春菊のナムル

 夏の暑い時期には多くの人々の記憶から忘れ去られていて、秋になり鍋の季節になると途端に脚光を浴びるもの、それは春菊ではないでしょうか?独特のほろ苦さが特徴で、寄せ鍋などの彩りには欠かせない緑黄色野菜です。栄養成分としてはカロテン、ビタミンB2,C,E、カルシウム、鉄、食物繊維などを含む優秀な野菜だそうで。昨日俄かに鍋焼きうどんが食べたくなって買い込んできたのですけれども、さすがに1束を使い切る訳には参りません。 
 ということで、本日の夕飯で使おうと思い立ったのがナムル。以前白和えで使ったこともありますがどうも今日の気分では豆腐を湯掻いて、というのは面倒。ナムルなら簡単で手早く作れます。
 春菊を茹でて、水を切ると食べやすい大きさに切り、みじん切りのニンニクと塩、コショウ、一味でピリリと、薄口醤油で全体を和え、胡麻油で最後回し掛けて出来上がり。胡麻も振って、栄養バランスがとても良さそうです。まぁこれが正しい作り方かどうかは不明ですが、春菊のナムル自体余所で見たこともないし少なくとも美味しくできました。
 まぁこんなことを言っているワタクシも、春菊は子供の頃は大の苦手。小学生高学年で一度試して全くダメ、それ以来口にすることはなかったのですが、その後実家を出て外食か飲んでいる時に天ぷらを食べている時に、春菊を食べて以来、ん?案外イケるかも、ということで食べられるようになりました。ピーマンも揚げることで好きになった苦手野菜の一つです。
 ピーマンが苦手という子供達が多いことについての興味深い考察があります。世界にはピーマンに類するものではパプリカがありますが、大きく分けるとこのパプリカには8色があるそうです。比較的スーパーで見掛けるのは赤と黄色、そしてオレンジぐらいですかね。でも日本ではこの十数年ポピュラーになってきたのではないでしょうか?それ以前日本では緑色のいわゆるピーマンが定番であり、子供達の苦手野菜の筆頭をニンジンと覇権争いしているぐらいでした。しかし、世界的にはむしろカラフルな肉厚なパプリカがポピュラーで子供達の苦手野菜ではないとの事でした。
 また人間の味覚には苦いものを避ける、というのは太古から伝えられるDNAに刷り込まれた脳の指令があるそうで、というのも苦いものというのは毒を連想するそうで無意識のうちにそういったものを避けるというのが生存本能にあるそうです。同様に酸っぱいものは食べ物が熟しすぎて腐ったり、夏場に暑さのせいで食べ物が腐った状態というのは経験された方ならわかると思いますが、これも本能的に避けるようになっているそうです。
 更に木の実や果実などでは赤いものや黄色いものが熟した状態ということで緑色のものは未熟なものであったりするので(もちろん例外はありますが)、食べるのには適さないとの判断が働くとか。
 そんな訳で、その後の成長過程で酸っぱいものやほろ苦いものでも食べて安全、ということを学習し人間はそういったものも食べられるようになるそうですが、子供の時はむしろ本能の赴くままに食べることを拒否するのは自然なことであるようです。って好き嫌いを肯定化する詭弁なのかな?ニャハ(^^);