浅草☆昼歩き2〜伝法院通りから六区〜

ひさご通り

 さて串揚げの立ち飲み『光家』さんを出たワタクシは伝法院通りに参ります。伝法院通りと仲見世の交わるところで右を見ると行き交う人も非常に多いですねぇ。流石は東京を、また日本を代表する観光地です。久し振りなので立ち止まってカメラを向けてみました。

 正月ほどの賑わいではなさそうですが、それでも日曜日ということもあってかなりの賑わいですね。この日は非常に風が強く冷たい日でしたが、そうでなければもっと混雑の度合いが高まっていたのかもしれません。

 更に伝法院通りを進んでみます。そもそもなんで伝法院通りというのか、伝法院とは何かという漠然とした疑問が頭の片隅に忘れ去られていましたが、不意にその存在をアピールして参りました。

 土産物屋が軒を連ねる伝法院通りの切れ目にある門。ひっそりとしたその佇まいは、その存在を人々の意識から切り離そうとする意思を持っているかのよう。改めて見るとここが『伝法院』という場所のようです。調べてみますとここは現在非公開ですけれど、立派な庭園があり、浅草寺の本坊だそうです。関東大震災や戦災からも免れた、とのことで公開されれば一度見てみたいものですね。

 もう少し進むと、『煮込みストリート』が出現します。当ブログでは『煮込みストリート』のキーワードで辿り着かれる方も多いようです。ここは煮込みを愛するニコミストの聖地(?)といいますか、最早一大観光地になっておりますね。道の両側にビッシリと100m程でしょうか、煮込みを売りにした飲み屋さん・飲食店がしのぎを削っております。同じ業種なのでどこに入れば良いのか迷い出したらキリがないので、事前に調べていくか、適当に飛び込んでみるのがヨロシイかと。

 樽生ホッピーを売りにしたお店を発見。しかし一杯¥550というのは、やや高いですね。ホッピーというのはかつて庶民がビールが高級品で飲めないときに代用品として作られたという経緯を考えるとこれはいささかいかがなものか?という疑問は否めません。もっともこの辺りでは生ビールがそれ以上する可能性が高いのですけれども。

 『煮込みストリート』の切れ目まで歩いて振り返ってみたところ。どのお店もお客さんで満杯のようですね。冬場は寒いので店頭にビニールを掛けてその中で飲めるように工夫されています。寒いとボヤキながら飲むのがまた楽しいものです。

 『煮込みストリート』からチョッと離れたところにやはり煮込みの『正ちゃん』があります。ここは元坊さんお気に入りのお店ですね。今回アタックしてみようかと思いましたが、いつものように混んでいるようなので、今回も敢え無く撃沈。いつか再挑戦してみましょう。ここら辺から不意にギャンブル色が漂ってくるような気がします。『かづちゃんの店』や『アリスの店』など競馬新聞片手のお客さんが一杯引っ掛けながら競馬中継に夢中になっています。

 もう少し進み、突き当りを左に折れるとひさご通りの入り口が見えます。その入り口には、やはり本で読んだことのある『三ちゃん』。ここも一度入って見たいとかねがね思いつつも入ることの叶わぬお店。

 ひさご通りをはさんでその反対側に位置するところにあるのが、『びっくり食堂』今まで気が付かなかったけれどこれもまたワタクシの触覚にビビッと来ました。この辺りでは競馬中継はお約束ですね。メニューを見ると可もなく不可もなく、定番の食堂兼飲み屋さんといったところ。

 振り返ると浅草新劇場から連なる映画館、そしてロック座、その向こうには『すしや通り』の文字が見えます。そういえば最近映画を見ていないなぁとどんな映画が上映されているのか貼られたポスターを見てみますと

 日本残侠伝('69。主演:高橋英樹)、続・社長えんま帖('69。出演:森繁久彌他)、座頭市あばれ凧('64。主演:勝新太郎)などと往年の映画作品がずらりと並んでおります。他にも『男はつらいよ』も上映され、ファンには堪らないのでしょうね。ワタクシてっきり隣のピンク映画の印象が強かったので、こうした古きよき時代の映画が上映されているとは知りませんでしたね。

 スマートボール屋さんがあったりして、ここは一体いつの時代なのか?とタイムスリップ感も楽しめる場所です。少し前に浅草というのは江戸時代に歌舞伎の小屋を集めて一大娯楽街を作ったという解説がなされていたのですけれど、なるほどその流れを汲んでいるようですね。映画あり、ギャンブル(場外馬券売場)あり、そして少し足を延ばせば、かの吉原もこの地からはそう遠くはないのですね。

 そして、やはりここのメインといえばこちらでしょう(笑)。少し前にクスリ関係で逮捕され、芸能界から転身した某女性タレントが出演しているようで特別料金に設定されているようです。それにしても、この料金ではチョイと気安く観るという感覚では入れませんね。その点では歌舞伎の方が幅広い料金体系で一幕観たり、という愉しみ方も出来るようです。
 一度TVで見掛けたことがありますが、そのステージは地方に見られるような客とステージの間が殆んどないようなものではなく、見せる(魅せる)側とお客の側に明確な『間』というものがありライトアップから演出の手法まで別格のようです。

 さてさて、ひと回りして辺りの雰囲気を楽しんだ後は、ひさご通りに入って行きましょう。入り口の¥290のラーメン屋さん。かつて入った時に、混雑している割に、早く出て来てびっくりした覚えがあります。麺を啜りながら見ていると、どんどんとお客が来るので見込みで作っているようで、券売機で券を買ったお客にあてがっている様な客捌きに感心したのを憶えています。