2009年〜2010年静岡への旅〜藤枝駅周辺・焼津に買出し〜

茶畑は静岡ならでは

 結局藤枝駅に電車で移動した後、我々はタクシーに分乗しT君宅へ移動するわけですが、そこはまだ皆若いものですからもう少し飲み足りなくてコンビニにタクシーを横付けしその晩飲むお酒やつまみなどを買い込んでからT君宅へと向かったのです。
 T君宅ではご両親が温かく迎えて下さって・・・という訳ではなく、ご両親はお二人でどこかご旅行に行かれていて、誰もいない(妹さんも東京に出ているらしい)お宅に、ガヤガヤとお邪魔するという筋書きです。ですから親御さんに対して気を使わなくて済む代わりに、全てを自分達でこなさなければならないのです。まぁ、設備だけ整っているバンガローを借りてキャンプするようなものです。冷え切った部屋のまずは暖房を入れて電気カーペットの上にみんなが集まります。何だかんだと言いながら暖まって来た部屋で再びお酒を作って飲み、2時頃には就寝。二階の部屋とリビングに分かれて雑魚寝です。
 翌朝、31日大晦日。どういう訳だかこうした時には普段早起きもしない人が寝付かれないのか、早起きをしたりで普段バーテンダーということで深夜、否早朝まで起きていることが多いらしいMさんが一足先に起きて来て、家の周りを散歩するとかでそのせいだけでもありませんがワタクシもつられて目が覚めてしまいました。人それぞれ思い思いの場所に寝ていて布団を頭までスッポリ被っている人や、ホットカーペットの上で干からびてしまうんじゃないかとこちらが心配するぐらいに寝ている人、面白いものですね。
(T君宅前の茶畑。静岡といえばお茶ですね)
 とりあえず起きて、キッチンの設備と冷蔵庫の中身をチェック。ご両親も旅行に行くという前提で、冷蔵庫の中身はあらかた片付けられていて見事なぐらい空っぽ。男子学生の冷蔵庫並みの潔さで、発泡酒だけが大量に揃えられていました。野菜室を見ても使い残しの白菜とキャベツぐらいで、たまねぎだけは5ヶほど丸のままありましたが。
 ということでキッチンでガチャガチャやっていたワタクシのところに起きて来たメンツが集まります。その時点ではざく切りのキャベツと白菜で味噌汁は出来ていたのですけれども、昨夜買って来たカブのお新香と梅干ぐらいしかおかずがありません。鳩首協議した結果T君達が近所のスーパーまで買出しに行って来るということで決まりました。ご飯はこのお宅ではご両親のお二人しかお住まいになっていないので炊飯器もかなり小さめの容量しかなく、ワタクシにとっては普段通りですけれども鍋で炊くことにしました。困ったのが計量カップが見当たらず、手持ちのグラスを利用し、米を計量した後、同じグラスで水分量を1.25倍計量するという手法を採りました。
 味噌汁を作る時には、出汁をとろうとして昆布やかつお節を探したのですが、どうにも見つからずこちらでは『ほんだし』を使っているようです。まぁそこら辺は臨機応変に合せて行かなければなりません。
 結局スーパーへの買出し部隊の買って来てくれた食材を使いできたメニューは

  • 焼き魚(鮭の切り身・甘塩)と大根おろし
  • 出汁巻き玉子(関西風で甘くないもの、ネギ入り)
  • 味噌汁
  • 納豆
  • お新香
  • 梅干

 といった完全なるワタクシ好みの和定食。まぁ作っている側の好みが色濃く反映されていますね。というか前夜結構飲んでいるしサッパリとしていて和食という選択は結構好評でした。ただいつもワタクシは小人数分は作り慣れていますが、これほどの大人数(昨日の話には出て来ていませんでしたが、T美ちゃんという藤枝在住のT君の同級生も来ていて、起き抜けにM越さんが帰ったにしても7人分の朝食)の分を作るという経験は初めてでしたので、とてもいい経験になりました。ひとり当たり0.5合の米をと自分の普段の計算で炊いた米はあっという間に無くなったけれど、おかずも残り過ぎることもなかったようで一安心。

 食後は見るともなしにTV(ワンピース)を見ながら、今日どうしようか?との誰からともなくの問い掛けに、色々な案が出ましたがここに居ても仕方がないからと、ひとまず出掛ける用意をして家を出ました。
 前夜暗くて全く判らなかったけれど、玄関を出たところには見事な茶畑が山の斜面を利用して作られていました。こういうのを見ると静岡に来たなぁと実感します。歩いて数分のところに牛がいるから、と来る前に吹き込まれていたので早速見に行くことにしました。ホントにこんなところに?と思いつつも坂道を上がって行くと牛小屋が出現、物珍しそうに牛を見る我々を物珍しそうに牛達が鼻息荒く柵の向こうから流し目で追いかけます。素早い動きはカメラが追いつかずブレ気味の写真を量産しただけの結果となりました(恥)。

 牛小屋を離れると近くのバス停まで歩きます。牛小屋とバス停からすると家が低いところにあるので、一旦谷に下りて再び坂を上がるという行程で、バス停に着いた時は息の上がっている人も(笑)。バス停で時間をチェックすると、次のバスが約二十分後。スーパーに隣接したバス停で、スーパーの駐車場にはタクシー乗り場も併設されているので、そこでタクシーを呼んで二台に分乗した一行は藤枝駅に向かいました。到着した時も思いましたが、事前に予想したよりも遥かに近代的な建物でした。枝ですからテーマカラーは当然の如く藤色。パープルロードと名付けられ、駅の南北を自由に行き来できるように高架になっています。
 タクシーを降りた我々はとりあえず、T君がおススメだというラーメン屋さんへ行ったのですが、年末年始の休みに掛かってしまっていてシャッターは無情にも閉まっています。*1そこで、駅周辺には他になさそうなのでとのT君の判断で南口に行ってみることにしました。

 南口ターミナルタクシー乗り場付近。以前は北口の方が栄えていたそうですが、今は区画整理され整備された南口の方が勢いを増しているそうです。タクシー乗り場の向こうに気になるお店を発見。

 立ち飲み屋さんで『ちょい飲み』というお店。残念ながらこの日は休みのようですが藤枝駅前にはチェーン系の居酒屋しかないとのT君情報にも拘らずこうしたお店を見つけると、藤枝で一晩飲んでみたいと思いました。揃っているメンツがメンツだけに、昼からこうしたお店で飲むのもアリ、だったんですけれども営業していないのがつくづく残念。 駅前ターミナルの向こうに見えたアピタの方へ移動しながら昼ご飯の食べられそうなお店を探しながら歩きますが、それぞれ好みが違うし6人も居れば*2まとまる訳がありません。その上、年末ということで閉まっているお店も非常に多く、先程タクシーでやって来た時に通りすがりに見掛けた蕎麦屋さんに行くことにして再び北口へ向かいました。

 ここでM越さんから連絡が入り車でやって来たとのことで合流。北口のターミナルから程近くの蕎麦屋さん『蕎麦蔵』さんへタラタラと歩く一行。先程タクシーで通った時に繁盛しているなぁと思っていたら他に営業しているお店がないので皆そこへ集中しているのが実情のようです。しかし辿り着いてみるとなかなか趣きのあるお店です。写真がないのは何とも残念。
 小一時間ほど歩き回ったせいで、実際にはお昼の閉店時間の14時近くに入って、お店の中はほぼ片付いた感じでしたが快く迎え入れてくれました。

 鴨南そば、天もりなど思い思いの品を選ぶ一行ですが、ワタクシはいつものようにもり蕎麦を二枚。美味しくなかった時はダメージが大きいのですが、美味しかった場合に大もりだともう少し食べたいなんてことになりかねないし、もし追加したとして待っている間に満腹感に襲われて食べられなくなったら、目も当てられないので最初から二枚頼むことが多いのです。二枚に分けられた蕎麦は一枚を片付けている間にやはり少し乾いてしまいました。*3
 蕎麦自体はあまり野性味を感じさせない中の芯だけを使ったタイプのようで蕎麦の香りよりも喉越し重視でしたが、汁の美味さは唸ってしまいました。食べ終えてから店の外で、何人かに感想を聞きましたがあまり蕎麦の香りがしなかったというのも、芯の部分を使う更科タイプの蕎麦だったせいだと思います。個人的にはかなりの満足点でした。蕎麦湯も最後の客(入店した時のお客さんは既に帰ってしまい我々が貸切してしまった状態)だったので、釜の湯が濃くなっていたのか濃い状態になっていました。これはこれで良いですね。混むのを嫌ってあまり早く蕎麦屋さんに入るとこうした蕎麦湯に出会えないことが多いものです。

 蕎麦を食べ終えるといよいよワタクシの楽しみにしていた『焼津さかなセンター』へ買出しに参ります。今夜(大晦日の夜)には鍋をやるということでそもそもこの静岡行が計画された経緯がありますし、こうしたところを訪れるというのはワタクシのメインイベントでもあります。一台しか自由にならない車ですので、焼津さかなセンターへ行く班とゆっくりする班とに分かれてもちろんワタクシは行きますよ〜♪
 焼津さかなセンターはやはり年末年始の準備で混雑しておりましたが、ザックリ総括すると売れ行きの良いマグロ、カニ、海老重視でその他の食材に関しては市場の関係もあるのでしょうけれどあまり揃っているとは言えませんでした。車で移動しながらスーパーでも他の食材を調達し帰宅。ゆっくりする班は既に帰宅して暖かい部屋の中でチビチビとマッコリなんかを飲んでいました。

 市場組を中心に早速鍋の準備。この日は市場で見つけた福袋に

  • イカ
  • エビフライ
  • マグロ(赤身、ビントロ)
  • ネギトロ

といった冷凍の食材が入ってかなり破格の値段がついていたのでそれをゲット。蟹もズワイガニの足を格安で仕入れて来て鍋共々調理。刺身盛りは冷凍物を使いかなり解凍に苦戦しましたが何とか形にしましたが・・・。
 鍋は辛口のチゲ鍋にして概ね好評のようでした。宴は2時近くまで続きましたがまたしてもワタクシは調理で手一杯。こうしてM越さんのコネで磯自慢2種類(大吟醸純米吟醸)の2本を都合してもらいワタクシ的に大満足の宴となりました。

*1:朝ご飯のネタの後にすぐラーメンのようですけれども、実際には朝ご飯の後マッタリ(グズグズとも言う)としていたので食べて既に三時間ほど経過していた

*2:この時点ではM越さんが一旦実家に帰って車を調達してくる手筈になっていて、T美ちゃんも朝ご飯の後に帰宅していた

*3:これはいかんともしがたい事なのですけれども。