冷たい雨の中、吉祥寺にて

吉祥寺駅

 土曜日下町放浪をし、疲れた身体を休めるように(実際14・5Km歩いたようです)日曜日は大人しくしていましたが、やはり三連休無為に過ごすのはモッタイナイと三連休最後の月曜日夕方頃から飲兵衛の虫が騒ぎ始めました。さてどこへ行こうかと考えると意識の霞の奥から湧き上がってきたのは、吉祥寺という案。ここ暫らく行っていないし、ハモニカ横丁で飲むというのも悪くありません。善は急げ(何が?)と言うことで、しっかり着込んだワタクシはカメラを携えて両国駅に向かったのです。
 総武線の黄色い電車(各駅)から御茶ノ水で快速に乗り換え僅かに30分を超えたあたりで吉祥寺に到着、近いものです。電車を降りて北口に出るとイルミネーションがとてもキレイです。そうは言ってもワタクシのお目当ては戦後闇市の香りが色濃く残るハモニカ横丁。写真を撮り終えると早速突撃です。
 こんなお洒落なお店があったかなぁと記憶にない洋風のお店から始まり、横丁探索です。時間的には18:30前で、ほど良い時間ということで混んでいるお店はそれなりに忙しそうですし暇な店もこれからでしょう。どこに入ろうかと入りあぐねてしまいます。

入ろうかと思うとやはり人気が有って混んでいるし、あまり暇そうなお店で店主がジロリと見ていても感じが悪いし。一軒これは堪らないなぁとテンションも上がって来たのですが既に満席。すっかり出来上がりつつあるお客は動こうとせず、オカミサンも苦笑気味に断りを入れてきます。
 そうこうする内にグルグルと同じようなお店の前を行ったり来たり。余程優柔不断に思われても嫌なので、ここは諦めて他を当たろうとハモニカ横丁を後にしてアーケード街をそぞろ歩きます。横に脇道があったら曲がってみて、また戻りと繰り返しますが、どうにもこれといって惹かれるお店が出てきません。そろそろ疲れたので適当なところでお茶を濁してと、妥協してもこれなら何のために吉祥寺まで来たのか判りません。要するにやはりハモニカ横丁で飲みたいのです。
 と疲れた身体で以前楽笑さんと入った(実際には深夜のアーケード路上でテーブル席)お店で一休み。ようやく飲むことができます。もう時計の針は19:00を指すところです。あいにくホッピーがないので即座にウーロンハイに切り替えます。つまみはと、考えるとそれほど空腹ではないのですが、冷奴では寒いし、じゃぁ厚揚げを注文しようとしたら品切れ。安全パイのキムチにしておきました。常連らしき客と競馬の話で盛り上がるマスターですが、コチラは競馬は全くわからないし、TVで体力を使ったゲームに興じる芸能人のアホな姿を見るともなく眺めながら、穏やかな酔い心地に身を任せていきます。
 ウーロンハイも2杯目となるとそろそろ心持ちで、お次に参ります。それほどそそられた訳でもないのですが、何か感じるものがあって入った『コパンダ』さん。カウンターの向こうに入った店員さんが一人で切り盛りしているので、カウンターから離れたテーブル席に陣取ったワタクシにはカウンターのお客さんがグラスやら料理やら手渡してくれます。この何という感動的な協同的システム!お客さんは比較的若い人が多く大学生か、社会人だとしても、出て間もない感じに見受けられましたが、こうした協力的姿勢の自然な発露はお店のキャラクターが成せる業ですね。
 念願のホッピーと共に頼んだのはもちろん煮込み¥450。牛スジの煮込みですが味噌仕立てでやや味が濃いながらも、若い人向けのお店にありがちなやっつけ仕事ではなく、キチンとした仕事がなされていました。ワタクシに手渡してくれながらも、これ美味そうだなぁと、その若い男の子の二人連れも煮込みを頼んでいました。こうした煮込みを食べてくれている若者にはエールを送りたくなりますね。ハンバーガーを食べてコーラを飲み、なんてのは・・・。ホッピーで身体を冷やし煮込みで温まりと我ながらアホだなぁと思いつつしっかり中もお替り。そう長居はしませんでしたが気持ちよく飲むことが出来ました。
 フラフラと流れ着いた先はホープ軒。実はサクッと飲んで帰ろうと最初から決めていた(連休明けの仕事初日の朝は実になんともはや・・・)ので、そろそろ決めていた20:30に近付いて来ているのです。ここまで来たら食べない訳には行かないでしょうとばかりに、ラーメン¥600を頂いて、こんな夜も良いもんだなぁと一人しみじみ吉祥寺の夜なのです。