再び神田へ、追検証に

 昨日は再び神田の夜の街を訪れました。いつものように秋葉原で部品を買いたかったことと以前取り上げたお店がどうも無くなってしまっているようだしその追調査と先日はかなり覚えたはずのつもりでいたのに神田の街をウロウロしてしまっていた負の記憶を振り払うためです。
 つい先頃からまた一段と深まる秋の寒さ、そして『そぼ降る』というよりは『降りしきる』雨の中、昌平橋を渡り淡路町方面へと向かいます*1。大きな、郵便局を越えて記憶のある場所を見ますが、馴染みのないキレイなショットバーが出来ています。一度通り過ぎて振り返り、見直しますがやはりキレイに外装まで変えて『とん吉』さんというお店は無くなっていました。それなりに繁盛していてまずは無くなりそうになかったのですがね。それとも移転でもされたのでしょうか?
 淡路町の交差点を越えて外堀通りを進むと、先日迷った時に目印となったビッグヴィジョンの看板が見えてきました。素直に来ればこのように案外早く見つかるものなのです。ついでに『みますや』の表示看板がチラホラ出てきますので確信して裏路地に入ります。
 通りに出ると先日も探しに探した『浜街道』というお店、今回も無情にもシャッターが閉まっています。うーむ、残念。ここに入りたいがために来ているとも言えるので非常に残念。辺りには何軒もお店があるのですが、ここほどのインパクトはないしなぁ、とトボトボ歩いて次なるお店を探しに行こうかと、ふとこちらの『ふぃがろ亭』さんのことを思い出しました。先々週来た時には立ち飲み屋さんだということを知ったのですけれども、ほぼ満員状態で入りにくくて敬遠したのでした。
 実際には立ち飲み屋さんというのは席がある訳ではないので、多少詰めれば(詰めてもらえば)案外入るものですが一見でそうずうずうしくは行きませんよね。
 今回は拍子抜けするほど誰も居なくて、それでもホッピーの幟がはためいているので、思わず突入してしまいました。髪の長いお姉さんが一人、そして厨房には男性が一人おります。ホッピー¥400を頼みますと、普通の焼酎と氷入りにしますか?それとも凍らせた焼酎にしますか?と聞かれ一瞬何のことやら?と戸惑いましたが、すぐに気がついて凍らせた方をチョイス。そうなんです、こちらのふぃがろ亭さんは他のお店でシャリキンといわれる凍らせてシャーベット状の焼酎を使った三冷ホッピーが楽しめるお店なのでした。お姉さんは厨房の男性に凍らせた焼酎のオーダーを通し、暫らくの後運ばれて来ました。ジョッキも凍らせてあり完璧な三冷です。
 まだ口開けだったためホワイトボードに一生懸命メニューを書き加えていたお姉さんが料理は?と尋ねるので、気になっていた麻婆豆腐¥300を注文。¥100で麻婆豆腐を、とのポップが壁に貼られていたので聞くと、昼間にはお弁当屋さんを営んでいるこちらのお店では、一品追加したいお客さんのために少量の麻婆豆腐を¥100ではんばいしているとのことで、注文したのは通常品の¥300。上品な味付けで辛味は殆んど感じないぐらいでしたが、中々のお味でした。それをきっかけに少しお姉さんと話すようになり、浜街道さんのことを尋ねると、昼間は営業しているそうですが夜は人が辞めてしまい閉めてしまっているとのこと。昼だけの営業ではもったいないですね。それでもまだお店が続いていることは判ったのでひと安心。ついでにこちらのお店も今後また寄りたいですね。

 さてぶらりぶらりと神田駅近くまでやって来ました。気になるお店は幾つもあるものの、時間的には先日寄らせて貰った『酔ってけ』さんのサービスタイムにもまだ未練が残ります。しかし目的も無く歩いているとモツ焼き屋さんの呼込みの声に、メニューを眺めながらレバ刺しはある?と尋ねると有るとの事で、これはもう行くしかないです。将(たすく)というお店です。
 再びメニューにホッピー¥400の文字を認めるとまたしても三冷ホッピーでした。やはり神田はこうした莫大な数の飲食店が、しのぎを削っているのでそれぞれが切磋琢磨してレベルが上がっているのかもしれないですね。こちらの側としては嬉しい限りです。
 
 いくらおろしのお通しをつまみながらレバ刺しの到着を待ちます。後ろのグループのサラリーマンの営業に関する議論を聞くともなく聞きながら一人ぼんやりカウンターで飲むのも悪くありません。向こうの女性二人組みは何を喋っているのか判りませんが焼き台とカウンターを仕切るガラスが脂で汚れていてシルエットがぼんやり映るだけ。雨降りなので客寄せをしている努力も虚しく、後から入ってくるお客はなし。



 
 レバ刺しが来ました。きれいに並べられ、ネギ塩を上にまとい胡麻油タップリ。針生姜を巻いて食べると良い感じです。食べ終えると目的も果たしたし、近くの馬力神田店を覗きますが、馴染みのKさんも見当たらなく(前回も、残念)、つらつらとその辺りをうろつき、結局いつものように地下のバー『MALTAN』のカウンターで一杯ウィスキーを引っ掛けます。マスターはつい最近引越しを決め、それが何と大川を越えてご近所さんになるとの事を聞きました。カウンターの反対側の端に居る方が奥さんになる人だそうで、お初にお目にかかりました。それでもたまたま隣り合わせた酒の物凄い強い女性とマスターと暫らく日本酒のことについて話した後、そろそろ酔ってきてそろそろ帰りましょう。一向に止む気配の見せない雨の中、秋葉原に向かって山手線に乗り込みました。

*1:我ながら物好きだなと思いました