長芋のわさび漬けの試作

棒々鶏@11月1日

 元々、スピーカーの自作からオーディオ関係・音楽関係のブログになるはずだった当ブログですが、最近ではすっかり料理関係・自家製の食材関係の記事が多くなってしまい、右側の『プロフィール』から始まる帯の一番下にある『最近言及したキーワード』欄の方でも、『料理』というキーワードが大きく太文字で表示されるようになって来ました。まぁとりあえず、『自家製』繋がりということで、最初から読まれていた方は認知して頂けるかと思いますけれども(苦)。
 さて今回もまた。ワタクシの仕込むものは比較的仕込み(準備)期間が長いものが多いので、暫らく前に仕込んでおいて、完成した暁(数週間から数ヶ月後)に記事することが多いのですけれども、今回のものはそうした基準からするとかなりスピーディーな仕上がりです。
 この間の味噌漬けの食材に関して思索を巡らしている内に、長芋のお漬物に思いが及びました。過去に食べたかどうか記憶が薄いのですけれども、長芋の糠漬けは良く仕込みますけれども、味噌漬けも恐らく間違いのないところでしょう。しかしふと思いついたのはわさび風味に仕上げてみるということ。早速仕事上がりに八百屋さん巡りをして程好いサイズの長芋をゲットしてきました。
 長芋というのは、子供の頃から長い間苦手な食材の一つでした。というのも、初めて食べたのは小学三年生頃、母親が拍子木切りにしたものに三杯酢を掛けて出してくれたものでしたが、ワタクシは基本的にあまり酢っぱいものは不得意なので、最初の印象が悪かったのです。しかも、ワタクシの母は元々料理が苦手で(その後伝え聞いたところによると、ワタクシが成人した後に料理教室に行ったそうでかなり上達したようです)、バリエーションを知らないのか、そればかり出されるのに辟易してすっかり苦手になっていたのです。その後25歳頃に長芋の糠漬けに出会うことによって苦手意識がなくなってからは、すりおろしたものに出汁と醤油で味付けしたトロロや、マグロに掛けて『山かけ』、千六本に切ったものに軽く醤油をかけてわさびと海苔を添えて頂く料理など却って好物になってきたのです。
 長芋の特徴は何と言っても、その粘り気(山芋よりはゆるいけど)と水分の多さ。山芋のねっとりした粘り気に比べると粘り気は薄い分漬物には向いている気がします。今回はそれをそのまま漬けるのではなく、わさびの風味をピリッと利かせてみようと思いました。
 レシピを探せばウェブ上で幾らでも出て来るのですが、自分で仕上がりを考えて作ってみるのも楽しいものです。最初に思いついたのは長芋の白さを生かして白いままに塩で漬けるということ。白醤油があれば白いままで風味が付くのでベストの予想ですけれども、あいにく切らしているので、もう一つ薄口醤油のバージョンも考えられます。とりあえずほぼ同量の長芋を千六本に切って密閉容器に二つに分けて入れておきます。
 塩バージョンは塩だけで和えると粘ってしまいそうなので、魚の干物を作るときのように『立て塩(海水程度の塩水)』を作って75ml注ぎました。刻み昆布も入れておき、チューブのわさびを3cmほど入れてお仕舞い。
 もう一つはカツオ節と昆布の出汁100mlに大さじ1程度の醤油(濃口)を入れてみました。先に述べたように薄口醤油を考えていたのですけれど、味を見てみるとこれだけで充分な濃さになってしまっていたので、濃口と薄口のハイブリッド作戦は失敗、今回は濃口一本で行きます。わさびは塩バージョンと同量の3cm。

 一晩空けて見てみると、もう漬かっています。塩の方は予想とは違い濃い目の塩分だったため、そして水に刻み昆布だったのであまり甘みがなく塩辛い仕上がりになってしまいました。なのでいつも凍らせてある鰹+昆布出汁の氷を一個(50ml程)入れて半日おきました。
 醤油の方は出汁が効いていて醤油辛くもなくいい塩梅です。漬かることによって長芋から水分も出ているようです。とりあえず一晩経った段階では漬かることは漬かっていますが、わさびの風味が弱いようなので、両方にわさびを追加しました。
 次回作るときには、塩バージョンには立て塩ではなく、直で塩を振り重石をするか加減して塩を振るほうが良さそうです。またわさびは香りが飛んでしまうようなので、やはり本わさびを買って来て刻んで入れるというのが理想なんですけど・・・原価を考えると非現実的ですね。入れるタイミングが課題となりそうです。