『水底の骨』他

 いつの間にやら放置してしまっていたジャンルの読書記録。読み返してみると前回がほぼ一年前だから大分おぼろげな記憶になっているものもありますが、一応読書したという記録なので。

永久凍土の400万カラット (文春文庫)永久凍土の400万カラット ロビン・ホワイト
 シベリアに眠るダイアモンドの原石をめぐるモスクワとの闘争。ロシアってこんなところがまだ遅れているのだなぁと、そこかしこに散見される描写が興味深かった一冊。話自体は遅々として進展しない展開に飽き気味。
トリプル・クロス〈上〉 (新潮文庫)トリプル・クロス〈下〉 (新潮文庫)トリプル・クロス フリーマントル
 これも上下二巻のボリュームがあるもののフリーマントルにしては快作とはいかなかったような気がしました。世界のマフィアをめぐる権力闘争と、ロシア・アメリカの捜査官の共同戦線の話。主人公の弱さをも見せるところは珍しい。
叛逆指令〈上〉 (新潮文庫)叛逆指令〈下〉 (新潮文庫)叛逆指令 トム・クランシー, スティーヴ・ピチェニック
 これはAFKの時に持って行って皆さんがジャポネで食べている時に、マックでコーヒーを飲みながら読んでいた記憶があるので読んでいた時期はハッキリしています。トム・クランシーも多作で久しく読んでいませんでしたが、まだ腕が鈍っていないようです。
黙って行かせて黙って行かせて ヘルガ・シュナイダー
 筆者の母親がナチの収容所の看守だったという、歴史的なドキュメント。もう老いた母親なので、現在の記憶は曖昧(認知症に近い)なのですが、古いことは実に克明に覚えています。
FBI心理分析官―異常殺人者たちの素顔に迫る衝撃の手記 (ハヤカワ文庫NF)FBI心理分析官―異常殺人者たちの素顔に迫る衝撃の手記 ロバート・K. レスラー, トム シャットマン
 全米の過去の主だった犯罪者を実際に面談しそれをプロファイリングという技術・学問に引き上げた功労者の実話。『羊たちの沈黙』や『レッド・ドラゴン』のモデルになったそうです。
殺しの儀式 (集英社文庫)殺しの儀式 ヴァル・マクダーミド
 イギリスの連続殺人事件で同性愛者の悲哀を描いた話。自分は同性愛を受け容れないけど、この話はなかなか面白かったと思います。アメリカの小説とは一味違う感じがします。
ハーンの秘宝を奪取せよ〈上〉 (新潮文庫)ハーンの秘宝を奪取せよ〈下〉 (新潮文庫)ハーンの秘宝を奪取せよ クライブ・カッスラー, ダーク・カッスラー 
 洋物小説にハマるきっかけとなった作家、クライブ・カッスラーのもう何作目なのかも判らないほどの作品。でもこの何作かは御都合主義が目に余り、また読み返してみたいと思えるような作品は過去のものとなってしまいました。映画化すれば面白いのでしょうけど。 
アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)アヴェンジャー〈下〉 (角川文庫)アヴェンジャー フレデリック・フォーサイス
 この人も長く活躍している作家ですね。ビッグネームでも面白くなければ読むのに時間が掛かりますが、腕は全く落ちていないんじゃないでしょうか。上下二巻ですがこれは販売戦略的なものでボリューム的には分ける必要性は全く感じられません(きっと契約金が高いのでは?)。
クライシス・フォア (角川文庫)クライシス・フォア アンディ・マクナブ
 これも飲み屋さんに行く前に適当に買った本。タリバン絡みの本当の話も絡んでいる二重スパイものの話。随所にアウトドアや隠密作戦物の話が交えてあり、しかも作者はSAS(イギリス陸軍特殊部隊)出身ということで迫真の描写が良いです。
メアリー‐ケイト (ハヤカワ・ミステリ文庫)メアリー‐ケイト ドゥエイン・スウィアジンスキー
 空港で出会った見知らぬ美女が、聞いたこともない未知の病原菌を飲み物の中に入れたと。人から離れると絶命するといわれ半信半疑の主人公は…というパニック・サスペンス。話はシリアスなのにどこか飄々としていて、不思議な作品。
ペトロバグ―禁断の石油生成菌 (文春文庫)ペトロバグ―禁断の石油生成菌 高嶋哲夫
 世界中が待ち望む、石油を人工的に作り出す菌『ペトロバグ』とそれを巡る石油メジャー、またそれを阻むOPEC首脳による日本を舞台にした争い。う〜ん、筋書きは良いけど腰が弱いですかね。日本の作家はあまり読む気がしません(社長から借りている身でゴメンナサイ)。
水底の骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫)水底の骨 アーロン・エルキンズ
 どうやらスケルトン探偵シリーズというらしいのですが、ワタクシは初めて読みました、その第十二作目だそうです。骨を題材にしたミステリーは多いのでしょうけどシリーズというのは珍しいのでは?そういえばCSIというアメリカのドラマは面白いけど。