イガゴエとマルキンの比較

伊賀越 天然醸造 蔵出ししょうゆ

 〜またしても醤油の話に舞い戻ります〜
 かなり長い間気に入って使っていたマルキン濃口醤油でしたけれども、秋田へ行った際に見掛けた『伊賀越』という醤油を家の近所でも見つけたので早速購入に踏み切りました(実際に購入したのは結構前の8月中頃でした)。1Lで¥198と比較的廉価であります。コチラのスーパーでは他にもワダカン醤油や玉松醤油といった醤油も売られていて面白い品揃えです。
 秋田で見かけた時にはラベルの清々しさに惹かれて、なおかつ秋田で出会ったにもかかわらず伊賀(三重県)の醤油ということで思わず買ってしまいそうになったのですけれども、思いとどまって帰って来て正解でした。旅先で買うようなものではないですね、その土地で生産されているわけでもないのですから。
 イガゴエの天然醸造『蔵出ししょうゆ』というものです。三重の醤油というのは初めてですけれどもいかがなものでしょうか?



 裏面を見ると脱脂加工大豆、大豆、小麦、食塩、アルコールと至って普通の原材料、と言いたいところですが、『脱脂加工大豆』と『大豆』の両方を使っているのは珍しいかもしれません。こうした内容物の表記では材料に占める割合の多いものから記載することが決められているので、もちろん脱脂加工大豆の方が大豆(恐らく丸のままの大豆の意)よりも多いと思われますが、大豆も使っているのは評価したいところですね。
 ちなみに醤油の仕込には必ず水が必要になるはずなのですが、これは内容物の一覧には記載されていません。何でなのかな?

 買って帰って来て早速それまで使っていたマルキンと比較してみました。マルキンの方は確か封を切ってからそれほど経っていない状態だったと記憶しております。何度か述べているように醤油は封を切ってからひと月以内に使い切るようにした方が風味、鮮度という点で理想的であるそうなのでまだ殆んど満タン近く残っているマルキンがあるにもかかわらず、イガゴエの方も封を切るのは余りよろしいことではないのですが、興味が勝ってしまいました。青地の小皿にスプーンで計量し同量を注ぎます。
 左がイガゴエ、右がマルキン濃口醤油です。同じ濃口でもかなり色が異なるのがお判り頂けると思います。以前比較した時、関東の代表的な醤油と比較してマルキンの方が色が浅いという記憶がありますが、これは更に明るい緋色ですね。
 味を確認して見ると慣れたマルキンに対してかなり明るい味です。パーッと口の中に広がる醤油の香りが鮮烈です。もちろん口開けだということもあるのでしょうが鮮やかな味で気に入りました(『明るい味』というのも判りにくいでしょうが、テイスティングした時にそのように感じたのです)。