ソウル・コレクター/J・ディーヴァー

LIMIT〈1〉 (ハヤカワ文庫NV)

LIMIT〈1〉 (ハヤカワ文庫NV)

LIMIT〈2〉 (ハヤカワ文庫NV)

LIMIT〈2〉 (ハヤカワ文庫NV)

LIMIT 3 (ハヤカワ文庫NV)

LIMIT 3 (ハヤカワ文庫NV)

LIMIT 4 (ハヤカワ文庫NV)

LIMIT 4 (ハヤカワ文庫NV)

Limit/フランク・シェッツィング
今回初めて読んだ作家で、未来の地球と宇宙開発の顛末、そしてそれにまつわる話。読み始めはホンのチョッとばかりエイリアンに近い感じがしましたけれども、色々な話が多面的に同時進行して語られていき、2巻、3巻と進むうちにそれぞれの話がリンクしていくという展開。最初はもう全く別々の話が特に纏まりのない形で語られていくので、少々退屈でしたけれども、後半完璧な形の物が破綻し、別の側面では危機に晒されていたものが何とか、というところで読み進めるうちに面白くなってきました。読むのに時間は掛かりましたけれども、なかなかの傑作です。映画化は難しいけれども、ドラマ化すればウケるのかも。
北極海レアメタルを死守せよ〈上〉 (新潮文庫)

北極海レアメタルを死守せよ〈上〉 (新潮文庫)

北極海レアメタルを死守せよ〈下〉 (新潮文庫)

北極海レアメタルを死守せよ〈下〉 (新潮文庫)

北極海レアメタルを死守せよ/クライブ・カッスラー
 今回の大地震の前に何かと喧しかったレアメタルに関しての話。かなり時流を捉えたトピックであり、少々いやらしさを感じない訳には行きませんでしたが。最近のクライブ・カッスラー氏は共著という形を取っているので、そこら辺の舵取りは共同執筆者であり息子のダーク・カッスラー氏のさじ加減だろうなと推測されます。
パーフェクト・キル(新装版) (集英社文庫)

パーフェクト・キル(新装版) (集英社文庫)

パーフェクト・キル/A・J・クィネル
 この作品は、好きな作家の物なので過去に何度か読み返しているのですけれども、手放したので秋葉原の古本屋で見掛けて久し振りに読んでみたくなり購入。
 前作『燃える男』でマフィアと壮絶な戦いを一人で繰り広げた主人公が、又しても家族を失い、その仇敵に今度は傭兵時代の仲間共に繰り広げる作戦の話。前作でのヒットに気を良くしたのか、同じような展開で*1進むストーリー、そして今回は協力してくれる仲間がいるということもあって、全てが上手く行き過ぎるきらいがあり、滑らか過ぎてスリル感に欠けますけれども、まぁエンターテインメントとしては中の上ぐらいでした。これを読むのであれば同じ作家では、個人的には『ヴァチカンからの暗殺者 』
ヴァチカンからの暗殺者 (新潮文庫)

ヴァチカンからの暗殺者 (新潮文庫)

の方がおススメかな。それにしても、冒頭部分のスコットランドでの航空機墜落事故のテロの話は実話が元になっているようです。
青い虚空 (文春文庫)

青い虚空 (文春文庫)

青い虚空/J・ディーヴァー
 丁度今回の大地震が起こった頃に読み始めていた本で、J・ディーヴァーの作品としては、少し異質な、リンカーン・ライム&アメリア・サックスのシリーズとはかけ離れた、コンピューターの世界にまつわる話。でも、後述する作品と共にこれが実際に起こったら、怖いなぁという反面、現実問題として起こり得る可能性は全く否定できない、そういったリアルな恐怖感はあります。さすがに現在ヒットを連発している作家としての手腕が遺憾なく発揮された作品で読む者をグイグイ引き付ける実力は大したものです。計画停電開始の時期にさしかかった頃だったので、節電の為にベランダで日向ぼっこをしながら読んでいました。
 登場人物の中で、こいつが容疑者?と思いながら読み進めると、一転二転。最初の方から出て来ていた主要な人物が最後にはふっつりと居なくなると、これまた続編の前振りですかね。
P2〈上〉 (新潮文庫)

P2〈上〉 (新潮文庫)

P2〈下〉 (新潮文庫)

P2〈下〉 (新潮文庫)

P2/ルイス・ミゲルローシャ
 これまた、お初の作家でしたけれども、史実とその歴史の襞に紛れる闇の部分を描き出した、フィクションとノンフィクションの狭間で揺れる作品。これも異色といえば異色です。それにしても、先述したA.J.クィネルの『ヴァチカンからの暗殺者 』で出てきた枢機卿達、そのモデルとなった史実上の人物が出てきて大変興味深かった。ワタクシ、カトリックなのでヴァチカンとは馴染み深いのです。それにしてもイギリス・イタリアはさておき、ポルトガルを舞台にした作品というのも珍しかったですね。
ラスト・チャイルド(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ラスト・チャイルド(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ラスト・チャイルド(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ラスト・チャイルド(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ラスト・チャイルド/ジョン・ハート
 過去に何度かチャイルド、とタイトルに使われた作品も回ってきて何冊か読んでいますが、全体に漂うやるせない感じがこの作品を支配しています。正直途中までやや退屈な感じも否めませんでしたが、後半徐々にオッと思い始めてから読了まではスピードもアップしました。
ソウル・コレクター

ソウル・コレクター

ソウル・コレクター/J・ディーヴァー
 先述した、『青い虚空』とは違い、定番のリンカーン・ライムシリーズ。この作品も、実際にはコンピューター社会の現実を取り上げた、恐怖感を煽る作品となっています。インターネットに接続した瞬間、個人は個人でなくなるというのが『青い虚空』の中でも語られていましたけれども、その人と『なり』をデータという観点からかなり突っ込んで書かれていて、ここまでのデータ管理の企業が実際にあるのかは存じ上げませんけれども、あながち否定は出来ないかなと思います。
☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆
 そして、現在読んでいる本、二冊平行で読んでいます。
QD弾頭を回収せよ (新潮文庫)

QD弾頭を回収せよ (新潮文庫)

QD弾頭を回収せよ/クライブ・カッスラー
 昔、20年ほど前に読んで凄く久し振りに古本の棚で見掛けたので懐かしさもあって手に取った本。そもそも'80年の作品なのでもう30年前の作品で、カッスラーもまだまだ脂の乗り始める成長期の作品で、いやぁ『北極海レアメタルを死守せよ』と較べると、全く違う作家と思うほどのレベルの差が歴然としています。そりゃぁ、その頃『ラドラダの秘宝を探せ』以前の作品を母親が大人買いしてと一緒にのめり込んだだけはある、好作品です。
メギド

メギド

メギド/渡辺裕之
 これは以前同じ作家の物を読んでいて、ワタクシがドンパチ物を好きだと認識している社長から流れてきました。うーん、この人の作品はあんまり好みでもないのですけれどもね。まだ読み始めて100ページも行かないので何とも言えませんが。

*1:傷ついた自分の肉体をリハビリしていくのと、養子として迎えた孤児の青年を自分の分身として鍛え上げていくの違いはあるけれども