大船懐かし散歩 その2

でぶそば@大船


大きな地図で見る さて鎌倉市横浜市の境の大東橋まで来ると、見慣れないものが出現していました。ワタクシが住んでいた頃には無かった笠間口という出入り口です。なるほど、これがあればこちら方面に住む人には便利ですからね。
 と言いますか、こちら方面の方が鎌倉市寄りよりも遥かにマンション・集合住宅が多いのですから、当たり前と言えば当たり前の話なのですがね。なかったのが不思議なぐらい。

 昼前に出て来たので、昼食は大船で、いう腹積もりでした。この分岐にあった、手打ちの本格中華麺のお店がかつてはあったのでした。麺生地を両手で拡げて伸ばしていく、日暮里の『馬賊』さんのようなスタイルで、住んでいる時には何度かお世話になっていて、そのことを思い出していたのですけれども、月日の過ぎ行く中で淘汰されてしまったようです、残念。

 かつてニチイで、その後サティになっていたのですが、今回はヤマダ電機のテックランドが冠されていました。とはいうものの他のダイソーなども入った商業施設のようです。当てが外れてどうしようかと思いつつフラフラと吸い寄せられるように歩いていきました。

 するとその一階部分に横浜方面を中心にチェーン展開している味奈登庵が目に留まりました。これは渡りに舟とばかりに近寄っていきます。

 店頭のメニューを眺めると、やはり目を引くのがもり蕎麦のメガ版、『富士山もりそば』¥500也。これだけの量でこの価格というのは何とも魅力的ですね。
 店内に入ると、まずは食券を買わないとなりません。レジの女の子に聞くと、富士山の名に恥じぬ、3人前以上あるとのことなので、その後の展開を考えるとここは自重しておくべきと考え、大もり¥400に素直に変更しました。
 基本的には都内にあるような立ち食い蕎麦の系譜の比較的廉価な蕎麦屋さんなのですが、こちらのお店はキチンと座席があり落ち着いて食べることが出来ます。そして何より、ダランダランのヤレた麺ではなく、細麺できっちりコシがあるのが嬉しいところ。香りは弱めですが、出汁も風味がありこれなら、隣で食べている御夫婦の旦那が、サラリーマンで平日は混む、とのことが容易に知れようと言うものです。

 満腹になって外に出ると、それまで気がつかなかった中華のお店が目に入りました。こんなお店が前からあったっけなぁと思いつつショーウィンドウの食品サンプルを見ると生碼麺(サンマーメン)があり、そういえばこちらに来たならそういう選択肢もあったかと、ガックリ。*1

 その近くのバスターミナルから街道(県道203号線大:船停車場矢部線)をブラブラと歩き出します。この道路沿いに、かつてよく通った古本屋さんがありました。懐かしいので腹ごなしに訪ねてみようというのです。
 もしかして無くなっているかなぁとの危惧もよそにしっかり健在。すぐ近くにあった格安の米屋さんは無くなってアパートに変わっていました。

 そのまま進み続けると、笠間十字路と呼ばれる、六差路に辿り着きました。角にあるスリーエフ(神奈川中心に展開のコンビニ)は相変わらず、その上の歯医者を見て、不意に昔抜いた親しらずのことを思い出しました。右奥下の親しらずでレントゲンで見ると、手前の奥歯に引っ掛かって素直に抜けないので親しらずの歯自体を割って抜くことにしたものの3時間掛かりの大工事でした。
 その筋向いにあった風呂屋によく通ったものですが*2、その風呂屋さんは無くなってしまい当時の面影を窺い知ることは出来ませんでした。

 そこから住宅地の方を、資生堂の工場方面に歩いて行くと、かつて住んでいたお宅。久し振りに訪れてみましたが、多少そのお宅の周りは変わっているものの激変ということもありませんでした。
 少し先にあったファミリーマートの跡。当時も24時間営業ではなく変則的な営業時間のコンビにでしたが廃業されてしまったようです。でもここが無くなったら先程のスリーエフしかないのでこの辺りの住人は不便でしょうねぇ。

 もう少し進むと、資生堂の工場方面と、大船駅方面に分かれる分岐点になります。その角にほぼ位置するのが中華の『でぶそば』。かつては縦の看板で『中華そば でぶ』とお店に掲げられていたと記憶していますが。それにしても凄い屋号ですね。

 なんでも、先代だか創業だかの店主が恰幅が良かったとかで、そう名付けたとTV番組で見た記憶があります。メニューにも『寅さんセット』とフィーチュアされているように、そこから遠くは無いかつての松竹の撮影所からやって来た渥美清氏が贔屓にしていたそうです。
 相変わらずお腹が空かないので食べられないのが返す返す残念。(まだ続く)

*1:かと言ってもう一杯食べるほどの胃袋の余裕もありませんしね。

*2:当時の部屋は風呂なし、トイレ付でしたから