麹をつかったもの三題

また味噌を仕込みました

 まずは覚え書き。昨日の日曜日は2010年の自家製味噌の仕込み、通算4回目を敢行いたしました。本来は寒仕込みと言って、冬場に仕込むと良いらしいのですが、どうにも仕込んでから賞味できるまでの期間、そして出来上がった味噌を消費するペースというものが折り合いがつかずに、もうすっかり暖かくなってしまいました。まぁ味噌作りは一年中出切るとも言われますので、と自己弁護をしつつそうは言っても麹という生き物を相手のことなので、いつも購入している上野のダイマスという豆屋さんでは麹の取り扱い期間が9月から4月までということなので、売り切れる前にしっかりと購入してきて、冷蔵庫に保管しておいたのです。しかしながらどうにも邪魔臭くなってきたし、そろそろ今食べている味噌も先が見えてきたのでそろそろ仕込もうかと重い腰を上げたというのが実情なのですが。
 今食べている味噌というのは、昨年の春に仕込んだ第二回目のものなのですが、正直に申し上げてあまり出来はヨロシクないのです。どういうことかと申しますと、酸味があるというのは

  • 塩分が少ない・足りない≒麹が多い
  • 塩と麹、茹でた大豆を潰したものを混ぜる、その混ぜ方が足りなかった、偏りがあった

ということが原因だとされています。
そこで今回は麹をやや減らしてみました。

 以前も参考にさせてもらった男の趣肴というページでの基本的な量は

  • 大豆 1kg
  • 乾燥した米麹なら 1kg
  • 生の米麹なら  1.5kg
  • 天然の塩 480g
  • おいしい水

ということなのですけれど、今回も使用する『みやここうじ』のパッケージに書かれている分量では麹800gに対して、豆は1.2kgということでしたので、豆に対して麹は3分の2程度ということになり今回はこの分量で行ってみることにしました。なので、

  • 大豆2.4kg
  • みやここうじ 2袋 1.6kg
  • 塩 1,150g
  • ミネラルウォーター(森の水だより)

が今回の使用量です。

 昨年の秋に仕込んだ時の量は、この時の記事を読み返してもあまり自信が持てないのがありありで参考になりません。ただ思い出しましたが、最初に2kgの大豆と『みやここうじ』2袋で仕込んでいますが、その後追加して1kgの大豆と、200gの麹でしたからトータルで3kgの大豆と、麹は1.8kgということになり、今回のものよりやや大豆が多い比率となっております。まだ2回目の味噌が残っているので3回目のものは公式には開けていないのですが、先ほど撮影のために開けて、少しだけ跳ねているのがあったので指で掬って舐めてみたらどうやら今回の出来はヨロシイかと(嬉)。
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 その自家製味噌を使って、色々な野菜等で味噌漬けを作ってみたのですがこれがなかなか美味しい物です。ということで、八百屋さんの店頭で面白いものを見つけたらこれは使えるかな?と考えてみたりするのですが、ごぼう、ショウガ、ニンニクはもはや定番。エリンギはここのところすっかり日本の食卓でも定着したものの一つだと思われますね。そのぼよーんとした佇まいなのですけれども、これも袋詰めされた小ぶりのものがあると、即ゲットします。大体親指と同じくらいの物を塩をまぶして上に何か重石をして二・三日すると水分が抜けて良い具合になりまして、それの塩抜きをしてから味噌漬けにします。味噌にはお酒の煮切りと砂糖を加えて甘辛くしたもので、これに茹でたごぼう、セロリ等を漬けました。
 また今回は豆腐の味噌漬けにも挑戦。豆腐は水切り・水抜きをするのですが、まな板の上に置いて何かを載せて自然に水切りをするか、一旦茹でる、もしくはレンジで加熱して強制的に水分を抜くという方法もありますが、ワタクシはまな板の上でもう一枚載せるやり方で試してみました。しかし、上に載せたまな板が重すぎたのか、それとも絹ごしの充填豆腐を使ったためなのかどうも柔やわの仕上がりで、味噌漬けにした豆腐は水分も抜けてしっかりとした手応えに変わると言うのですが、ワタクシのはどうも柔らか過ぎるようでした。あと漬け過ぎたために、何しろ辛い!次に万全を期して頑張ることにしましょう。
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 さてここからが本日の本題。ここまでが長いですねぇ〜┐(´д`)┌ヤレヤレ
 ネットの中での流行なのか、それともTVでも取り上げられているのかよく判りませんが、塩麹というものが話題になっているようです。麹を使った日本古来の知恵のようなのですが、麹と塩、そして水だけで出切るというお手軽な発酵した調味料・漬物床というものです。その分量は
麹1kgに対して、塩300g、ひたひたになる程度の水
ということで作ってから一晩ほど経つと麹が水分を吸って水が足りなくなるのでそこら辺は追加して調整をすると言うものです。

 第一回目は様々な魚を中心に楽しませてもらいましたが、半月もしないで使い切ってしまいまして、また作ることにしました。しかし、ここで元来ケチなワタクシですから、一つの疑問が浮かびました。皆さんその出来栄えに満足しているけれど、塩麹をキープして作り続けるのはしんどくはないかなと。というのも麹って結構高いものなんです、実際。どこのスーパーでも売っている訳ではないし(錦糸町ではアルカタワー1F太平商店で売っている)、200gで¥270ぐらい、これだと先述したようにワタクシのペースだと15切れほどの魚の切り身で終わってしまいました。もっとも魚になすり付けてケチケチというペースでもないので、上手く節約すればもう少し行けそうですけれど。
 ところで先に述べた男の趣肴というページでは麹自体の作り方も載っていますが、米を蒸して、それを広げて種麹を振り掛け云々ということまではチョッと二の足を踏んでしまいます。それでなくとも、蒸した米に市販されている麹をほぐして混ぜ込んで温かいところで麹を繁殖させる共麹(ともこうじ)というやり方もあるようですが、ワタクシが思いついたのはこんな方法です。以下、本当のやり方ではないオリジナルの塩麹の増やし方なのでインチキといえばそうなのですけれど、実験として身を挺してみることにしました。
 塩麹の基本的な作り方で作った塩麹があります。いわゆる『麹1kg、塩300g、水ヒタヒタ』で一週間から十日かき混ぜるというものですね。ワタクシが考えたのはお粥作戦。余った冷ご飯を鍋に入れ、水を加えて軽くお粥の様にします。ここで具体的なデータが欲しいので、キッチリ軽量しておきました。
冷ご飯100g+水100mlでお粥を作り、そこに先に作っておいた塩麹の味を見て、塩を加えて行きます。最初6gだと薄く感じましたのでもう少し増やして8gにしましたらほぼ同じような塩分に感じられました。しかし、蒸した米を使った麹とは根本的に異なるお粥ですから、米より甘味がダイレクトに出ていることも考えられますのでこれが正しいと言えるかはビミョーなのですが、保存性も考えると10gぐらいが良いかもしれません。これを冷ましてから塩麹に加えます。麹は高温に弱いので必ずひと肌以下になってから加えるようにして下さい。

 ということで、出来たオリジナルの『お粥仕様』塩麹なのですが、上の写真で見て頂いても判りにくいかもしれませんから、黒い器に載せて撮影してみました。12時位置にそのまま掬ったもの、4時位置、麹の粒、9時位置お粥にして加えた米(この時は『はえぬき』)。味はもうすっかり塩麹の味そのものと言っても差し支えない、塩だけの辛さだけではない麹から醸し出される甘味を含んだ旨味を感じます。
 また直接指で触ってみると麹の方がまだ粒々感が残り指先に異物感がありますが、米の方はもうすうっと潰れてなくなる感じです。もしこの方法で塩麹が増やせるとなれば毎回麹を買わなくて済みますからかなりの節約にはなりそうです。まぁそうは言っても、これを延々と続けていくと別のものになりそうですから、お粥を3・4回加えた後に麹を足した方が良さそうな気もしますけれども。