そしてワーグナーへの誘(いざな)い

 そもそも中学生の頃にほんの少しばかりブラスバンドで楽器演奏をかじったぐらいですが、それほど本格的にクラシック音楽にまだ馴染みがあった訳ではありません。そんな頃を経て、その後たまたまTVのCMで使われていた曲のスケール感にヤラれてしまったのが、ワーグナーさまよえるオランダ人:原題:Der fliegende Holländer『Overture to Tannhäuser(タンホイザー序曲)』でした。


 まさにこのショルティ指揮、シカゴ響の演奏がネスカフェゴールドブレンドプレジデントのCMに使われていたのでした。気に入って早速CDを探しまくり買ったのが、昨日の写真に比較用のCDケースとして並べたもの。実際のCMでは非常に限られた短い時間なので、かなり継ぎ接ぎになった曲でしたけれども、丁度その頃からもHM/HRに傾倒していたワタクシでも馴染めるような力強い旋律、そしてキレイなメロディラインがすっかり気に入りました。

タンホイザー序曲~ワーグナー:管弦楽曲集

タンホイザー序曲~ワーグナー:管弦楽曲集

 またこのCDは管弦楽集という括りでありますが、実は序曲集でもあり、こればかりを聴き親しんでいたワタクシはその後本格的にワーグナーのボックスセットを買っても、その『さわり』部分だけを知っていたので、すぐに馴染むことができました。そして、実際の収録曲は以下のとおり。

1. 歌劇≪さまよえるオランダ人≫ 序曲
2. 歌劇≪タンホイザー≫ 序曲
3. 歌劇≪ローエングリン≫ 第1幕への前奏曲
4. 歌劇≪ローエングリン≫ 第3幕への前奏曲
5. 楽劇≪ニュルンベルクのマイスタージンガー≫ 第1幕への前奏曲
6. 楽劇≪トリスタンとイゾルデ≫ 第1幕への前奏曲
7. 楽劇≪トリスタンとイゾルデ≫ 愛の死

これがまた意外なことに、CMでも良く使われる曲が多いんですよねぇ。『タンホイザー』なんかはその筆頭でしょう。
タンホイザー』(Tannhäuser und der Sängerkrieg auf Wartburg ) 序曲より
ローエングリン』 (Lohengrin )の『第1幕への前奏曲

ニュルンベルクのマイスタージンガー』 (Die Meistersinger von Nürnberg )の『第1幕への前奏曲
ここまでは割と力強いリズミカルなテンポの序曲が多いですが、『トリスタンとイゾルデ』の繊細な旋律もまた魅力の1つです。

トリスタンとイゾルデ』 (Tristan und Isolde ) の『第1幕への前奏曲』。
 クラシックに疎いワタクシでも、馴染みやすい明快なメロディラインとリズミカルかつ力強い旋律はロック系が好きな方にもお勧めできると思います。かつて『ワルキューレの騎行』が映画『地獄の黙示録』の有名な場面で使われていたり

地獄の黙示録 特別完全版 [DVD]

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戦時中、ドイツのナチスが好んで使っていたという歴史の暗い面もありいまだにそこら辺はアンタッチャブルな側面もあったりと、様々なエピソードが伝えられていますが、これはワタクシの好みだなぁと思う今日この頃です。
 訂正:20121125