田端は意外な穴場?

鳥千 田端

 昨日はひと月に一度ほどで定期開催している『京浜東北線沿線を攻めるツアー』をみやけんさんと敢行してきました。前回は日暮里から始まり西日暮里で終わったので、今回はその続きということで訪れる土地として選んだのが田端。田端というと京浜東北線と山手線がお別れする場所であり、ワタクシもそのような認識しか持っていませんでした、今までは。

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 しかしながら、こうした企画で回を重ねてきて、今まで知らなかった街を訪れるというのは、ここのところバイクを手放してから旅に出ることのチャンスがめっきり少なくなったワタクシにとっては軽い小旅行みたいなものでありまして、非常にワクワクするものです。田端はイメージが出来ない街だし、あまり期待はしていませんでしたが、この地を訪れることが多い(もう過去形なのでしょうか?)、蒼龍さんのブログの記事を拝見するとよく出てくるのが、三楽さんという立ち飲み屋さんと初恋屋さんという居酒屋さん。この二つだけでも以前から訪れてみたいという希望があり、今回それが叶うのです。
 前日に引き続き買い漏れの部品を乗り換えの秋葉原で大急ぎで購入し、気がつくと18:15。集合時間は田端で18:30でしたから、大慌てで駅に向かいます。マルツ・秋月・千石さんあたりの電気部品ショップが集まる地域からは秋葉原の駅って、結構歩くものなんですよね(疲)、こんな時には。結果やって来た山手線に飛び乗ると、みやけんさんからのメールで上野を出ましたとあり、二駅ほど先行されていました。すぐ様折り返しのお詫びメールを打ちながら、ジリジリと田端に心は焦ります。ホームから上がり改札を出ると目の前でみやけんさんと遭遇。線路を挟んだ東側に、つらつらと話をしながら向かいます。階段を降りてすぐに、何ともそそられる佇まいのお店(食堂)がありますが、日暮里の『いづみや』さんのように食事もできるけれどお酒を楽しむ人が多い、というのではなくあくまでも食事がメインでお酒もちょっと置いてあるという風情でした。
 そして道路に出て右手を見ると、探すまでもなく初恋屋さんを発見。しかし、一軒目は三楽さんという立ち飲みの方がふさわしい気がしていたので、辺りを見回し灯りのある方(左)へと歩き出しました*1。事前の調べでは通り沿いにあるといううろ覚えだったのですが、ここら辺のチェックの甘さが我ながら…。しかし、意に介する様子もなく、みやけんさんはズンズン歩き灯りが見えたお店は目指すお店ではなかったのですけれども、気の向くままに路地を入ってみると商店街のような雰囲気になってきました。
 と、そこに古びた(失礼)お店がありました。本当は先にまだ灯りが見えているので通りすぎようとしましたけれども、なにやら色々とメニューが書かれ、興味を惹かれてしまったのです。

 定食は¥550と破格とも言えるほど安いし、店先には何かの魚の一夜干しを作っていたり、お得セットとして心を動かされたので半ば逆上気味にテンションが上り入ってみることにしました。鳥千というお店です。

 お得セットとは瓶ビール(サッポロ赤星大瓶)にやきとり2本、そこにまぐろの刺身がついて丁度¥1,000というセット*2。やきとりは鶏だけが良いか確認されましたが、何でも混ぜてOK、塩・タレは両方選んで来たのがこんな具合。レバーはタレで、鳥正肉は塩で。ガス焼きでしたがレバーは思いがけず外側香ばしく、中はしっかりレア状態の理想的な焼き具合。安いお店だとやっつけ仕事でカチカチに焼いたレバーを出すお店もありますが。

 もう一つ、まぐろの刺身。こちらはまだ中が凍っている状態ですが、まあ、このボリュームならトータルで評価しておきましょう。

 メニューはご覧の通り。『鳥千』というから焼き鳥が売りなのかと思いきや、意外と魚系の料理が充実しており、普通のお店ではお目にかからないようなメニューも見受けられます。例を挙げると『かきと焼き豆腐の味噌煮¥480』、『きのことえびいため¥450』、『さばの唐揚 ねぎソースかけ¥450』、『いわしとじゃ芋(おそらくじゃが芋の誤表記)かき揚げ¥450』などといった具合。
 
 煮込み好きな二人ですから煮込み¥380は見逃せません。これまた相当なボリュームの煮込みの登場。ネギが掛かっていないのは残念。やや甘めに味付けされていつつ、よく煮込まれたもつは柔らかく、これでどんぶり飯をかっこむ人もいるのでしょう。

 外に干してあった干物はまだ半日干しということで、既に出来ている鯖の一夜干しを単品で頂くことにしました。これまた脂が乗っていて、控えめな塩加減が絶妙の出来。市販品ではないことは、同じく自家製の干物を作るワタクシにとってすぐに分かります。ここで珍しいのが大根おろしに添えられた桜えび。中はまだ半生の状態で、こんな具合で出されたのは初めて。これだけで立派な一品になりそうです。最初は貸切状態だったお店ですが他のお客さんも入り始め皆お得なセットを注文。慌ただしくなってきました。

『アジの唐揚げ あんかけ¥450』を追加し、お酒もホッピー¥330に切り替え二杯も飲めば良い心持ち。さてそろそろ、これを食べ終えたら次に参りましょうと、お会計を済ませて寒風の中に身を投じました(続く)。

*1:結果本当は右に行かなければならなかった

*2:ちなみに瓶ビール単品は¥500でした。