自家製アンチョビ 二回目

自家製のアンチョビ

 一昨年にも一度挑戦した自家製のアンチョビ作り。昨年はお休みしましたが今年は再挑戦です。基本的にはいわしの塩漬けを作るようなものですから、難しいことは殆どありません。ただ、腐りやすい生のいわしを塩だけで漬けていくのでこの時期(というか一ヶ月ほど前から)の暑さで腐敗したりカビが生えてこないようにするために念のため、多めに塩を使うのがコツでしょうか。
 本当は築地などで鮮度の良いものを仕入れてくればいいのですけれども、そこまではこだわらずに、5月ぐらいからスーパーの鮮魚コーナーを見ているとある時期に小型のいわしが売られていることに気が付きます。本来はカタクチイワシが本式なようですが、それ自体の入荷が少ないようなのでマイワシでもウルメでもいいんではないでしょうか。ともかく焼いて食べたりするには小さいなぁというぐらいのサイズのものが14・5尾入って¥100程度で販売されていました。
 これを頭を落として手開きにして、骨を取り除いておきます。包丁で下ろしてもいいのですが、このように手開きにすると、中骨(背骨)に小骨がかなりの割合で一緒にくっついて外れてくれるので楽なのです。尚この方法は鮮度のいい釣りたてのいわしには使えないとの情報もあります。
中骨を取り除いたいわしをよく水で洗い流しておきます。特に注意するのは血や血合いが残らないように優しく洗うことです。いわしの身は柔らかいので丁寧な扱いが求められます。腹骨は取り除くのが望ましいのですが、そこまでは性格的に無理なので気にしないで作業を進めてまいります。水気をキッチンペーパーで拭き取り、何か適当な大きさの密閉容器に入れていくのですが、まずは底に塩を振っておき、そこにキレイに並べていきます。とは言うものの魚はきれいな四角いものではないのであまりこだわらないほうが、精神衛生上ヨロシイようです。ひと通り並べ終えたらまた塩を振り、二段目に突入。…を繰り返していわしと塩の『ミルフイユ』(巷間頻繁に使用される『ミルフィーユ』は誤発音だという事を聞いたことがあるので。ミルフィーユだと『千人の娘』(mille filles)を意味する発音となるそうです。)の層を作り、最後に多めの塩を振りかけておきます。
 これを冷蔵庫で保存するやり方と、あくまでも常温で保存するやり方とがありますが、今回は常温でチャレンジ。

 これは仕込んで三日目の様子。かなりいわしの身から水分が出ていることが判ります。この時に液体(いわしから滲みでた水分と塩の溶液)に浸かっていないところは腐敗する可能性も出てくるので、更に塩をサラサラと振っておきます。この液体に浸っていても尚、塩が溶けきらないようだと、それは塩分が飽和している状態なので、それ以上は要らない計算になります。この液体に浸るように今回はラップで落とし蓋をするようにしました。
 そのまま日にちが経ちまして。その間も時々蓋を開けて匂いをかいでは腐っていないかを確認し、ほぼひと月経ちました。魚が腐ったような匂いではまかり間違ってもない、独特の発酵臭がしていて、これは成功です。海水程度の塩水を作ってそこに漬け上がったいわしの身を一時間ほど浸して若干の塩抜きを施し、ひとつひとつ丁寧に皮を剥いで半身に分けていきます。

 それを再びキッチンペーパーで水分を拭き取り、用意した保存用の瓶に敷き詰めるようにして、オリーブオイルとサラダオイルを7:3の割合で注ぎ込みます。一般的にはオリーブオイル100%が多いようなのですが、これだと冷蔵庫の中でオイルが白く濁ってしまったり、固まりかけたりするので、サラダオイルを入れると解決するようです。若干の塩抜きをしているので今度は冷蔵保存です。この状態で2週間ほどしたら食べられるようです、楽しみだなぁ♪