生麦にて・大衆酒場『トン幸』

トン幸@生麦

 花月園駅の写真を撮り終え、再び歩道橋を降りると線路沿いの道を南方向に歩きます。バスも通る通りなのですけれど、結構狭くてスリリングな体験が可能となっています。程なくして住宅地から商店が出て来たと思ったら、小じんまりとした商店街が現れました。

 岸谷商栄会と書かれていて、その先には電車の踏切があり、その向こうにはキリンビールの工場が見えます。どうやら生麦に来たようですね。

 生麦というと、歴史的には生麦事件で特に有名ですけれど*1、ワタクシにとっての生麦事件というのもあります。
 その昔、ワタクシが学生の頃一人暮らしをするということでその部屋探しに来た時のこと。どういう訳だかオブザーバーとして姉について来てもらい、上大岡の物件を見に品川駅から京急に乗った時のこと。まだ地方出身者には多いのですけれど、電車の快速、特急、急行という文字についつい反応して余分な料金が掛かるのでは?と各駅の普通電車を選んでしまいがちなのです。無論我々も一駅ごとに停車する普通電車で移動しましたけれど、遅々として進まない電車にイライラが募る(笑)頃、事件は起きました。丁度生麦駅のところでしたが、それまでキッチリ各駅に停まっていた電車が生麦駅だけ通過しそうになって急停止しました。後にも先にも電車がバックして駅に戻った経験はこの時だけ。とはいうものの、例の福知山線脱線事故で有名になったオーバーランということですからシャレにならない出来事なのですけれど。生麦というとつい、そのことを思い出してしまいます。
 踏切を越えると、生麦駅の入り口階段が左手にあり、今進んできた道に引き続いて商店街が第一京浜に向かって延びています。その向こうのキリンビールの工場が近いせいなのでしょうか、このようなビールを売りにしているイギリスのパブスタイルのお店を発見。『KING PELICAN』という名前です。なかなか良さそうな店構えでしたが、まだ残念ながら営業時間前。軽く一杯目に喉を潤すにはうってつけなのですけれどもねぇ。



その『KING PELICAN』の斜め先に、まさにワタクシ好みの店構えの大衆酒場を発見。『トン幸』さんといい、もう既に電気が点いているので営業中のようです。これは早速入ってみなければなるまい、と鼻息を荒くしますが、一応念のため第一京浜まで出ることにしてみました。しかし、出ても特に先程の『トン幸』さんほどそそられるお店は見当たらないようなので、戻ることにしました。

 反対側からもパチリと撮影して、早速店内へ。見た目とは裏腹に、品の良さそうな感じのいいご婦人がカウンターの中にいました。てっきり貫禄のある大将がやっていそうな店構えなのですけれどもね。
 長いカウンターにテーブル席がいくつか、そして奥には座敷もあるようです。

 普段はホッピーの文字をメニューに見つけると異議なし!という感じで注文しますが、やはり工場を見てしまいますと、キリンビールを注文せざるを得ないですね。大瓶を頼みますが、キリンのラガー、クラシックラガー一番搾りとフルラインナップが揃っていまして、クラシックラガーをチョイスしました。
 これまた好物のレバ刺し(牛¥500)を頂けばもうどっぷりこちらのお店を満喫できます。好みのお店を偶然見つけた嬉しさに浸りながら、水戸黄門の再放送を見ながらグラスを傾け幸福の余韻を楽しみます。

 どちらかというと地元の常連さんで賑わうお店のようで、馴染み客が時間とともに増えて来ます。話す相手の居ないワタクシに気をつかってなのか、女将さんがチョコチョコと話しかけてくれます。残念ながらオリンピックに興味のないワタクシに、オリンピックの話を振ってくださるのですけれど、あいにくこちらは愛想笑いを浮かべるだけに。
 お手伝いの女性がひと仕事終えてやって来ました。手も増えたところで串焼きを盛合せで頼みます。この頃にはホッピー¥350に切り替え、中身も追加。飲んでも余り顔に出ないから強いのね、と女将さんに言われましたが、結構ほろ酔い程度には酔っていたのはナイショ。

 お会計を済ませてお店を出るとまだギリギリ夕暮れに包まれる前。夜は始まったばかり、まだまだ行きますよ。新子安に向かって歩き始めましたが、女将さんに聞いたら20分ほど歩くというので、あっさり方針転換。生麦駅に戻って京急線に乗り込み移動しましょう。

*1:歴史を殆んど知らないワタクシでもその名前を知っているぐらいですから