蒲田立ち飲みめぐり

豚番長@蒲田

 戸越銀座を散策し、東急池上線に乗り込んだワタクシが向かった先は、色々と迷いつつも結局蒲田に落ち着きました。この東急線は池上線から大井町線目黒線東横線多摩川線とそれぞれ乗り継いで、行きたい候補地はは目白押しなのですけれど、帰りのことも考慮すると蒲田はやはり楽チンですし何せ飲み屋さんの数はそれこそ星の数ほどあります。ですから今回は『蒲田立ち飲みめぐり』だなどと大それたタイトルをつけましたが、JR蒲田駅西口のほんの一角だけしか回ることが出来ませんでした、実際は。東口や京急蒲田駅までを入れると一体幾つの立ち飲み屋さんがあるのやら。『恐るべし、蒲田』なのです。

 池上線を降りると、そこはサンロードというメインのアーケード街。どことなく吉祥寺のアーケード街にも似ているような気がしますが、入口にキシフォートがあるのが、蒲田に来たんだなぁと実感させてくれます。通路は比較的狭く、お店が密集している印象があります。でもワタクシの目的地はそこではなく、ここを左に曲がり、すぐに右に曲がります。

 線路は高架になっておりますので、その高架下とそこの蒲田東急駅前通り、通称バーボンロードというどこまで続くのか良く判らない延々と続く飲み屋街。現在は工事中ですが、立ち飲みのかぶら屋さんが手前の方にあり、ここが発祥の地だとかでワタミ(和民)さんのお店や、もつ焼き・串揚げのお店があります。

 と、そこに立ち飲みのうなぎ屋さんを発見。『うなぎ家』さんです。『とくだねセット¥1,230』ということで、飲み物3杯、つまみ2品付きとはまたこれだけでかなり飲めますね。実際に入って確かめたわけではないので、どの程度のつまみかは不明ですけれど、ドリンク3杯のセットメニューと言うのは初めて拝見しました。ホッピーも扱っているようなので、気軽なお店なのかもしれませんネ^^b。営業時間は午後3時から、定休は第一・三の日曜とのことでこの日は第二でしたから運良く開いておりました。
 この辺りには、立ち飲みの『炙り安』さん、少し先には『立呑処 みつるちゃん』とありますが、どちらもあいにくお休み。やはり日曜日は少々パワーダウンは否めませんかね。

 今回蒲田を訪れたワタクシの目的のお店はこちらの『豚番長』さん。先日大森で偶然発見した立ち飲みのお店で同名の豚番長さんがあり、ウェブで検索すると蒲田店があるとのことでしたので来てみようと思っていたのです。大衆酒蔵の信州屋さんの少し先で、駅からはやや離れています。厚手のビニール越しに何人かのお客さんが入っていますので、ワタクシも紛れ込んでみることにしましょう。

 ガッチリした体格の男性が店主さんでしょうか、流石は番長と名乗るだけあります。ざっくばらんな感じでお客さんと言葉を交わしながら、焼き物を焼いています。ホッピーを頼みながら、その炭火の扱いを見てやきとん、かしらとチレを頼みます。チレ(脾臓)はまだ馴染んでからそう長くはないものの、メニューにあれば必ずと言って良いほど注文するお気に入りの部位。生臭さも殆んど感じずに、変なクセがなく脂肪分も少ないので大変食べやすいのです。一人で切り盛りしていますが、普段の平日にはアルバイトさんが居るようです。

 メニュー。ひと通り焼き物から揚げ物、おでん、煮込みの他一品料理も充実していて、特に自家製のしょうがやたくあんが目を引きます。またやきとんは『利益還元セールにつき』ということで全て¥100で炭火焼きというのは大変お値打ちですね。

 他のお客さんが注文しているのを見て気になって追加した『きゅうりの番長漬け』¥280。きゅうりを叩いて軽く塩漬け(鷹の爪入り)したものに豆板醤とオイスターソースを載せて胡麻油を掛けたもの。サッパリとしつつも濃厚な一品。豆板醤がかなりタップリなので辛いものが苦手な人は要注意です。気さくな店主さんは写真も快く承諾してくれました(感謝)。

 その店主さんに大森にも同じ名前のお店がありますよね、と尋ねるとこれがまたビックリ。こちらのお店の方が先に始めていたにもかかわらず、支店でもなんでもなく真似をされたとのことで、少々憤慨されていました。てっきり支店だと思って来ていたワタクシは二の句を継げませんでした。ここ蒲田と大森は隣りの駅とは言え、そっくり同じ名前なんですからね。外のビニールの囲いまで一緒。うーむ、なんでしょう?
 ついでに煮込み¥380も頼んでみることにしました。いわゆる白もつを煮込んだ定番的な煮込みですが、珍しいのは椎茸が入っていたこと。何か他のメニューで使った端の部分なのかもしれませんが、煮込みに椎茸と言うのは恐らく他でもあまりないのではないでしょうか?

 お店を出ると、少し辺りをぶらつきます。バーボンロードから一本入るとまた良さそうな風情の飲み屋街が続きます。こちらのうなぎの寿ゞ喜(喜は七を三個)さんは昔ながらのうなぎ屋さん然とした佇まいです。そういえば先程の『うなぎ屋』さんという立ち飲み屋さんがあったり、やはり多摩川が近いせいなのでしょうか、うなぎ屋さんも多いのでしょうか。

 ぶらりぶらりと歩いて、お次はJR蒲田駅前の中央の通りを越えてシティホテル弘城に近い通りに、最近ワタクシが地元の錦糸町でお邪魔している立ち飲みの『侫武多(ねぶた)』さんの蒲田店。錦糸町店の約ひと月前にオープンしたばかりとかでこちらも店内に入ると、まだまだ新しいお店のニオイがしております。こちらも立ち飲みといいつつ、店内を賑わせているお客さんの中で立っている人はひとりも居りませんので、カウンターの端っこの方に座らせて頂きました。

 こちらのお店でも若い女の子の店員さんが元気良くホールの仕事やドリンクを作っているのですが、酔ったお客達がちょっかいを出していて、うーんさすがは蒲田だなぁと、変に納得したり。錦糸町も妖しい街として名高いですが、ちょっとベクトルの違いはありますが、蒲田の方がハイレベルです。まがり竹の子の煮物¥300は高野豆腐も入っていて非常にヘルシーな一品。もつ焼き続きでしたからこれは良いものです。






 

 そのお隣には中国式居酒屋『香楽園』というお店。『手作り 羽根付き餃子 ¥120』の文字に惹かれます。
 こちらは渋ーい『立飲み 銀次郎』さん。最近俄かに出て来た有象無象の立ち飲み屋とは一線を画す、昔ながらの立ち飲み屋さんのようです。ガラス越しに見えるお客さんも渋めの方が多いようにお見受けしました。今度その内お邪魔してみないといけませんね。

 シティホテル弘城さんの前の信号を渡り、裏通りに入るとこちらの横手になります。見る人が見れば、すぐにどこだか判る蒲田のランドマーク的お店、そうです泣く子も黙る『大衆酒場 鳥万』さんです。やはりこちらもアサヒビールの提灯が色鮮やかでございます。

 そして辿り着いたのはこちら『せい家 蒲田店』です。戸越銀座店と較べるともうまるっきりテイストの違うお店だということがご理解頂けると思います。こちらはもう、まんまラーメン店という感じで、本物の味、ときっぱり高らかに宣言している潔さ。お洒落とは無縁の、無骨なテイストが好きな人には堪らないでしょう。



 で結局、この日もついつい、またしても高カロリーの大魔王の権化、ラーメンを食べてしまいました。嗚呼、反省反省。反省だけなら猿でもできるのですがねぇ。それにしてもせい家さんは安いですな。
 蒲田からは京浜東北線秋葉原乗換えなのですが、今回も危うく乗り過ごしそうになっていたりして。はっと気付くとドアが閉まりそうでした、アブナイアブナイ┐(´д`)┌ヤレヤレ。