鶴見三業地会からぶらぶらと・・・

中華・きそば タイガー

 念願のサンマーメンを堪能してお店を後にすると、その辺りをぶらつくことにします。それにしてもここ『鶴見三業地会』とはまた、ストレートなネーミングですね。

 街のいたるところにこのような表示板が掲げられています。三業地とはWikipediaによると、

三業地とは、芸妓置屋、待合、料亭(料理屋)の営業が許可される区域を指す行政用語で、花街とほぼ同義である。

花街は、芸妓(歌舞音曲で宴席に興を添える女性)屋などの集まる地域と、遊廓などの地域を呼ぶ場合がある。その昔、芸者への支払いが「花代」と言ったので、この名が付けられた。 第二次世界大戦GHQの政策により遊廓が廃止されたため、現在ではもっぱら芸妓屋などの集まる地域を指す。現在でこそ東京の花街は限られた地域にしか存在しないが、戦前には東京23区のうち、21区に花街が存在していた。

とあり、更に辿ると江戸の歓楽街には色里と花街があったそうです。

置屋はあくまで芸妓の抱元(タレントでいう所属事務所) であり、客を遊ばせる場所ではない

ので待合に客が訪れ、茶屋を通して芸妓(芸者・芸子とも)を呼ぶとか。待合では飲み物は出せるのですけれど

料亭(料理屋)との違いは、料理を直接提供しないこと(仕出し屋などから取り寄せる)、寝具が備えていること(芸妓や私娼と一夜を過ごすこともできた)である。

となっていて、要するに芸妓(芸者・芸子とも)を斡旋するところ:芸妓置屋、場所を提供するところ:待合、料理を提供するところ:料亭(料理屋)の三つの業種がそれぞれ相互補完関係にあり、それらが集まった歓楽街が花街と呼ばれていたものを、行政用語で三業地と呼ぶとのこと(ウーム、回りくどい言い方だ┐(´д`)┌ヤレヤレ)。売春防止法(1957年施行)制定以前は遊郭・色里というのもほぼ同義・同様の役割を果たしていたそうですけれど、それ以降は表面上は遊郭・色里は消滅してしまったので、三業地として花街が存続しているとのことです。フゥー(´Д`) =3
 お店を後にしてすぐに目に付くのはこうした飲み屋さん。炭火焼の『すずよし』さんと大衆料理の『福ちゃん』どちらのお店もやきとりを提供しているので、食べ較べてみるのも一興かも。こうした飲み屋さん、スナック、料理屋さんも多く存在する中、マッサージや風俗店といったお店の前にはコワモテのお兄さん方が呼込みをするべく立っているので、出来るだけ刺激しないようにシャッターを切ります。君子危うきに近寄らず、ですな。

 パブスナック霧子の部屋、ミス日本、スナックマダム、あなたのスナック花、やきとり源氏、パブしろ、仁川などなど思い思いのネーミングが素晴しいです。それにしても先程の『すずよし』さんと(富久寶:京都)『福ちゃん』(両関:秋田)もそうですが、霧子の部屋では(日出盛:京都)と看板に掲げられているお酒の種類が豊富に感じました。

 こんな様々なスタイルのお店が居並ぶ中、本格的な蕎麦屋さんがポツンと出現。『笹屋』さんというお店で、手打ち蕎麦を標榜していて異彩を放っています。残念ながらこの日は準備中で中は窺い知ることが出来ませんでしたが、本日は茨城産です、と表に貼り出しているぐらいですから、相当にこだわりのあるお店のようでこれは期待が持てます。実際検索してみると、別の日には『本日は会津飯豊産です』となっていたそうですから、これは一度入ってみないといけませんね。

 その笹屋さんから振り返って、反対の角にはこんなお店がありました。『地元漁師 網元の店 栄彩丸』さんというお店。『旬肴・東京湾魚介類・穴子料理』とはどれもグッと惹き付けられるフレーズではありませんか^^bこういうのに弱いんですよね、ワタクシは。

 今通ってきた道を振り返って。夜になったらまたぞろ妖しげなネオンや灯りに誘われてしまうのでしょうな、くわばら、くわばら。

 一旦京急鶴見駅前のベルロードまで戻り、先へ進むとこれまた良さそうなお店に出食わしました。『中華そば、生そば タイガー』さんです。先程のサンマーメンを食べる前に見つけていれば、間違いなくここに入ったでしょう。それほど求心力のある店構え。こうしたお店の中華そばというのは、今流行のものではなく、例の支那そばと呼ばれるあっさりしたものが予想されますが、大方間違いないと思います。うーん、このお隣りの喫茶&カクテルのフロレンスさんの佇まいといい実にいいですねぇ。昭和の歴史そのものです。



 商店街を子安方面に歩いていくとこれまたワタクシ好みの大衆酒場発見。やきとり鳥勝さん、おっとここでは夢の春というお酒が看板に書かれています。これは聞いたことないですねぇ、今調べてみると福島県は郡山の酒蔵で作られているようです。その向こうには韓国料理屋さんやタイ料理の『パサタイ』さん、そして第一京浜がもうすぐですね。




 更に進んで。これまたとり清さんという焼き鳥屋さん発見、と思いきやどうも様子が違います。看板こそ残っているのですけれど、実際の店舗はというとウェスタン調の外装のバーになっていて『銘酒 廉価 BAR』となっています。『Silver Rock』というお店のようです。もしかすると、これは全くのワタクシの想像ですが、親父さんの代は『とり清』さんで焼き鳥を売りにしていたのが、息子さんの代に替わり、洋風のバーにしてしまったのかも、と想像をたくましくしてみたり。それともただ単に以前のお店の看板を撤去せずにこちらのお店が入ったのでしょうか?そろそろお店の密度も低くなってきましたが、まだ道は続きます。