だしマニアへの道Part.2

酢の物

 Itopさんからの『凝り始めると面白いけど大変ですよ』とのコメントを頂いておりますが、既に片足が沼に嵌りつつあるcoldginでございます(汗)。この間の関西うどんの出汁を研究していて、そういえば昆布の風味がいつも弱いなぁと思い、通常の使用量の1.5倍(いつもはお徳用の切った昆布8cm程の物を2枚のところ、3枚使用)に増量したら確かに昆布の風味が増して好ましい結果となりました。しかしウェブ上の情報では、もう一つ、関西うどんの出汁として欠かせないのが『いりこ』です。そう言われてみれば、讃岐うどんでもいりこは欠かせぬ重要なアイテムです。ここは一つ奮発してもいりこをゲットせねば、ということで早速購入してまいりました。讃岐うどんの本場、香川県はその昔昆布の流通経路(北前船の航路)から外れていたので昆布を入手するよりも、手近な小魚(雑魚:ざこ、転じてじゃこ)を干して出汁に使用したということらしいです。
 関東では『煮干し』として売られているものですが、いりこも一緒ですね。肝心なのは、裏側に書かれている原材料をよく確認すること。折角キチンと出汁を引くのであれば、酸化防止剤などが添加されていないものを選びたいものです。本格的に出汁を楽しむと言うのであればそこら辺は言わずもがなでしょうが。 ちなみに近所のスーパー何軒かで調べてから購入しましたが、大抵は5種類ほどの内、1種ぐらいは無添加のものがありました。干物とはいえ、大量に作り店頭で売れる間に元々魚に含まれる脂肪が酸化するのは止むを得ないので、それを防止するために添加するのは仕方のないことなのでしょうが、訳の判らないものが添加されているというのは気持ちが悪いので却下の方向で…。
 こうして買って来た煮干しは実に立派なサイズのもので、大きめの煮干しを5尾取り分け、頭と内臓部分を取り除きます。雑味を出さないようにするためですけど、いつもながら内臓はともかく頭は勿体ないなぁとも思いますけど。両方作り確かめてみないことには判りませんが、昔から言われていることなのでそのまま踏襲しています。『炒り子』と言うだけあって、これを一度乾煎りしてから、水から煮出します。弱火〜中火で2.30分ぐらいでしょうか、香りと色の具合を見ながら沸騰させないように煮出していくと実に良い香りがしてきます。実家では煮干しを使うことはなく、もっぱら鰹出汁でしたから、ややその癖というのは感じますけど、前々日に戻した椎茸の戻し汁を少量加え、昆布と鰹の出汁を加えると非常に複雑な旨味の入り混じった出汁が出来上がります。


 今回はこれでやはり関西うどんの出汁を作りました。麺は手持ちの乾麺を使いましたが、やはり手打ちのうどんの方が馴染むような気がしました。前回は熱くしたのですけど、今回は味を決めてから荒熱を取り氷水で冷やします。ということで、浅葱だけの薬味ではなく、ショウガをおろして味の変化もつけて楽しめました。

 夜は残った鰹と昆布の出汁を使ってキュウリと海老、ワカメの酢の物。キュウリは
蛇腹に切り塩で揉んで少し水をを加えて置いておきます。そうすることによって、柔らかくなるし、青臭さが抜けるようになります。白胡麻は鍋で乾煎りすると、風味がグッとアップしますね。以前ご紹介した煮物と合わせてとってもヘルシーな夕食になりました。