が連れて行ったのが、大して繁盛もしていないけど少々年配の職人のいる年季の入ったお店。そこで早速握ってもらうと、その違いに驚くのが、通常左手でネタを、右手でシャリを摑んで軽く握ってから二つを握り合わせるのですが(右利きの場合)、右手で摑んだシャリの量が丁度良いので無駄な動作がなく美しく纏まるというもの。その前の違和感を感じたお店では右手で摑んだシャリの量が多過ぎて、余分なシャリをちぎって飯台に戻すという余計な動作がおかしいと感じた理由だというのがおおよその粗筋です。
 (←以下の写真は記事とは関係ありません。あん肝)某月某日。知り合いに連れて行かれたお店は繁盛店で最初は入るのは無理かなと思われましたが、何とか詰めてもらえてカウンターに二人並びで、しかも焼き場の目の前という好立地。焼き物を焼くところを見ながらというのはそれだけでも十分つまみになる光景ですね。いくらか食べて来たのでそれほどお腹は空いていないけれども、こうして他の人の焼けるのを見ながらだと、食欲を刺激されて何か食べたくなるというものです。
 ビールを飲みながら、焼き物を見ていると焼き場の左手には引き出し式の冷蔵ネタケースがあり、そこから串に刺さったネタ(もちろんこの場合は焼き物の)を注文に応じて、取り出しています。注文はホールスタッフやカウンターの他のスタッフからも大声で通されるのと同時に、伝票かメモに書かれて焼き方に渡されてそこで間違いがないか照合されているのです。そこで一旦取り出して、やっぱり多すぎたり違うものが出されたりしていると戻されるわけですね。
 (←〆鯖)しかし、問題なのはその動作。あまり生物(なまもの)を扱う時にはベタベタ触ると手の温度で劣化するし、衛生的とはいえないのでやむを得ないのですが食材をポンポン投げるようにして扱うのです。手早くサッサとという意味では良いのですが、無意識にやっているのだとしたら食材に対しての愛情に欠けているように思えるのです。一旦上のの台に置いたものを戻す時も、次に取り出しやすいように元の位置に戻すとかいったそういった動作はなかったので、おそらく癖なのでしょう。接客に関してはこの方、焼きながらも木目細かく配慮してそつなくこなしていたので(焼きに神経を使ってはいても、お客が話している事にキチンと応えたり、問いかけに答えたり)、非常に切れる人だなぁと、感心しましたが、こうした食材の扱いを見ているとその接客もうそ寒くなり食欲も湧かずにあまり食べずにその日はお終いになってしまいました。

 また最近の別の日。家の近所ではありますが、以前から気にはなっていたけどチョッと値段が高そうなお店で、気が引けていたお店なのですけれども、ネットの情報でそれほどでもなく、ランチなんかはむしろリーズナブルな、海鮮が売りのお店ということで行ってみることにしました。ここのところお店に入る前に外観や看板を撮り忘れると、出た時にそのまま次のお店に行ってしまって撮り忘れたりということが間々あるので、最初に撮って置きました。
 改めてメニューが書かれた表の看板を見ると、やはり結構強気の値段設定ですが、自信を持って出していることが窺われるので、挫けそうになりながらも意を決して引き戸をガラリと開けました。
 つと、お店の人は他の音でワタクシが入ったことに気が付かない感じですが、数秒後に気が付いて、二人掛けの席を勧められました。ワタクシは一人ですから、他のテーブルが複数で来ているところに一人ポツンと座るのは落ち着かないのでカウンターにしてもらえないかと希望しました。
 メニューを置いて直ぐに飲み物は?と聞かれても何があるのか判らないのに注文というのも酷な話です。しかも困惑しながら考えていると、ご注文を纏めておいて下さいね、と来たもんです。このお店では注文は一回コッキリかいな?と思いつつも、しばしメニューを眺めて瓶ビール(クラシックラガー大瓶¥650)に決めました。 
 直ぐにグラスと共に運ばれて来て、お通しはワタクシの苦手なマヨネーズを使っているようなものだったのでぼんやりとしながらビールを飲みます。ところがどうも大将の言葉がどうもキツイのです。女将さんらしきホールの女性は、『〜と〜お願いします』だとかオーダーを通しているのですけれども、『そこ置いといて!』だとか『おいっ!これっ』とか全く気に障り始めると、この言葉遣いが気になってくるのです。カウンター席に座ったワタクシですが、いけすと、高い気の壁に阻まれて『万里の長城』状態になったカウンターにこれほど感謝した時はありませんでした。うちの会社にも耳の遠い人が居るので、耳が聞こえにくくて(厨房はおおよそ換気扇が回っていて聞こえにくいものなのです)大声を出す癖の人なのかと思い直したのですが、帰るお客とは普通に話しているのでそういう訳でもなさそうです。あまりに偉そうな店主の言動に、てっきりホールの女性は、ははぁん、パートの気の利かないオバチャンなのか、と一瞬思ったぐらいです。
 (←これも全く関係なしヽ(;´Д`)ノ)その後一本電話が掛かってきて、それがどうやら嫁いで行った娘さんからで、翌日遊びに来るという内容の電話で、それまでオバチャンが『社長』と呼んでいた店主に対して、『おとうさん』と呼び方を変えたので、やはり夫婦なのだとわかりましたが、こういうあまりに横柄な態度の店主は食欲を失わせます。やはり客商売では夫婦喧嘩していたりどちらかが威張っていたりというこういうお店は敬遠したいものです。(もちろん次のお店に飲み直しに行きましたけどね)


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 そういえば、金曜日こんなCDが届いていました。
Absolutely MadAbsolutely Mad/Mad'house Pops/Dance/House ¥615+340=¥955(マーケットプレイスにて)
 プリンスの昔プロデュースした『Madhouse』というグループの作品があるのですけれども、アマゾンでは残念ながら現在取扱いがありません。ということで不定期ではありますがたまに思い出したときにチェックしているのですけれども、この間検索していたら同じMadhouseで引っ掛かって出て来たアルバム。詳細を見てみると『Mad'house』でマドンナ(Madonna)のハウスバージョンでのカバーということで興味をそそられました。値段が安いのも魅力です。
1. Like A Prayer (Radio Edit)
2. Holiday
3. Into The Groove
4. La Isla Bonita
5. Like A Virgin
6. Vogue
7. Borderline
8. Open Your Heart
9. Papa Don't Preach
10. Be Yourself
11. Everybody
12. Lady Of The Dawn
13. Frozen Club Mix
14. Like A Prayer (Almighty Radio Edit)
15. Like A Prayer (Video)
16. Holiday (VIDEO)
 ということで、まんまマドンナの初期からの少し前までのカバーですが、これが実に新たな魅力を増していて良いのです。Vo.はやや深みが足りないのですが(マドンナは意外に低音に魅力があったりします)、ハウスVer.ならあまり気にならないです。これはなかなか良い買い物をしました。
一曲目の『Like a prayer』から