信越を巡る旅〜妙高から新潟の海、そして富山入り〜

tominxanadu2009-09-23

 朝方、冷えるかと思われた長野の夜ですが、既に布団を用意されて(毛布ではなかった)いたので寒い心配は無かったのです。普段よりもゆっくり目の起床。実を言うと前々日の夜も友人と飲んでいたので出発の朝はやや二日酔い気味で、ぼんやりした頭(いつも!)に痛みを感じながらの出発で遅れていたのですけれども、この朝は前日の量が丁度良かったのかすっきり起床でした。Tommyさんはワタクシの帰還が11時半でそれに遅れること2時間弱で帰宅とのことです。自慢のカヌー(自作!)の見せてもらった後、ゆっくりご飯を頂きながらカヌーの話やこちらの旅の話、これからの行き先などを話しました。そんな訳でこちらのお宅にお邪魔するといつもながら、出発が遅れてしまいます(苦笑)。結局出発出来たのは11時過ぎでした。
 とりあえず、給油を済ませて黒姫方面に北上するルートを狙います。坂中というトンネルを越えて山道を走りぬけると、工事中の砂利道がありその直ぐ先にこんな良い景色の場所がありましたのでパチリ。飯綱あたりから向こう側は須坂の北、中野(信州中野)辺りだと思われます。爽快とはこういう風景のことを言うのでしょう。
 しばらく走ると教わった通りに、黒姫の駅付近を立体交差になった道路で苦もなく通り抜け国道18号線に合流しました。この先は以前通って新潟・上越方面に抜けて富山まで行ったときと同じルートですから目新しいものではありません。若干ルートは違うものの以前は信州中野〜飯山〜野尻湖というルートでキャンプ泊をしたのです。その時は朝早くて諦めてしまった妙高高原の町にある共同浴場に入ろうというのが今回の目的なのです。
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 前回はすんなり見つけたはずのその共同浴場なのですが、久し振りに来たとはいえ、一度来ているので直ぐに見付かるだろうと高をくくっていたら、これが何と見付かりません。前回この町に入った時と真反対のルートで入ったのがいけなかったのか、何だか見慣れぬ町のようで結局入るべき小道を通過してその次の道を探していたから大変、グルりと町の中を大回りして走りぬけもう一度前回と同じルートを走り直して発見しました(ホッ)。人間、謙虚に生きないとイケマセンね(反省)。
 発見したは良いけど、時刻はまだ開場(13時)前の12時半でさりとて遅い朝食のためにまだ全然お腹は空腹状態を迎えておらず、駅の方まで足を延ばして見たりするのです。
 こんな時に限って妙にそそられる蕎麦屋さんがあったりして、なんとも皮肉なものです。特に見るべきところも無いので(というか気持ちとしては早く温泉に入って先に進みたい)、バイクに跨ったまましばし休み、やおら共同浴場に戻り開場を待ちます。ひょっこりやって来たのは、共同浴場の目の前から手に新聞と本を携えて出て来たオジサン。時間ピッタリにやって来ました。待ちくたびれたワタクシからするとスローモーな落ち着き払った動作でオープンの準備をして3分ほどでようやく入ることが出来ました。もちろん一番乗りです。
 早速中に入り入浴券(大人¥200・組合員は¥60)を買って脱衣場へ。引き続き開場を待っていたらしき常連さんが続々やって来ます。
 服を脱いでガラリと。初めての温泉を訪れる時はいつもちょっぴりワクワクするものです。これまた一種独創的な浴槽で、ホームベース型というか長方形の片側の両隅を幾分落としたような形です。四国・松山の道後温泉の『本館』の浴槽を小ぶりにした感じとでも言えばいいでしょうか(向きと吐湯口が違うけど)。
 カラダを洗い流して早速浴槽に身を沈めます。とは言っても半身浴なので腰からみぞおち位までですけど。若干熱めに感じましたが慣れるとそうでもなく、気持ちのいい掛け流しの湯です。
泉質:単純硫黄泉(分析書には明記されず、ウェブ情報を幾つか参照。源泉温度もマチマチですが、分析書によると、62.3℃(平成16年時)。
 癖の無いサラリとしたお湯で昼下がりということもあってか、気持ちのいいお湯に感じました。次々やって来る常連さんも感じの良い方ばかり。アットホームな共同浴場でした。
 火照った身体を軽く冷ますと、再び車上の人へ。国道18号線をひたすら下るかたちで上越市方面へ向かいます。さすがは雪国ということもあって車線の幅も広く、それと共に路側も広く多少車線が詰まっていてもバイクだと追越がしやすいです。一時間程降り切った所でほとんど海抜も下がってくるに従い上がって来た気温。巨大なショッピングセンターでしばしの休憩を兼ねてブラブラと欲しかったものや探し物を見て回ります。
 特に目ぼしいものも無く、お目当てのものも見付からなかったので先へ進むことにしました。今回の服装で意外に寒いのが下半身である事がわかったので、ダイソーで膝用のサポーターを見つけたり収穫はあったのですが。
 国道8号線に出ると今度はひたすら海に沿って南下。糸魚川、親不知と曲がりくねった道を越えると富山に入ります。昨年よりも更に道路の整備が進んで走り易くなった部分もあるものの、基本的には片側一車線の道路で上越からはノンストップで走っても2時間ほど掛かります。

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 本当は別のところでも良かったのですが、前回来てとても気に入った入善町の『園家山キャンプ場』にまたしてもキャンプすることにしました。前回来ているので勝手が判っているし、買い物をするにもどこへ行けば良いか調査済みですので気が楽なものです。16時には到着し受付を済ませ(無料のキャンプ場ですが、町営ですのでセンターなるところで受付が必要)てテントを張ってから、町へ買出しに出掛けました。前回買い出しに行ったスーパーよりも若干近場で見付けたので、手前のスーパーで。少々面白い食材も見つけました。
 宿営地に戻るとかなり日は傾き当たりは薄暗くなって来ています。急いで小枝を拾って火を熾します。こちらのキャンプ場は松林になっているのですが綺麗に整備されているので松葉もかなり掃き集められていて、枝なんて殆んど落ちていません。それでもやっと幾つか見付けて松葉と枝と木炭とを組み合わせて着火。この日は風が非常に強くライターの火を点火するのが難しかったのですけれども付けば一発で火が燃え広がってくれました 火が安定するまでしばし刺身でもつまんで、一杯。いやぁこのために走って来たようなものです。富山といえば氷見漁港が有名ですがその中でも『氷見のブリ』といえばブランド品。そのもう少し若い頃がフクラギでその刺身です。丸のまま売ってもいましたが、一人だと少々多過ぎますのでこのようなパック詰めされたもので我慢。それでもさすがに名産品ですからスーパーで刺身にされたもの、とはいいつつエッジの立ち方も東京とは比べ物になりません。さすがは地のものですね、脂の乗り方も満足の行くものでした。もう少し寒くなるともっと脂が乗るのでしょうが、食事の最初ならこのぐらいでむしろ丁度良いです。
 椎茸もなかなかのものでしたので、焼いて頂くことにします。身が厚く軸側を一旦下にして焼いた後、切り離して裏返した状態です。水分が浮いて来たら醤油をたらして頂きます。今回合わせたお酒は富山の名酒『銀盤』が紙パック2Lで売られていて手頃な価格(2Lで¥1,400ほど)でしたのでこれを何日かで飲むことにします。一升瓶ほど取扱いに気を遣わなくていいのと、量も多くてリーズナブルな価格は気に入りました。精米歩合は60%でスルスルと入るというよりも、お酒らしさも残した日本酒らしいお酒です。海洋深層水を使って仕込んだお酒というのは珍しいです。 安かったので久し振りに市販品のアジの干物を買ってみました。小ぶりのアジで身も薄くワタクシが家で作っている方が美味いです、正直。でも参考のためにこうして食べることもたまには必要です。塩分の加減がこれはしょっぱかったですね、自家製のももう少し立て塩の塩分濃度を上げても良いのかもしれません、保存性を高めるという点では。もう季節ですからやはりという具合にサンマも焼きましたがこれはかなり酔って来ていて朝になってカメラを見直すまで忘れていました。テントの中、シュラフにくるまれながら、あれ、キチンと食べたっけ?カラスが来て持って行かなかったかなと変に心配したのも杞憂に終わりました。やはり日本酒は効きますね。