あの人はどこへ…

 というTV番組はよくあるようですが、日本の芸能人の話ではなく洋楽の話。かつて日本でもヒットを飛ばしたRichard Marxという人を取り上げようと思います。
 ワタクシが最初に聞いたのはこの曲。"Don't Mean Nothing"in 1987

この頃はヒットチャートを追っかけるどころではなく学業に勤しまないと、親がうるさかった時期なのでTVでたまたま流れてきたのを息抜きついでに、何となく'70年代っぽいテイストをもった曲だなぁと感じていました。その後この曲を含む1stアルバムはあれよあれよとヒットチャートを駆け上がり人気者になりました。
 その次に出た"Repeat Offender"という2ndアルバム(タイトルを直訳すれば『再犯者』って凄いですね)では緩急をつけた巧みな流れで聴くものを飽きさせない傑作アルバムを発表。
Repeat Offender
1. Nothin' You Can Do About It
2. Satisfied
3. Angelia
4. Too Late To Say Goodbye
5. Right Here Waiting
6. Heart On The Line
7. Real World
8. If You Don't Want My Love
9. That Was Lulu
10. Wait For The Sunrise
11. Children Of The Night
 このアルバムからは"Satisfied" と"Right Here Waiting"という2曲の全米#1ヒットを放ち(今知ったけれど。)*1、1枚目が偶然ではなかったことを証明しました。
 先日改めて聴きなおして見ると#9だけはどうも趣味が合いませんが、これはおススメできるアルバムだなと実感しました。比較的ハードロック寄りな#1"Nothin' You Can Do About It"から続いて軽快なロックチューンの"Satisfied"ときて、ミドルテンポのパワーバラード"Angelia"。

 ちょっとシリアスな曲調の#4"Too Late To Say Goodbye"

 と来た後の王道の、そして珠玉のバラード"Right Here Waiting"
の流れにはハマっちゃいます。この曲は数年後、R&BのMonicaにもカバーされていますね。

 話はすこしそれてその後のヒット曲も、"Now and forever"

 あたりで、バラードでの人気が定着してしまったようですが、本来は結構ロックチューンも本人は好きだったようです。しかし、その本人のやりたいこととマーケットのズレが不幸をもたらしたのか、次作の"Rush Street"(1991年)ではパッとせずに思ったような評価はされなかったようです。
St. Elmo's Fire: Original Motion Picture Soundtrack
 少し時代を遡りますが、'80年代を代表する若手俳優陣を集めて製作された青春映画"St.Elmo's Fire"のサウンドトラックは以前から好きなアルバムの一枚です。この中に収録されている曲のクレジットを何気なく眺めていたらある日気がつきました。#7の" If I Turn You Away"という曲に彼の名前が併記されているのです。Marxという名前もそれほどポピュラーとは思えないし、調べていくとやはりDavid Foster御大と共作していた時期があるそうです。

 今回色々と並べて紹介して参りましたが、これだけの佳曲を作曲できる彼の才能は並ではないことはお判り頂けるでしょう。現在はプロデュース側に回って、

アイドルグループのイン・シンクやバックストリート・ボーイズに曲を提供。2004年には、ルーサー・ヴァンドロスの「Dance With My Father」をルーサーと共作し、グラミー賞最優秀楽曲賞を受賞した。
                          〜Wikipediaより〜      

とありますが、シーンに返り咲くのを望む声も多いことでしょう。

*1:"Satisfied"はそこまでの曲かなぁとも思うけれども