2009年〜2010年静岡への旅〜焼津の夜〜

熱海にて電車の出発待ち

 熱海を後にした我々7人は16:38発浜松行きの東海道線に乗り込みました。もう一つ前の電車に乗ることもできたのですが、これから二時間ほどの旅程で既に来ていた電車に空席がなく座れないのはキツいので、一本遅らせたのでした。作戦通り始発電車で空席を確保した我々は、それでもボックス席ではなくお見合いシートで、ふた手に分かれて着席。ここからはどう足掻いても二時間近くは掛かるのでゆっくりお酒を飲んで眠りこける人、何事かしゃべりながら時間を潰したりと思い思いに過ごします。静岡までもかなりありましたが、そろそろ座り続けるのも飽きてきたなぁと思い始めた頃に目的地の焼津に到着です。

 今回泊まるT君のご実家はまだ先の藤枝ですが、焼津に良い居酒屋があるとのことでそこを訪ねるというのが今回最大のイベント。しかし車中予め電話して予約でもしておこうと思ったら、かなりの人気店で予約で満席とのこと(泣)。藤枝で飲むか焼津にするかとかなり悩んでいましたが、とりあえず焼津に来てしまいました。
 焼津といえばワタクシの連想するところでは、遠洋漁業の港、そしてワタクシの大好きな日本酒の『磯自慢』がある街でもあります。しかし、静岡出身組によれば何もない街(夜飲むという意味においてはという意味で)だよ、ということでまずは駅前のターミナルを越えたところに見える居酒屋(村さ来)の明かりの方に歩いて見ます。何軒かお店はありますが、普段行き慣れた東京都心部と較べてはいけません。それでも何も無いと散々吹き込まれてきたので、チェーン店以外に居酒屋さんを見つけると意外にお店があるように感じてしまいました。
 『ひやかし』という地物の魚を食べさせてくれるような居酒屋さん。外のメニューボードを見るとなかなか悪くなさそう。店内をMさんが実際に入って見ると7人でも入れそうだということで、ここは要チェックです。

 更に進んで大衆酒場も出て来ました。意外とあるじゃないか、というのが正直な感想です。*1小じんまりとして良さそうなお店です。一人で旅に来ていたのならまず間違いなく訪れているであろうお店です。手前には先程のお店もありますし、その横には
〆に良さそうなラーメン屋さんもありました。
 その先にT君の地元の友達の表具屋さんがありそこで顔を出ししばし談笑の後先程の『ひやかし』さんへ戻りました。もう一本大通りがありましたがそちらはシャッター商店街だそうです(寂)。

 少しの間にお客で満杯になっていないか心配でしたが、それも杞憂に終わり無事に席を確保出来ました。やはりこうして外で飲むよりも年末に親戚が集まりそれぞれのお宅で飲むというのが主流なんでしょうか?いずれにしても寒風の吹きすさぶ中路頭に迷うこともなく良かった良かったと一安心。

 これが『ひやかし』さんのメニュー。オーソドックスな居酒屋メニューから、カツオの様々なメニュー、黒はんぺん、サバこうじ等馴染みのないご当地のものと思われる料理まで揃っております。この中から各々好きなものを注文します。

 飲み物は比較的早く出たんですけれど、他のお客さんとかち合ったようでタイミングが悪く料理の出るのが遅かった〜。刺身盛り¥1,000、これは一人前です。これを二皿別盛りにしてもらいました、7人ですからね。さすがは漁港の町、魚は良い物を使っています。マグロ以外は大当たりです。つまの海草も実に良い具合でした。

 これはメニューを見て必ず頼まねば、とピンと来た一品、サバこうじ。サバの糀漬けですね。真っ黒に見えますが味噌漬けや粕漬けというものはやはり焦げやすいものなのでこれもそうなのでしょう。予想よりも全然塩辛くなく皆に大好評でした。これは是非また食べたいものですね。というか作り方を知りたいぐらいです、こんどウェブで調べようっと。脂もしつこくなく非常に美味。









 生牡蠣¥300/ヶ。生牡蠣というのは牡蠣殻に入っていて見た目では豪華ですが、食べると意外にあっけなく終わってしまうので虚しさの残る一品としても有名ですけれども(?)、これは違いました。一般的には牡蠣を殻から外したものをそのまま提供するのが多いと思いますが、こちらのは牡蠣の殻を器に使っているだけで、剥き身の生牡蠣を3ヶ*2入れて一人前、これで¥300なら文句なしですね。却ってポン酢の方が足りないぐらいでした。まぁそれはご愛嬌というもの。


 かつおのはらも。ほぼ全国を旅した経験から何となく予想はつきましたが、高知では『はらんぼ』と呼ばれている鰹の腹の部分ですね。鰹をおろす際に内蔵を取り去ったりする時に邪魔になるので、切り落とされて捨てられがちな部分ですが、こうして焼いて頂くと非常に美味。以前食べたものはもっと脂ギッシュでしたが、今回のものはかなり筋肉質でなにか魚を食べているというのではなく肉、それも内臓系の肉を食べているかのよう。これも皆に好評でした。

 黒はんぺんのフライ(これは初めて見た)、ちくわの磯部揚げと食べ進み、どういう話の展開かある時点から一切英語を話してはいけないゲームが始まりました。これは英語が普段いかにカタカナ英語としても会話の中に浸透しているかということが判りますが、違反してもツッコミを入れる側もアウト!と言った時点で負けなのです。なかなかスリルのあるゲームで、それまで飲んでいた日本酒の『磯自慢』を負けた人は浅い取り皿に注いで飲まされます。ということでそれまであった開封されていた一升瓶の『磯自慢』が瞬く間に空いてしまい、時刻を区切ってゲーム終了。

 かつおのへそ、といわれる鰹の心臓。生臭みもなく筋肉質でこれもなかなかの一品。もう少し塩っ気があっても良かったですかね。これだけ食べて(まだまだ頼んだけれど)飲んで、気がつけば3時間が経とうとしていました。そろそろ電車に乗って藤枝に向かうことにしましてお会計してもらい、一人あたり¥4,500と内容からすれば上々のお店でした。どうもワイワイと騒いでスミマセンでした@『ひやかし』さん。



 駅まで辿り着き再び電車に乗り込みこの日最後の青春18きっぷの使用。管轄がもうJR東日本ではなくJR東海になっているのでSuicaは使えず、『toica』というのがこちらの方では一般的なようです。大阪方面はイコカとか全国では色々な呼称でこうしたカードがあるのですね。再び電車で移動した我々は三つ先の藤枝に無事到着、タクシーに分乗しT君宅へ移動しました。

*1:まぁしかし単身赴任でここに来てしまったら一週間で飽きそうですけれど。

*2:バラつきはありましたが最多で4ヶのものもありました