解錠師/スティーブ・ハミルトン

 ほぼ一年ぶりの読んだ本の記録。というか、あっという間に秋も深まって参りましたね、関東地方も。皆様の地域は如何でしょうか?

揺らめく羨望 (MIRA文庫)

揺らめく羨望 (MIRA文庫)

揺らめく羨望/アレックス・カーヴァ
 今ひとつA級作家として広まらない感もありながら、それでも着実に作品を発表し続けているようです。レビューは評価低いけれど、個人的にはお気に入りの作家&主人公のマギー・オデール。医師が患者個人に関与し過ぎるのも問題ですが、ということですけれどそれが結果的に、というお話。
 読んだ順序はもう忘れてしまっているので、続けて同じくアレックス・カーヴァ。
見えざる檻 (MIRA文庫)

見えざる檻 (MIRA文庫)

見えざる檻/アレックス・カーヴァ
 今作品ので取り上げるのは、バイオハザード。いわゆる目に見えない細菌兵器の恐怖ですね。実際にこういうことになったら堪らないなぁという恐怖を感じる反面、医療先進国の合衆国での対応のレベルと比べて、我が国日本ではそこまで(軍隊を動員しての隔離)の対応ができるのか疑問に思う。
フェイク マフィアをはめた男 (集英社文庫)

フェイク マフィアをはめた男 (集英社文庫)

フェイク マフィアをはめた男/ジョセフ・ピストー
 映画『フェイク (原題"Donnie Brasco")』
フェイク エクステンデッド・エディション [Blu-ray]
を観てから原作を読みたくなって入手。映画のシーンを思い起こしながら楽しく読み進められました。とは言うものの、600ページ近くの文庫本ですからこれを2時間程度の映画にまとめろというのが、土台無利な話、やはり映画は原作には及ばない、緻密なマフィアの人間関係、心理的描写が描かれています。あと映画ではラストシーンでレフティ(アル・パチーノ)やドニー(ジョニー・デップ)が警察に捕まるという場面からのドニーの表彰というシーンで締めくくられますが、原作では逮捕劇というよりも本当に危なくなって身を隠してしまったというのが迫真というか現実なんですね。
カジノを罠にかけろ (文春文庫)

カジノを罠にかけろ (文春文庫)

カジノを罠にかけろ/ジェイムズ・スウェイン
 老いた元警官が私立探偵(カジノ専門のコンサルタント)として活躍するという作品。どことなく漂うコミカルなタッチ、話の展開は面白かったですが、最後の方は失速気味なドタバタか。もう少し盛り上がったら個人的に満足でした。
デス・コレクターズ (文春文庫)

デス・コレクターズ (文春文庫)

デス・コレクターズ/ジャック・カーリイ
クールな文体の、昔でいうところのハードボイルド系の作品。刑事もので奇怪な事件を追っていくのだが、殺人者にまつわるグッズを集めるコレクターが登場したりするので、表題のようになっています。しかし、まぁ実のところ5分の4ほど読みまして余りに退屈&盛り上がりに欠けるので、時間の無駄と判断し途中断念。老後の時間のある時にでも。奇術師/クリストファー・プリースト
 いわゆるイリュージョンの黎明期に活躍したとされる奇術師の、それぞれの仕掛けやネタを巡ってのそれぞれの駆け引きや確執を軸に描いた作品。現代と過去を行き来しつつ織物を織るように描いていく手法は、読むのに何日も掛けて読むスタイル(まとまって読む時間が取れない)のワタクシには、時間は掛かりましたが先述の"デス・コレクターズ"よりは面白く読めました。
悪魔の涙 (文春文庫)

悪魔の涙 (文春文庫)

悪魔の涙/ジェフリー・ディーヴァー
 リンカーン・ライムでもキャサリン・ダンスでもない筆跡鑑定士"キンケイド"という新たなキャラクターを生み出したシリーズ(?)。相変わらずグイグイ読ませる、読者を引き込む作品の強さはジェフリー・ディーヴァーならではのもの。ちなみに今日現在は同作者のキャサリン・ダンスシリーズ"スリーピング・ドール"を読んでいます。鎮魂歌 不夜城II/馳星周
 "不夜城"はそうですね、12、3年ほど前に読んだのですが、知人にその後三部作となって発表されていると教えられ、気になっていた作品の二作目。前作を読んだのがそんな訳なのですっかり覚えていないので新たな作品として読みましたが、下地がなくても充分に面白く読めましたし、もしかしたら不夜城を読み返したらもっと面白いのかもしれません。彼の作品は、過去にも『ブルー・ローズ』だとか、『ダーク・ムーン』なんかを読んでいますけれども、今回もまたしても、結末に向かって描かれていくのが同性愛。『ブルー・ローズ』では性的倒錯(ボンデージ)を描いたりと、この作家の描く世界が裏社会や社会の闇の部分が多いので、必然的にそういった事柄を描くのでしょうが、その部分がなくても充分に面白く描けたのではないかと思います。
解錠師 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

解錠師 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

解錠師/スティーブ・ハミルトン
 口のきけない主人公、その類まれなる才能を活かして磨きをかけたのが『金庫破り』を始めとする解錠という特技。当然ながら犯罪に巻き込まれる結果となるのですが、そこにラブロマンスを織り込みチョッと甘酸っぱい作品になっています。これも550ページ超の作品ながら堪能しました。
ネットフォース (角川文庫)

ネットフォース (角川文庫)

ネットフォース/トム・クランシー, スティーヴ・ピチェニック
 『レッド・オクトーバーを追え』を読んだ時以来のファンですが、新たなシリーズは共著ということで、C・カッスラーと同じ道を歩んでいるのが若干の寂しさを感じます。とは言え面白いのは面白いし、ただ昔ほどの密度感がないということ。新進の作家ならこれからを期待しますが、軽く読める一冊(褒めているのか?)。
ビールうぐうぐ対談 (文春文庫)

ビールうぐうぐ対談 (文春文庫)

ビールうぐうぐ対談/東海林さだお椎名誠
 最後はお気楽な一冊。元々椎名誠氏のファンでしたが、近年東海林さだお氏を読むようになり東海林さだお氏の影響をモロにかぶっている椎名氏という図式に気付いちゃったもんね、それでもええけんね。