塩麹漬けの魚を焼く

焦げる、危うし塩麹の鯖

 先日アップした記事で、塩麹作りに挑戦というのがあったのですけれども、その続編。件の記事は寒風の中行われた花見の前日だったのですけれども、花見本番に持って行きました。金串*1に刺して、炭火で焼きました。魚を焼く際には、基本では『強火の遠火』ということになっていますけれども、この塩麹漬け、(酒)粕漬けと同様に非常に焦げやすいです。

 ですからこのように七輪・木炭コンロで焼く場合には火力を加減し炭火を減らすか、炭火からの距離を離して焼くことをおススメします。ワタクシの場合、以前職場の職人さんにリング状に旋盤を掛けてもらって、そこに足を三本溶接*2したもので、金串を火から遠ざけていますが、それでも目を離した隙にこのように焦げ目が強く付いてしまっています(恥)。前回の記事の最後にも追記しておきましたが、この塩麹の鯖、ワタクシが予想した、そして推測した焼津のさばこうじに非常に近いものでした。漬け込んだ期間が若干長いためか少々味は濃かったのですけれども、塩だけでは出ない麹漬けならではのふくよかな甘味が加味されて実に好評でした。
 そこで、前回作った塩麹がまだ残っていたので、再び魚を買って来て漬けてみることにしました。今回は手頃な素材として、生の鱈がありましたのでそれを。前回非常に美味しかったので鯖はもちろん欠かせません。もう季節は過ぎましたが解凍のサンマも激安でしたので一本購入。鮭も惹かれましたが、これ以上は密閉容器に入らないと判断して断念しました。
 サンマは長いので半分にぶつ切りにして漬けてみました。鱈と鯖は仲良く密閉容器にテトリスの如くはめ込んで、重なり合うところには塩麹を塗り付けることを忘れずに。そして今朝、漬け込み期間半日ほど。いつものように炭火を熾して焼いてみました。どういう訳だかサンマよりも鱈のほうが焼き具合が上手く行かず(両者を同じ金串に並べて刺してみたんですけれども)、サンマが先に良い具合に焼けても鱈の火の通りが悪くてレンジで加熱しました。
 味の方はと申しますと、期待を込めて鱈を先に口に運びましたが、うーん、期待を超えるほどの美味さというのではありません。もちろん不味くもないのですが。それよりも、サンマの美味さといったら、絶品です。解凍物のサンマですから期待は殆んどしませんでしたが、鯖と同様に塩だけでは引き出せない旨味がプラスされていて、若い人ならそれこそどんぶり飯が何杯でも、というような美味さです。結論付けるのはまだ尚早ですけれども、青魚・青背の魚に非常に合うのではないかと推論を立ててみたくなるほどの結果となりました。塩麹で検索すると、物凄い膨大な量の記事にヒットしますが、鶏肉や豚バラも絶品となっておりますので、きっと脂との相性も良いのだろうと推察されます。とりあえず今回の塩麹はこれで使い切ってしまったので試すことは叶いませんが、次回挑戦したいと思います。
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 さてもう一つ、お花見の宴席に持って行った自家製の〆鯖。二尾築地で仕入れて、三枚に下ろして4枚のサクにしたものを三枚持って行ったので、残りの一枚は自家消費用に残して合わせ酢に漬け込んだまま飲みに行ってしまいました。いくら酢で締めてあるといっても、やはり生ものですからせいぜいで翌日ぐらいまででしょう。量が多いけど食べ尽くしました。今回は合わせ酢としてカップ一杯の酢に、だし汁(昆布と鰹)を同量合わせてみましたが、外へ持ち運ぶという前提で、プラス酢を50mlにしてみました。ちなみに鯖は一尾が800g程のもので、頭とワタ、骨を除けば半分程の重量になるでしょう。

 その合わせ酢に二日ほど浸けたものですけれど、花見の本番のものはこれよりももっとレア状態の、ワタクシの理想とするところでした。ガスのトーチも持って行っていたので、ひとサクだけは炙りの〆鯖にしてみたのですけれど、写真が残っていないのが残念。でも炙ると皮ぎしの脂が溶けて非常にまた違った味わいで楽しめます。お店によっては焼き過ぎてしまいますから、その加減が出来るのが自家製ならではの楽しみだと思われます。
 二日経ったこの〆鯖でもかなりレアですから、酢だけで締めたものよりはやはり合わせ酢のほうが堅くなりにくいのでしょう。季節的に今の気温でしたら問題ないですが、もう少し気温が上がるとやはり食中毒のことを考えて酢は強めのほうが安全だとは思いますけれども。

*1:実際には材質的にはステンレス。しかし恐らくステンレス串という人は居ないでしょう。

*2:ベタ付け!。きっと製品としたら非常に値が張るでしょうし、耐久性もピカイチ。もっとリングの厚さも薄くして軽量に仕上げた方が製品としては手頃なものになりそう。