鶯谷から流れて・・・

鶯谷駅前 信濃路

 今年の夏は、バイクという旅の友をなくしてしまったという事もあり、長い割には索漠としつつも漫然と家で過ごす毎日、だって昼間は暑いんだモーン、と東京で過ごす夏は何年振りでしょうか。また暇に任せて昔住んでいた大船に足を伸ばしてみようかとも計画していたのですけれども、何せ暑い昼間、カメラを担いで出かけるのも億劫な上に例の台風4号の接近で、雨が降る、雨が降ると毎日天気予報に脅されていると出掛ける気も失せるというものです。

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 これではイカン、と思い昨日出掛けた先はJR鶯谷駅。鶯谷というと山手線でも大歓楽街を擁する上野の隣りということもあり、やや日陰の身分に甘んじているようですが、元々はこの駅の西側にある寛永寺門前町として栄えたのが上野の街ということなので、いつしかその地位が逆転してしまったというケースなんでありますね。元々この町に馴染みがないワタクシにとっては鶯谷というとムフフ系の不穏な空気感がある街という認識ぐらいなのですが、どうなることでしょうか。確か何度か駅の最寄りにある『ささのや』というもつ焼き屋さんは訪れたことはありますが、今回目指すは北口方面。
 こちらには24時間営業の飲めるお店があるとの情報をキャッチし、これを目当てに行くことにしたのです。

 こちらが北口駅前の風景。初めて降りましたが小さい改札口ですねぇ、とても山手線の駅とは思えません。南口の方が何倍も開けている印象があります。とりあえず駅前の様子をパチリと(この時点ではまだ何も気がついていない)。飲み屋さんが何軒か続いているようですね。
 こちらの地図を参考に、出て直ぐのマクドナルドを探して、その手前の小道を入れば良いのだろうと見当をつけて来たのですが、マクドナルドを見付けてその手前の小道を入ると、うわっ早速ムフフ系の看板が出ています。


 その突き当たりに『信濃路』の看板と入口を見つけましたが、どうも思い描いているのとは違います。中の様子も、小さい階段があり、段ボールが何個か詰まれていて裏口チックな雰囲気満載です。こりゃ、ヤッチまったーとこういう時のワタクシの常套手段で更に奥に進むものの、どうも神社のような建物の敷地を回ってグルリと回ろうと目論むのですがそこには小道の存在は無くムフフ系の入口があるばかり。潔く負けを認めて戻るしかなさそうです。


 改めて仕切り直し。あれまぁ、先ほど撮影したフレームの中に入っているじゃありませんか(恥)。ウンウン、これがウェブ上でも見たお店の入口です。『定食 そば うどん』と改札を出て30秒以内にはカウンターで注文を言える、そんな素晴しい立地条件。そしてこちらは24時間の食事のお店ながら、そのおかずをつまみにお酒も楽しめるというお店なのです。朝、そばを食べに寄り、昼は定食を、夜はつまみながらお酒を、という一日3回立ち寄る強者もいらっしゃるそうです。

 入口はいると、右側にはテーブル席、左側には何というのでしょうか変形のカウンターが真ん中にウニョウニョと伸び、壁際にもいくばくかのカウンターが設えられ、どちらでも選べますが壁を見ながら飲む必要もない込み具合ですから、カウンター席の中央ぐらいに陣取りましてホッピー¥370を注文。隣のオヤジさんは瓶ビールを飲んでいますが、こちらのカウンターの設備が一種独特。少しの隙間を残して、上に棚があり作り置きの大皿料理が並べられ、そこには透明のアクリル板で遮られ厨房とカウンターのお客側が完全分離。注文したホッピーはその隙間にギリギリ通るサイズだったから良かったものの、大瓶はどうやって渡されたのか最後まで謎でした。
 厚揚げ煮¥250は愛想の良い店員さんに告げるとキチンと数を勘定して入れてくれたようで、バランス良く具の数が宜しいようです。もちろんレンチンですがそれが嫌な人は最初からこのようなお店には来ないでしょう。

 手持ち無沙汰解消のための文庫本も持って来ていましたが*1、暫らくは物珍しくキョロキョロしてしまいました。一品料理は¥200ぐらいから揃っていますが、定食系の方がコストパフォーマンスが良いようです。食べてしまっては飲めないのでひたすら我慢ですが、向こうの青年が追加オーダーしたカレーも見てびっくりの¥300ですからねぇ(唖然)。
 追加したホッピーの中(焼酎)もこの量です。幾らかは何度も見直しましたが壁の品書きからは判読できず。あとから計算したら¥200でした。それにしても酎ハイが¥380なのでホッピーより高いのは初めて見ました。

 チンゲン菜炒め¥250は作り置きの中からではなく一品単位で作ってくれましたので、熱々が楽しめます。豚細切れとニンニクが利いていて塩味ながら優秀なつまみです。居心地は良かったのですが、何せバッチリ利いた冷房の下に居て身体が冷え切ってしまったので、そろそろ移動します。お会計も¥1,270と控えめです。ちなみにメニューの一部はこんなかんじです(外の表示板より)。


 初めて来ましたが、一編でお気に入り登録です。また近くにくることが無くてもわざわざ出掛けてのんびりするのも悪くありませんね。駅の南口方面に向かい、ささのやさんの混み具合もいつも通りとチェックしつつ、奥の飲み屋街もふらり立ち寄るとやはり夏休み期間中のお店が多いようです。目に留まったモツヤキ会館というお店にふと惹かれて入ると、あ、ごめんなさいお食事中でしたか、賄いを食べていました。開けてしまった以上は入らない訳に行かないので座り、緑茶ハイを頼みます。カボチャの煮物のお通しを頂きながら、モツヤキ会館と書いてあったけど、と何処と無く色っぽいママさんに尋ねると昔はやっていたそうですが、今は一品料理のお店になったそうです。するとここに居る理由もなくなったので飲み干して移動することにします。人当たりも良いだけに惜しい、そんな状況でなければまた違った評価になるお店でした。

 表通りに出ると、そこは言問通り昭和通り方面に出ると、これまた『酒場 三富』とそそられるお店が煌々と灯りを暗闇に投げ掛けています。通りの向こうにも気になるお店もありますし、今後この辺りも開拓していく必要があります(謎)。
 ここが言問通りだということは、真っ直ぐ行けば、馴染みのある場所に出るということです。浅草界隈を何度も歩いたのは無駄ではなかったということですね。途中裏道に紛れ込んだりして千束五差路に辿り着いて、そこからは千束通りをひたすら歩いて(夜の吉原あたりは初めて歩いたかも)、日本堤消防署まで出ました。





 ここまで来ればお察しの通り、丸千葉さんは外せませんね。というのも、春先まで足繁く通っていましたが、6月ぐらいに訪れた時に混んでいて入れなかった時以来なので結構久し振りなのです。相変わらずの混雑振りですが、運良く入れ替わるタイミングで手近な席をあてがわれます。ホッピーを飲んで冷気で火照った身体を冷やしながら人心地ついていると、カウンターに空きが出来て移動。鰹の刺身¥550を頂きましょうかね。相変わらずの繁盛振り、お客さんの活気から元気をもらい今日もご馳走様でした。何となくラーメンを食べたいという頭があり、ひたすら吉野通りを歩くこと十数分。言問橋のたもとにある『ぶんすけ』さんで二郎系のガッツリしたラーメンを頂き浅草駅前にフラフラと向かったのでした。

*1:カウンターの下には新聞や漫画雑誌、ティッシュも置かれています