小ネタドカドカその5

 さて、そろそろこのシリーズ最終章です。
■絹ごし、木綿?
 元々北海道で生まれ育ったワタクシは、実家では木綿豆腐でしか食さなかった豆腐なんですけれども(っていうか、北海道に木綿派が多いかは謎ですがこんなデータが有りました)、翻って関東に来てからは絹ごし豆腐の滑らかさに魅せられて絹ごし派に改宗致しました。
 絹ごしに慣れて数年経ってから、一度木綿豆腐を試しましたところ、ボソボソっとした食感に驚いた経験もあります。また料理によってはやはり木綿のほうが崩れにくかったり(焼き豆腐を作ったり)、食感を残したい場合には好都合だったりしますけれどもね。
 かねてから気にはなっていた存在ではありますが、もう一つ実はこんな豆腐もあるのです。

 記載が『そふと』であったり『ソフト』であったりと統一されているのは柔らかいという意味の"Soft"という言葉が使われていること。これは博多でも久留米でも見掛けました。ちなみに画像は久留米のスーパーで撮影。木綿に対して絹ごし豆腐の方が柔らかいからソフトなのかと思っていましたら、調べるとどうやら木綿豆腐の一派だそうです。今回旅をした中で、他地域でも見て回りましたが、大阪や鳥取では見掛けませんでした。熊本では余り記憶に残っていません、残念。
■つり革リング
 博多に泊まった翌日、久留米へと向かう為にJR博多駅から一路南下する電車内でのこと。出発して、ぼんやりと外の風景を見たりして、ふと目に止まった光景。

 いわゆる電車の車両の端の方の天井の光景なんですが、こんなつり革の張り巡らせ方は初めて目にしました。仲の良いもの同士だったら、ぐるりと円陣を組むように摑まっていられますね。
 もう一つ、シート。

 ワタクシの乗ったのは快速ではあるものの特別に料金を支払ったりということはなく、普通電車です。いやぁ立派なシートですね、木製で座り心地も良かったですよ。必ずしも他の電車の車両がこうなのかは判りませんが、旅の演出にはバッチリです。
■鯨を食べる
 昔はそれこそ安い肉の代表格、タンパク源として重宝されてきたと聞きますし、事実昔の記憶をたどれば給食で出されたものです(これ以上言うと歳がバレるのでカットカット)。関東でも食べることはもちろんありますが、現代では高級なもので専門店に赴くか、たまに居酒屋のメニューの片隅に見掛けると珍しいね、と何人かで飲んでいると誰かが注文して、というぐらいなものですが、九州ではそれこそどこででも見掛けましたね。

 ワタクシが生まれて初めて食べたのが、小倉での『おばいけ』。特にクセもなく、酢味噌でさっぱり。これがちょっとした立ち飲み屋や居酒屋さんといたる所にありまして、更には鯨ベーコンが置いてあったり、刺し身があったりと。スーパーでも普通に売っていて、おばいけなんかは『風』といった加工食品(カニにおけるカニカマ的な)までもが売られていました。
 クジラ工場見学という記事がありまして、それによりますと

九州では昔、クジラはすべて長崎の大村湾東彼杵)に水揚げされていた。

そこで解体されて九州各地に運ばれていたわけだが、

鯨肉の中でも一番良い部分(腹の部分)は長崎に運ばれ、
次に良いとされる背中側の部分は佐賀に、
福岡には赤身の部分、
そして鹿児島には尾っぽの部分
という具合に地域ごとに運ばれる部位が違っていた。

当時(江戸時代)日本で唯一の貿易港として長崎は非常に栄えていた。つまりお金持ちの県だったので。

という話がありました。各藩の財政状況で割り当てられる部位の差が生まれるというのは興味深いですね。
 最も昔は冷蔵配送技術など無かったからこそ、傷みやすい部位は近場から割り当てられたんじゃないかなという推測もしてみているんですけれどもね。