上野・御徒町漂流記

アメ横センタービル2Fより

 一昨日の夜、関西に戻ったはずのHさん(北極会♂)からメールが来て、いつもの飲み屋に来ているから来ないか、とのお誘いでした。後で聞いたところ住んでいた部屋の明け渡しと、月曜日には会社の会議があるとのことで来ていたようです。しかしながら既にワタクシの時間はとうに過ぎているので辞退し、翌日の日曜日に昼ご飯をご一緒することにしました。
 翌朝メールをすると、暫らくして電話が掛かって来ました。人気者のHさんは手荒い歓迎を受けて、ウォッカのショットを20杯ほど飲まされて(全て友人からのオゴリ)、それ以上は憶えていないと言うことで、見事に二日酔いになっていました。午後一時に待ち合わせて、上野方面に出掛けることにしました。暫らく前に、二人で寿司を食べていてそこも候補でしたが、同じところでは詰まらないと思い、意外な穴場の天麩羅屋さんのランチも考えていましたけれど、実際にHさんに会うととても天麩羅のような揚げ物は食べられそうにありません。ワタクシも朝にうどんと炊き立てのご飯を食べておりましたので、お腹も空いているわけではないので、暫らく御徒町の街を案内しながらHさんが本調子に戻るのを待ちました。
 ちょうど手持ちのウコンがありミネラルウォーターで流し込んでもらい、二木の菓子でお馴染みの『二木』の店内からブラブラと歩き回りながら商品・食材を見て回ります。業務用食材から地方の銘菓まで幅広い品揃えは見ていて飽きません。少しずつ移動しながら、アメ横センタービルにジワリジワリと近付いて行きます。お店の呼び込み、『¥1,000、¥1,000』の掛け声で客を引き付ける口上をまくし立てるオジサン達に引き込まれないようにしながら、鮮魚や乾物などを眺めてHさんは身体が回復するのを、ワタクシはお腹が空くのを待ちます。
 センタービルの地階にあるアジアの食材街を見て回ると、流石にエキゾチックな香りの毒気に当てられHさんが一休みしたいと、休憩所へ上がりました。実際歩いてみてこの日は写真で見るほど混雑はしていませんでした。少し休憩して再びセンタービルの中を見て回った後ABABも一回り、暇な二人です。暫らくそうしていて、ようやく15時過ぎに昼食がてら寿司屋さんに入ることにしました。

 夕方なら行列の出来る店として有名な『寿司幸』さんです。写真では『英鮨』さんと『かっぱ寿司』さんの間に挟まれた『寿司』の小さな看板のところにあります。小さな横丁に何軒か寿司屋さんとたくさんの居酒屋さんがひしめく横丁で、そこはかとなく魚の匂いが漂っています。慣れた人ならどこか行きつけのお店を一軒は持っているのですけれど、ワタクシは以前知人から紹介されたこの『寿司幸』さんばかり訪れてしまいます。マグロの中落ちを叩いたもの(ネギトロ?)をテンコ盛りにしたバクダンが名物。
 とりあえずウェルカム・ドリンキング(いわゆる迎え酒ですな)として瓶ビールを注文、サッポロとアサヒが選べます。握りの前に何か刺身を切りましょうか?との勢いの良い板さんに、まずはお任せで刺身をお願いしました。赤貝、カツオ、平目の三種類がズラズラと並べられました。壁に貼られている新サンマの『刺身¥900 握り¥150』の張り紙が気になります(汗)。盛り付けは結構アバウトながらやはり寿司屋さんですから魚は美味いですね。
 ということで、まんまと新サンマの刺身とカジキマグロも追加。Hさんは自分の体調も考えずに食べたいものを追加していきますけれど、二人で比較すると、体調は良いけどそれほど沢山は食べられないワタクシと、普段食べる量はワタクシの1.5倍以上ながら、二日酔いをまだ引き摺っているHさん。まだまだ刺身を追加しようとするHさんをセーブしに掛かります。
 こちらのお店でのもう一つの名物(?)、タクアンの中にキュウリを入れ込んでスライスしたもの。タクアンに穴を開けて筒状にしたものの中にキュウリを入れるのでしょうが、どうやって作るのかは不思議です。これがまたコリコリした食感とシャキシャキした歯触りがマッチして良い箸休めになるんです。タクアンがキュウリと隙間なくフィットしているのは何か加工上のノウハウがあるのでしょうね。
 板さんも一軒頑固そうなのですけれど、飄々としていて、こういう巻物をと小肌と大葉の細切り巻き(シンコ巻きと他店では教わりました)を注文すると、巻かない方が美味いからと握って出して下さいました。お酒を飲むには巻物の方がつまみ易いのですけれども、胡麻も間に含ませてあり確かにこの方が美味しいようです。カジキは大トロの部分で流石にワタクシには脂がキツかったので、Hさんに食べてもらいました。
 その後ワタクシも頑張ってカンパチとサーモンを追加しましたが、いささかお腹が一杯になり打ち止め。〆のシジミの味噌汁を美味しく頂きました。この他にHさんは穴子の握り(塩)を頂いて二人で¥7,700と昼食にしては高いですけれど満足の行くランチでした。

 その後、二人は総武線に乗り小岩のタイ・マッサージをしてもらいに行き、体調も落ち着いたところで錦糸町に戻り、錦糸町の奇跡『一力』へお邪魔することに。お婆ちゃん一人で営業しているお店ながら、日曜は看板に灯りをともすことなくひっそりと営業(日曜は食材が少ないからと通常営業ではないと言う意味だそうです)、ほぼ年中無休(盆暮れ正月を除く)のお店です(驚)。店へ赴くと案の定明かりがついていて一安心。北極会のYちゃんも来ることになっていて、チビリチビリと先にやっています。しかしデフォルトで焼酎がこの量ですからね、酔って来る訳ですよ。抹茶ハイを頼むとこんな感じでグラスが渡されここに自分の好みで抹茶を入れて掻き回し残りをミネラルウォーター(南アルプスの天然水)で薄めるのです。これで¥300ですけれど焼酎は寶焼酎、氷はコンビニで売っているようなロックアイスを使用しているので原価はどうなっているのだろうかと訝しく思ってしまいます。つまみは豚の生姜焼き(3切れ)¥300だったり、牛カルビ焼き¥300、銀サケ焼き¥250などなど¥500のサーロインステーキが最高値で、とってもリーズナブルなお店なのです。Yちゃんの彼氏のDックが駆け付け一杯の生ビール(これは意外と普通の値段¥450中生)にウーロンハイ¥300を3杯飲んで、最後はゴチ・バトル。ワタクシの予想¥7,000にYちゃん¥6,500、Dック¥6,800、Hさん¥6,900との予想でしたが残念、お会計は¥6,310のワタクシのオゴリなのでした(涙)。