鳥取の醤油事情

 米子の夜の話を続けようと思っていましたが、少し脱線して、個人的な研究対象である醤油について。
 かねてからバイク旅行でも各地のスーパーを回ってみていて興味を惹かれていたのですけれども、今回も改めて各地のお店を巡ることでその多様さは実感出来ました。ねこママさんと共に買い出しをしている時に、ふと立ち寄った大型スーパーでしたが、あいにくカメラを持ち合わせていなかったので米子・島根方面に出発する前に改めて訪問し撮影したものです。う〜ん、やはりこのようなことをしている人は極端に少ないらしく、不審者扱い満載の対応も仕方が無いですね(^_^;)。でも撮影許可はしっかり頂けたので、価格はゴニョゴニョの対応をさせてもらいますよ♪

 この後のお店ではなかった、地元の醤油・味噌のノボリに囲まれた特設ステージが神々しく思えました(やや大袈裟)。それでもキッコーナン醤油イナサ醤油ヒシクラ醤油と見慣れない醸造元を発見してテンションが上りました(ねこママさん曰く、こういう人を初めてみたそうですがそんなことはお構いなしのワタクシです)。キッコーナンと言いますと、秋田で見つけたポップなラベルの醤油をすぐに思い浮かべますが、同じキッコーナンでもこちらは亀甲に楠の文字。あちらは亀甲に南ですからこれもアリなんですね、なるほど〜。『楠』という文字でワタクシが思い浮かべるのは、キンミヤ焼酎で有名な宮崎本店。こちらのお店は『亀甲に宮』の文字ですが、所在地が三重県四日市市楠町(旧:三重郡楠町(くすちょう))。『楠』という文字は『くすのき』と読むのですが、『くす』とも読めるのですね、近隣の駅は『くす』だそうです。南方熊楠という方も名前は存じ上げていますが、この方は『みなかた くまぐす』と読むのでややこしいですね。そういえば『キッコーミヤ』焼酎という前掛けを以前は使っていました。


 楠城(なんじょう)屋さんの『ナン』が亀甲に囲まれています。菊印、錦というのはよく分からずじまいです。何となく菊よりは錦の方がより高級かなぁとは思いますが。


 お次はイナサ醤油さん。ペットボトルタイプと一升瓶タイプの双方が販売されていました。近年では嵩張るし落下した時の危険性を考えてペットボトルタイプの販売量が多くなっているはずですが、こちらのお店では併売というのは研究している身からすると大変ありがたいです。

 キッコーナンさしみ醤油。Itopさん宅では大分のフジジン(富士甚醤油)のさしみ醤油をお使いでしたが、色々と試した結果とのことでした。ワタクシは甘口のさしみ醤油は苦手なので買ったことはないのですが、どんなお味なんでしょうか?

 ペットボトルタイプで濃口菊印と錦印、その間に挟まれて淡口菊印。関東では薄口という記述のものはあるけれど、淡口というのはあまりスーパーの店頭には見掛けないですが、醤油の世界では淡口のほうがより正しい表現のようなのです。

 関東でも薄口醤油の代表格、ヒガシマル醤油の濃口を発見。これは今までも関西以西で見かけたことがあるので初見ではないですが、関東ではめったにお目にかからない代物。実際この後西進しましたが、あまり記憶に残っていないのでこれ以降西では珍しいかも。地理的にヒガシマル醤油さんのある兵庫県たつの市からさほど遠くないという地勢的な理由があるのでしょうか?実に興味深いです。

 鳥取以西、青谷という地域にイナサ醤油さんもあるのですが、こちら『まるあ醤油』の小泉商店醤油部さんの醤油。『あおや』という地域にある醤油蔵だから『まるあ』とはこれまたシンプルかつ分かりやすいネーミングに感服致しました。