そしてふたたび、築地へ

〆の小肌

 〜本当は昨日の晩に『にこけん』の新年会があったのに先週末の濃い日々がまだ続いているので記事は続きます〜
 サプライズゲストであったHさんと共に赤羽・王子と巡っておでんと23区唯一の酒蔵の『丸眞正宗』を痛飲した後、小岩へ移動しマッサージを受けました。小岩のタイマッサージのお店は良心的で、60分でお願いしていても実際にはコースがひと通り終わらない限りその手を止めることはないのでこの日は実際には70分ほどほぐして貰っていたような気がします。そんな訳で19時から始まる新年会にも拘らず錦糸町駅に着いたのが丁度そのぐらいで一旦帰宅し、前日に煮付けておいた金目鯛を器代わりのティファールのフライパンに入れてラップを掛けて、新年会の会場のお店へ急ぎました。もう既に5・6人ほどが集まり我々の到着後も続々と集まりました。知った顔も知らない顔も、また普段あまり話せなかった人とも話せて良かった(嬉)けれど、後半は次第に酔っ払ってきてしまいました。そりゃ、そうです、この日は昼間から日本酒を飲ってしまっているのですから。零時を迎える前に、翌日のこともあるしとHさんを引っ張り出して二人は両国駅前のラーメン屋へ消えて行ったのでした。
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 翌朝、それほどアルコールが残ることもなく、ただHさんがワタクシの自宅に泊まったので久し振りにワタクシは部屋の中でシュラフで寝ることになり、それだけが身体の痛い原因となりましたが。
 9時ごろには起きて身支度を整えると荷物を持って大江戸線両国駅に向かいます。前日は行くことの叶わなかった築地へと向かうのです。
 築地市場駅に辿り着くと、改札のところには貼り紙がしてありました。
『本日は市場は休みです』

・・
・・・。
(((;゜Д゜)))ェェェェエエエエエ?エ゙〜マヂデスカΣ( ̄ロ ̄lll)
 ともあれ貼り紙は見なかったことにしつつも、コインロッカーに預けようとしていたキャリーバッグはとりあえず持って行くことにして、地上に上がるとどうやら張り紙は本当のようで普段そこいらに歩いている通行人の数からして違います。いやぁやってしまいました、よりによって月に何度かしかない市場の休業日に来てしまったのです。

 場外市場には我々同様市場の休日にやって来てしまった敗残者がそこかしこにおります。たまにしか来れない人たちは余計悲惨ですが、最近特に多いと言われている外国からの観光客は気の毒ですね。それでも場内が完全に閉まっているのとは対照的に一応場外の方は営業しているお店も普段より少ないとは言えありますからそういった所だけをピックアップしてみるのもまた一興(かなり負け惜しみですが)。乾物系はそれでもかなりの割合で開いておりましたし、飲食店はむしろ普段より積極的に売り込んでいました。
 ワタクシは前々日見つけておいたお店を写真に収めて満足。間口が狭いながらもこの市場では貴重なコーヒーショップ。中に入っていないので判りませんが意外と洋食をやっているのかも?あいにくこの日はお休み。

 今回Hさんがこだわったのは、あら汁を飲みたいということ。地方の漁港近くの市場などでも良く目にするのですけれども、探してみると意外にこれがないのです。あら汁単品というより海鮮丼や寿司とセットでというのが一般的のようです。メニューにすら載っていないのが残念。
 ということで作戦変更してあら汁だけにこだわらずにむしろどこか良さそうなお店を探します。呼込みのオネーサン達に何枚も割引券を手渡されながら吟味すると各店で海鮮丼や寿司の値段もピンキリ。3千円オーバーのものから、通常昼ご飯に使う金額の何倍もの値段の設定のものが多く、観光客目当ての強気な価格設定。そんな中で良心的な値段設定のお店が目を引きました、『鮨處 八千代』というお店です。むしろ周りの価格からは安過ぎるぐらいなので不安も過ぎりましたが、失敗したとしても怖くないぐらいの値段です。 午前11時の開店を待って中に入ってみました。もちろん口切りの客ですからどこへでも好きな場所に席を決められるのですがカウンターに席を構えました。ホールのオネーサンは飲み物から注文を聞き、メニューを広げてサッサとセットメニューを勧めようと注文を取りまとめようとするのですが、こちらは別に急いでいる訳ではないのでゆったりと構えてまずは燗酒を大徳利で頂いて、刺身を頼むことにしました。上の写真はその最初の〆鯖と平目。その写真を撮っても良いか?と板さんに聞くと春風亭小朝みたいな声で快く応じてくれました。板さんも乗り気で写真を撮るならもっと綺麗にすれば良かったかなと気合が入ります。次に選んだ寒ブリとカンパチはどちらにしようか迷っているとハーフ&ハーフで盛り付けてくれました。脂の乗っている寒ブリと歯応えが印象的なカンパチの好対照が楽しめました。

 魚だけをつまんでばかりいると経済的にも悪化しそうなのでセットの寿司を注文しました。サービスAセット¥1,050(税込み)ということですが、トビッコ、イクラ、鯵、イワシ、サーモン、イカ、マグロ、玉子焼き、そして
 丸ごと一本の穴子の握り、汁椀がついてこのお値段なら納得、いやむしろ他店でセットだけを注文して同じ値段を払ってもここまで注文した刺身類を追加しても安いというものです。イカは隠し包丁を入れてあるのはもちろんですけれど柔らかく甘いので種類を聞いたところ剣先イカとのことでした。昔はイカなんて、とあまり好きではなかったのですが、最近は好みにハマって来たようです。
 結構ここまででお腹も一杯になってきたのですが、もう一つ何かつまみたいということで、ワタクシは寿司屋に来たらいつもの〆の一品、小肌をチョイス。小肌はいなせな江戸前を代表する寿司ネタの一つで、関西ではあまり召し上がられていないようです。関西出身のHさんにも向こうに戻る前に是非とも味わってもらいたいと考えたのです。Hさんがチョイスしたのは板さんのおススメの金目鯛の炙りの握り。脂が乗って旬の金目鯛をバーナーで炙り脂が溶けて身がレア状態の、思い出しただけでまた食べたくなりますね♪



そして最後にはお目当てのあら汁を。この日のあらは鮭。あらとは言いつつ結構身がしっかりついていて大振りのあらが二つ入っておりました。味噌は長崎の麦味噌を使用しているとのことで、柔らかな甘味が特徴。味自体はそれほど濃い味にはしていないそうです。地方やイベントで頂くあら汁なんかは結構濃い味も多いですから意外に感じました。これだけ食べて飲んで(お酒は小徳利換算3本)¥6,500ほど/2人。
 お会計を済ませるとここから地下鉄移動は面倒ということもあり東京駅までタクシーに乗り込むHさんと別れ帰宅したのでした。