茨城山中キャンプと蕎麦

『道の駅 かつら』にてキャンプ

 今年のGWはカレンダー通りの休みで、出掛けようと思えば5月1日の土曜日から出発できたのですが、どうにも用意が進まぬうちに昼前になってしまいました。ズルズルと過ごしている内に正午を過ぎてしまい、この日は出ないことにしました。体力と気力のバランスが取れていないと、どうにも踏ん切りがつかないという悪い癖が出てしまったようです。
 翌日、2日。この日は朝から出掛けようという気力が充実していたものの、さりとて前日から動いていなかったので、当初考えていた山形・新潟方面に行こうという計画も、5月5日に約束があるので、実質3日間。行って帰ってくるだけともなりかねないので、どこに行こうか迷っていたところ、ふと妙案を思いつきました。宇都宮に住んでいる友人のMさんを誘ってみるとちょうど暇を持て余していたらしく、トントン拍子に話が進み一緒にキャンプに出掛けることになりました。
 宇都宮の隣の真岡という市の市役所前に12時ということで約束をしたのですが、直前で実際の準備に手間取って出たのは10時半少し前。高速は首都高からもう大変な混みようなので、国道4号線で一路北を目指すことにしました。
 毎年通るたびに少しずつ整備が進む国道4号線ですが、この日はどうも連休の影響を受けて混雑が基幹国道にも及んでいて、スイスイとは行かずにほぼ2時間で真岡に到着しました。

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 お昼時ということもあり、まずは進行方向に進みながら蕎麦屋さんを探して入ることにしました。益子までの道中、手打ち蕎麦の看板を掲げるお店があったものの、大変な混雑振りでお店の人に聞きましたが、空きそうにないということで、次のお店へ。益子の市街地を通り過ぎた辺りで、以前から看板だけは見掛けていたお店に入って見ることにしました。
 『手打蕎麦 藤人』というお店です。店頭の駐車場には川崎、習志野、練馬と県外のナンバーをつけた車もあり、何人か並んでいます。この先に過去に行ったお店もありますが、空いている、もしくは営業しているという保証はない訳で、とりあえず腰を落ち着けることにしました。
 お店の厨房もてんてこ舞いで下げ膳して来たトレイの食器も片付かない状態。これでは待っていても、と直接注文して待つことにします。もしこれが一人ならば待つなんてこともせずに、他をあたるのですが久し振りに会った友人のMさんと話しをしていればそれほど苦にもならずに居られました。

 相席になった先客の4人連れは家族のようで、他の後から来たお客さんに『外で待って、中に入ってからトータルで一時間にもなるのにまだ出てこないんですよ、とボヤいています。ワタクシもそういえば遅いなぁと時間をチェックするともう中に入って30分が経とうとしています。それから少しして蕎麦が届き始めました。
 二八せいろ¥800の大盛(+¥200)。栃木県というのは比較的手打ち蕎麦でも上品にサラリという感じではなく盛りが良いのが普通なのですが、コチラはかなり上品な盛りです。これならばもう一枚いけそうですが、それでは昼ご飯としての予算をオーバーしてしまうのでこれに留めておきましょう。蕎麦自体は太過ぎもせず、食べやすいもの。蕎麦には余り特徴は感じられませんでした。つゆはなかなか鰹だしが効いていてまろみがありました。
 食べ終えて、益子の町の方に少し戻ったところで、ベイシアがあるのでそこで食料品とアルコール類を仕入れて、目的の方向へ進みました。

 今回の目的地は、こちら栃木県と茨城県のちょうど境界近くの道の駅『かつら』というところです。こちらの道の駅では裏手に那珂川が流れていてその河川敷でキャンプを楽しめるという抜群のロケーションなのです。
 道の駅の利用者の駐車場にも車がビッシリでその周りにもテントを設置してありますが、川沿いに進むとちょうど橋のたもとにポッカリと空いたスペースを見つけてそこに我々もテントを張ることにしました。

 テントを張り終える頃には、日も傾きかけ那珂川大橋というこの橋もシルエットが映える時間となって参ります。川の向こうにもテントがたくさん張られています。この界隈でトータル100組ほどなのでしょう。

 火を熾して、丁度良くなった頃に日もとっぷりと暮れました。先につまめるようにと、既製品の鰹のたたきを塊のまま買ってきたので、これをスライスしたものと、ほうれん草でナムルを作り冷えたビールで乾杯。今日一日の労苦をねぎらい、ここ数年の出来事を語ります。キャンプの経験者同士ですから、機材は二人で併せればかなりのものが揃います。バイクには積み込めないような大きさの鍋なども車ならOKですね。

 季節はずれながら解凍の秋刀魚やホタテの貝殻焼きなど焼き物を食べ進めながら、もうひとつの熱源で作っておいた鍋もそろそろ頃合いです。インスタントのアサリの味噌汁をベースに、山菜の水煮、根菜類の水煮、シメジ、椎茸、鶏肉、鶏肉でつくねを作って投入したもの。それぞれから良いだしが出て、暖かくなって来たとはいえ、こうした山間部では夜はやはり温かい汁物が嬉しいのです。いつしか、お酒はビールから芋焼酎のお湯割りに切り替わり、夜更け過ぎまで話し込んでしまいました。

 朝は二日酔いになることもなく、子供達の声に夢うつつとなりながらもゆっくりと6時には起きると、既にMさんは起きていて火を起こしていました。昨晩食べ切れなかったカンパチのカマ焼きも気になっていたのですが、どうやらカラスの来襲にも難を逃れたようです。使い残していた豆苗を中華炒めにして、鍋の残りに火を通し、茹でた乾めんのうどんを投入した朝食。七味を持って行かなかったのが悔やまれますが上出来でした。
 朝日が上がって暖かくなって来ると、今度は直射の日光が暑いぐらい。のんびりと休みながらテントを撤収し、9時過ぎにキャンプ地を後にします。温泉に入ろうかと近くにある(四季彩館)に辿り着いたものの、時間がまだ早いし値段も予想よりもかなりイイお値段(大人¥1,000)なので、帰り方向で他を当たることにしました。栃木や茨城ですと、日帰りの入浴では¥2・300とか¥500以下の温泉はザラにあるのです。

 国道123号線から県道69号線を宇都宮方面に茂木、市貝と進んでいくと通り沿いに見慣れない市貝温泉というのが出て来ました。時間的にもちょうど10時の営業開始にピッタリで都合がいいのでここに入ることにしました。大人¥400と、自治体が管理・運営しているらしく施設の充実振りに対して入浴料が比較的リーズナブル。
泉質:ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(弱アルカリ性低張性温泉) 源泉温度:36.6℃
 ドアを開けると浴場の外にはガラス越しに滝と池が見えていてこれが露天風呂だったらもっと良かったのに、と思いましたがそれはこのお値段なら、贅沢というものでしょうか。サウナ、超音波風呂、水風呂、寝湯、大浴槽と一通り揃っています。
 風呂上りには無料の休憩所として大広間が利用できる他に有料で貸切の出来る部屋があるようです。

 風呂を済ませてサッパリしたら、そろそろお昼が近くなります。昨日の蕎麦屋さんではやや消化不良の感じでしたので、地図を確認して見ると過去に訪れた『菜とう庵』というお店がほど良い距離なので、Mさんを伴っていどうしました。市貝温泉からは車で15分ほどでしょうか。昨日のお店からも3分ほどの街道沿いです。
 まだ時刻も正午前なのでお店の駐車場にも3台ほどしか停まっていませんでした。

 ユニークなメニューを眺めて二人で一致したのは、特もり¥1,000。蕎麦の量というのは、お店によって違いますからお店の方に確認すると通常の二人前だということで、バイクに置き忘れてきたカメラを取りに戻り、Mさんも車に携帯電話を取りに戻った時に、もう出来上がってきて外から戻ってきたMさんももう来たの?とびっくり。昨日はここまで50分近く費やされたのですが・・・。メニューを撮影して時間潰しを、なんてのんびりしていたら実物がやってきてしまいました。

 2人前分の説明に違わず盛りも良いところに、二人で『地物山菜の天ぷら』¥365を追加すると、これまたそれほど蕎麦に遅れることなく揚がって参りました。二人でシェアしても充分なほどの量がこのお値段で楽しめるというのは驚き以外の何物でもありません。
 蕎麦は細めながらコシも充分にあり、食べたなぁという満足感が得られました。ツユは若干醤油が立っていますが、まぁ許容範囲で蕎麦湯を入れて飲むには良い具合。こうして二日間俄仕立てのキャンプ旅行でしたが、終わり良ければ全て良し、ではないですがまた近いうちの再開を約束して幕を閉じたのでした。