実に久し振りの横須賀にて・後編

立ち飲み ヒトモト

 ドブ板通りを後にして、横須賀中央の駅の方へ戻りながらさてどこへ行こうかと当てもなく酒場を探します。駅前のメインストリートの左側は大体判ったので、アーケード街の入口を過ぎたあたりで通りの向こう側へ渡ることにします。さいか屋西友の側ですね。

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 通りを入るとお店が色々と出て来ました。ゆったりした空間の酒屋さんの隣りには、上の写真のような小ざっぱりしたモダンな立ち飲み屋さん『ヒトモト』さんというお店があります。少し歩き回って来たので、座りのお店が良いので今回はパスしましたが、通りの向こう側に目をやるとこちらも『鳥ゆう』さんという立ち飲みのお店。 
 横須賀って立ち飲みのお店が多いのでしょうか?そんな気にさせられます。うーん、こちらのおみせみじつにそそられますねぇ(><)。後ろ髪を引かれつつも、どこか良さそうなお店はないかと一つ目の辻に立つと、これまた飲み屋さんやパチンコ店が居並ぶ通りに出た事が判りました。

 横須賀というとこの方が以前に自ら乗り込んで、スカホ*1のレポを敢行した記事を覚えております。とその時のお店は何だったかと、お仕事中とは思いましたがぽぱいさんに電話すると、目の前の良さそうだと目を付けていたお店が正しくそのお店でした。天国(てんくに)さんというお店です。 
 もう一軒『モウリ*2』というのがぽぱいさんのおススメで、天国さんの並びで、『ピンクの店の隣り』とのヒントをくれました。見回すとピンク色の看板のお店が目に付いたので、分かったつもりで電話を切るとそちらの方へ進みます。ピンク色の看板のお店は携帯電話か何かを扱っているお店で、その並びを探しても『モウリ』らしき名前のお店は見当たりません。ビルの一階で貸し店舗になっている場所もあったので、そこかなと諦めもう一度『天国』さんの前に戻りしばし探索を続けます。

 『天国』さんの向かい側にはこんなそそられるいかにも中華なお店がありました。『上海亭』さんというから上海料理のお店なのでしょう。『名物 うまい!! ジャンボチャーシューメン』と大きく看板に謳っているからには、相当な自信を持っているんでしょうね。チャーシュー麺というものを食べたことがない*3ので、想像するだけですけれどもその上『ジャンボ』がつくのですから、食べ終えたら満腹で何も入らなくなりそうですね。実際には気楽な中華料理屋さんなのでしょう。

 その『上海亭』さんの隣りにはもっと興味をそそられるお店がありました。もちろん吉野家ではなく『忠孝(ちゅうこう)』さんというお店で、立ち飲みもやっているとかですけれども、その佇まいといい、昭和33年創業と書かれた暖簾のくすみ具合といい、正にワタクシの好みにドンピシャ!^^b。

 消火栓の表示板などがあって、天国さんの側からだとあまり上手く全体が写せないなぁと逆の側に進みお店の反対サイドから撮影しようとすると、その先にぽぱいさんの言っていた『もーり』さんの看板が偶然見えました。『ピンクの店の隣り』というのは『ピンク(映画)の店の隣り』ということだったようでこれまた凄い佇まいの金星劇場というのがあり、その劇場の隣りにしっかりと『もーり』さんがありました(喜)。
 喜んだのも束の間、肝心の灯りもついていませんしシャッターまで閉まっています。これは、と思ったのですけれど近付いてみるとこの日が臨時休業だったのか定休日なのか定かではありませんがとにかく休みで、折角見付けたというのに意気消沈。気を取り直して向かう先はやはり先程の『忠孝』さんでしょう。

 これは帰って来てから判ったことなのですけれども、『忠孝』というお店はこの辺りにもう一軒あるようで、ググッたりして検索するとそちらの方がヒットするようです。まぁワタクシの旅、街歩きのスタイルとしてはあくまでも下調べをせずに野生の勘を信じて(苦)お店を探し当てること、ですから自分のアンテナにピンと来たお店に入るだけなのです。
 少し変わったスイング式のドア*4を開けて中に入ると立ち飲みと書かれていても、立ち飲みのスペースは極僅か。普通にカウンターに掛けることにしました。
 昭和33年創業と書かれている割りには中は意外なほどにそれほど古びておらず、ブリキの波板でグルリと囲われた壁がなんだか少し前に流行った昭和レトロチックな内装です。スタッフも焼き方の年配の男性を除けば、メニューのギャル文字を書いていると思われる女の子が何人か、耳にピアスをした男の子が後からやって来て一品料理を拵えている所に、女の子が絡むという一風変わった雰囲気。ホッピー¥430を注文し、メニューを端から良く読みます。ホルモンと焼き鳥のお店かと思っていたらどうやらホルモンというのは焼肉のように焼いて食すようです。

 一応サービスタイムで焼き物は一本¥90(例外あり)だということですが、一種類につき2本のシバリ(決まり)があるのでこぶくろだけにしました。一人で複数の種類を楽しもうと思うとやや不便ですね。『備長炭使用』と書かれていましたが、あまり違いが判らず。でもこのお値段では文句は言えないはず。ワタクシはどうも、こぶくろや砂肝といったこうしたコリコリとした歯応えのあるものを好むようです。









 こぶくろをつまんでホッピーを飲んでいると待望のレバ刺しがやって来ました(嬉)。パセリが付いてきたのは初めて見ました。赤いレバーに対して緑のパセリですからね色合い的にはマッチしているとはいえます。一軒目なのでホッピーは一杯だけにしてユックリ飲んでも、遠い地にいると考えると少々気が急きます。愛想もなく眉のないオネーチャンにお会計を頼むと¥1,230でした。*5

 お次に向かうのは、やはり『天国』さんですほんの数メートル先ですから訳もありません。移動とはいっても殆んど道路を渡るだけのようなもの。縄のれんをかき分けて扉を開けながら中を覗くと居ますいます、お客さんがワンサカおります。店内は逆Jの字型といえば良いのでしょうか、長いカウンターが折り返す形になっていて、右手の方には座敷のようなスペースもあります。メインのカウンターの奥の方には少し席が空いているようでしたので、調理場のある奥に進みます。活気のある居酒屋さんがもつ独特の雰囲気でこの店は当たりだなと直ぐに判ります。ここでもホッピーを頼んでしまいました。スカホということで焼酎が多いのを警戒していたのですけれども、『氷り入れますか?』のお兄さんの声に『入れないで』とつい頼んでしまいます。思ったほど多いとは思えないほどの量で既にアルコールが入っていると見抜かれていたんでしょうか?

 メニューを眺めると先程のホルモン系とはうって変わり、魚系も豊富に揃っているのですが名物は『手羽の唐揚げ』¥570だそうです。実はメニューを見ながら一品の料理の値段が思ったほど安くないので何を注文しようか迷っていたのですけれど、他のお客さんに運ばれて行く料理を見て、この一品だけにすることにしました。もう一つ唐揚げはありましたが値段も一緒でどういう違いがあるかは判りませんでした。今度こちらのお店に行く際には、一人でではなく複数で訪れるのが良さそうです。お新香が運ばれて行くのを見るとチョッとした刺身を載せる角皿にキュウリと大根がビッシリ載っていました。あれだけで二杯は飲めそうな雰囲気。
 既に良い感じのお客さんも多くあまり写真を撮っていても場にそぐわない感じがして殆んど撮りませんでした。
 名物の唐揚げは手羽をぶつ切りにして唐揚げにしたもので、下味は殆んどついておらず醤油を垂らしてもいいかも。これを一皿食べるともう満腹になりお酒も進まなくなりそうなので早めながらお会計。まだまだ良さそうなお店が一杯あるのに立ち寄って行くことも出来ないというのは贅沢な悩みというところ。

 最初に見掛けた『源氏』さんはすっかり忘れてしまっていましたが、『中央酒場』さんも暖簾越しに覗くととても良さそうなお店でした。

っていうか隣の『お太幸』さんも、手前のお店もどこも良さそうでこれは今後また是非立ち寄りたい街となりました。横須賀、恐るべしです。

*1:横須賀ホッピーの略。通常のホッピーよりも量が多いそうで

*2:電話で聞いただけなのでこのように聞こえたけれど正確には『もーり』というお店

*3:チャーシュー自体好きではないため

*4:片側を押すともう片方が自動的に手前に引かれて入った後バネと重りの仕掛けで自動的に閉まる仕掛けがされているのですけれども、どうも不具合で補助的に閉めてやらないと完全には閉まりきらなかった

*5:会計の一円単位は切り捨てられているようでした。