福島を抜けて新潟・村上の海岸へ

キャンプ地から海を眺めて

 雨音に朝早く気がついて、窓を開けると曇り空から結構な量の雨粒が落ちてきておりました。時刻はまだ4時半。朝までには降り止むことを願ってもうひと寝入りします。次に目が覚めたのは7時少し前、普段5時過ぎに起きているので随分ゆっくり寝ていたことになります。今日の行程を地図で確認し、荷物を纏めると階下に降りて、昨日の雨に打たれたバイクのチェーンを確認し、案の定チェーンオイルは切れてきていて、クレのスーパーチェーン・ルブを吹き付けておきます。部分的にはサビも浮いて来ているところもあり、他に工具を持ち歩かないワタクシでも、やはりこれだけはいつも欠かせないアイテムなのです。
 7時半過ぎには準備も完了して出発。旅館泊だと荷物を載せて出るだけですからやはり楽は楽です。ひっそりした朝の旧市街を抜けて国道四号線に出ると、そのまま北上し矢吹インター近くのラーメンショップ矢吹店に立ち寄ります。こちらのお店は朝から元気に営業しているのは確認済み^^。ここで朝食にしましょう。ラーメンショップが大好きというわけではないのですけれど(まぁ言い訳に近いですね)、各地に広がるこのチェーン店、北は青森から南は愛媛まであちらこちらで食べて来ているのでどんな違いや共通点があるのか気になるのです。
 さすがに朝から混雑している訳でもないのですけれど、4・5人の先客がいました。確か日曜日だかにラーメンのサービスデイがあり、たまたまその日に当たった時は朝からでも結構混雑はしていましたが。また近くの泉崎という町にもありましたが、こちらのお店の方が好印象だったように記憶しています。 入口の食券を購入し素直にラーメンを注文します。すると店員さんが大盛りはどうしますか?と聞いてくるので、いえ良いですと辞退してふとカウンターの上のメニューを見ると、朝方は9:30まで大盛も中盛も普通盛りと同料金にてサービスの文字があります。胃袋が損得勘定で変わるという得な体質(特異な体質?)なもので、中盛にしてもらうことにしました。バイクでの旅というのは、特に身体を動かす訳ではないので走っている振動で胃袋他の内臓が刺激されて空腹は感じますが、カロリーが消費される訳ではないので、控え目にしておかないと、意外と空腹感が定時に訪れたりはしないものなのです。程無くしてやって来ましたラーメン¥500、中盛です。思いの外、縮れの強い麺はやや中細麺で、生まれの札幌のラーメンを思い出されます(札幌の方がもう少し太いですが)。コクはありますが、味は濃過ぎず脂の量もやや少なく、朝食ならむしろこの位の方が好ましいかもです。昼間は脂の量を調整しているかは記憶にありませんが。
 食べ終えて、今度は地図を確認して山越えをして行きます。県道を経由して、東北道の下をくぐり、国道294号線に再び合流。この国道294号線会津若松まで続いているのです。もし東北道で郡山まで行き、磐越道会津若松まで行くと所要時間は約一時間、¥1,800の料金ですが、実際には山越えをして会津若松までは1:20程(この日は1:10で到着出来るので高速道路を使う意味はこの区間に関しては、余りないと思えますがいかがでしょうか?
 走り出して直ぐにやはり雨が降り出して参りました。山に向かうのですから天気は崩れるのは仕方がありませんから、、停車して雨具を着込んで再出発。やはり雨が強くなってきました。我慢してゆっくり走り続けます。昔の宿場のの面影を残す地域を幾つか通り抜けて行くと、ようやく会津若松の町へ続く国道49号線にぶつかります。ここまで来ればあとは下りの快走路、雨もいつしか上がり前回会津若松市内で見つけた安いガソリンスタンドで給油、そして雨具を脱ぎました。雨具はこういった場合、寒さを防ぐのにも有効なアイテムなので、ワザと着たままにしておいたのと一旦濡れた雨具を、雨が上がったからとすぐに脱いでしまうよりも、来たまま走ることによって風に当たり乾いてくれるというメリットもあるんです。走っている間に忘れ物に気がついて探そうとしていたアイテムを買おうかと、近くのダイソーに立ち寄ろうかと思いましたが、時刻はまだ9:30過ぎでまだ開いていず残念。そのまま国道49号線を走り続けてここからは未開の地です。幾つもの坂道を過ぎて阿賀野川沿いの一本道をひた走ります。
 道の駅の『みかわ』というところを地図で確認しここで休憩しようかと立ち寄りましたが、実際にはトイレがあるだけの駐車場。詰まらないなと移動しようかと思うと、300mとすぐ近くに天然記念物の杉の木があるということで見に行きました『将軍杉』。バイクを置いて見に行くと鬱蒼とした林の中に根元の方から枝分かれした何本かの幹が上に立ち上っています。正直ふうんという感じで、それよりも近くにあった平等寺薬師堂(右側の建物)の方が趣があって気に入りました。そこからすぐ先の阿賀の里という道の駅で昼食でもと思いましたが、まだ余りお腹が空いてもいないのでパス。阿賀野市内方面に向かいながら、途中の国道290号線にシフトして北上します。この道は地図によると越後湯巡りルートと呼ばれているそうで、実際いくつもの温泉の看板を目にします。昼食を摂ってから温泉と考えているワタクシは幾つも過ぎてしまいました。やはり蕎麦を食べてから温泉なんてオツなものですからね。 しかしながら、余り先に進みすぎると温泉地もなくなってしまいますし、と目に付いた温泉に入ることにしたら、後で調べたらこの界隈では大きな温泉地でした。月岡温泉という幾つもの大きなホテルのある温泉地の共同浴場『美人の泉』。どれだけの美人が生み出されているのでしょうか?大人料金¥500を払い入浴券を買ってから入場。入口で貴重品ロッカーの鍵を渡されてから貴重品を預けてから入ることにします。
泉質:含硫黄-ナトリウム塩化物温泉(弱アルカリ性低張性高温泉)
 湯の色は何故か緑掛かっていてイカサマ臭いのですが微かに硫黄臭がするものの癖のない良いお湯です。掛け流しではなく循環のようですけれど、それほど違和感なく楽しめました。足元がツルツル滑ります、との注意書きがありつつ肌がヌルヌルしたりはしないなぁと、思って身体を拭いて脱衣場に行こうとしたら、やはり足元がつるっと来ました。設備が整っている割にそれほど混んでいる訳でもなく非常に好感の持てる温泉でした。
 そこの温泉地での食事は過去の経験から余り期待は出来ないので、そのまま新発田市内方面に向かいました。陸橋を渡りながら町の中に入るのですが『菊水』という有名な酒蔵が見えていました。新発田駅を過ぎた辺りに手打ち蕎麦のお店を見つけました。『蔦屋』さんという一種独特の雰囲気を持ったお店。こうしたお店っていうのは、極端に外れるか当たりか二者択一なんですよね。時間的にもこの先見つかるかどうかなので入ってみることにしました。ドアに窓がないのも微妙な雰囲気なんですよね(汗)。
 メニューを眺めて、もり蕎麦のお値段よりもそば定食の方がお得そうでしたのでそちらにすることにしました。そば定食は、もり蕎麦に五穀米のような穀物入りのご飯、ゴボウのかき揚げ、ナスのお新香、煮物(中華風に炒め煮になっていました)が付いていて¥830。ご飯はいかにもの炊飯器の臭いがついているものの、胡麻の風味で何とか誤魔化され、かき揚げはモッタリした衣がカラリとせずにボッテリとしている、と今ひとつの内容でしたが、蕎麦は透明感のある良い蕎麦でした。ツユの塩梅も良くこの内容でこのお値段ならお得なのは間違いナシです。蕎麦だけを楽しみたいならやはり蕎麦を楽しんだ方が良さそうですが。
 食後は更にそのまま国道290号線を進み続けると、こんな食堂を見つけました。ちょうど赤信号で停車してパチリ。流石に新潟県コシヒカリが売り物なんですね。『コシヒカリ食堂』なんてネーミングは惹き付けられてしまいますネ。この間TVを見ていたら実際にはコシヒカリの故郷は福井なのです、という情報を密かに思い出していたのですけれど。
 そこから村上市に突入、夕食の買い物を済ませて、市街地には入らず『笹川流れ』といわれる海岸線沿いに出ると今夜のキャンプ地を探し始めたのでした。