ハンニバル・ライジング/T・ハリス

 またしばらく振りに読んだ本の記録を。

南極の中国艦を破壊せよ! (上) (ソフトバンク文庫)

南極の中国艦を破壊せよ! (上) (ソフトバンク文庫)

南極の中国艦を破壊せよ! (下) (ソフトバンク文庫)

南極の中国艦を破壊せよ! (下) (ソフトバンク文庫)

 南極の中国艦を破壊せよ!(上)(下) 定番のカッスラー作品。さんとの共著ですね、オレゴンシリーズの。カッスラーブランドを冠したダブラルさんの作品として読めば軽い読み物としてうってつけ。別にもうカッスラーの名前を使わなくてもいいんじゃァ…。
封印された系譜(上) (講談社文庫)

封印された系譜(上) (講談社文庫)

封印された系譜(下) (講談社文庫)

封印された系譜(下) (講談社文庫)

 封印された系譜(上)(下)ロバート・ゴダード
 この人の著作は初めて読みましたが、まぁ物語が転がり始まるまで実にまどろっこしく、主人公と問題を持ち込んでくる友人の絡み方が普通では考えられなくて、おおよそ一般的な友人関係では起こりそうもないような内容、しかもミステリーというか事件の謎の部分、も何だか著者の頭の中でこねくり回していてさほど興味を惹かれるものでもなく、自己満足に終始しているような気がしました。
汚れた指 (MIRA文庫)

汚れた指 (MIRA文庫)

 汚れた指 アレックス・カーヴァ
 この人の作品は過去に何度か読んでいて、なかなか面白いと思っています。エンターテインメントとしての『面白い』というのと興味深いという意味合いでの面白さが同居しています。それはズバリ、アメリカという国にはびこるチャイルドアビューズ(児童虐待)という側面、そしてそこに関わる教会の暗部であります。一作目から一貫して存在感を出してくるケラー神父が、逃亡先の南米から一時帰国し捜査に協力という一見途方も無いストーリーですが、うーん、今回も楽しませてくれました。
 Webでのレビューなんかでは、他人の著作の借り物的な作品で、なんてこき下ろされていたりしますが、ワタクシ的にはそのような作品を読んだことがないので、何とも言えませんがそれほど悪くないと思います。
シブミ〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)

シブミ〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)

シブミ〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)

シブミ〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)

 シブミ トレヴェニアン 
 『アイガー・サンクション』で有名な覆面作家だそうですが残念ながら未読なので何とも言えません。
 第二次世界大戦中の日本の様子を描きながら、複雑な家系に生まれた主人公ニコライ・ヘルのその昔と現代の歴史に一貫して関与してくるCIAやマザー・カンパニイの影。外国人作家とは思えないほどに日本の文化に精通している描写力には完全に脱帽。話の筋というよりはニコライ・ヘルの人生を描き出す様子のほうが興味深かった。
サトリ(上) (ハヤカワ・ノヴェルズ)

サトリ(上) (ハヤカワ・ノヴェルズ)

サトリ(下) (ハヤカワ・ノヴェルズ)

サトリ(下) (ハヤカワ・ノヴェルズ)

 ドン・ウィンズロウ サトリ
 さてそのトレヴェニアンが2005年に亡くなった後、そのシブミを受け継いでドン・ウィンズロウが若き頃のニコライ・ヘルを描いた作品。ニコライ・ヘルが話しの筋上重要な父親替わりの後見人である岸川将軍を『思いやり』で殺害した後の取り調べから、独房での長い孤独な生活、そこでの成長と、取り引きをしてプロフェッショナルの暗殺者としての活躍を鮮やかに描いています。舞台は日本から中国、そして東南アジアへと移りますが、これはこれで、じっくり味わい面白い作品でした。
13時間前の未来〈上〉 (新潮文庫)

13時間前の未来〈上〉 (新潮文庫)

13時間前の未来〈下〉 (新潮文庫)

13時間前の未来〈下〉 (新潮文庫)

 13時間前の未来 リチャード・ドイッチ
 これは、話がこんがらがっってというか、進んだと思った話が戻って、また展開してとあまりにもグジャグジャだし読み終えることができませんでした。だってつまんないんだモーンΣ( ̄ロ ̄lll)
ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫)

ハンニバル・ライジング 上巻 (新潮文庫)

ハンニバル・ライジング 下巻 (新潮文庫)

ハンニバル・ライジング 下巻 (新潮文庫)

 ハンニバル・ライジング トーマス・ハリス
 というのも、こんな素敵な作品が次に控えていたからなんですけれど。
 まぁこの方は寡作な作家さんですけれど、いいものを送り出してくれますね。レクター博士の幼少期から青年までの時期の様子を描いた絵巻物語。特にどうということもない描写だったりするのですが、面白く読ませるのはさすがの手腕です。でも気になるのは、一連の一作目(羊たちの沈黙)の後半で描かれていたように6本指の描写がないこと。これって・・・